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五月二十日 午後七時二十三分

 高城家へ戻った頃には、雨足が強くなっていた。


 駐車場に車を止める。・


 ワイパーはまだ忙しなく左右へ動く。


 だが視界よりも悪かったのは頭の中だった。


 『僕がやった』


 医師の言葉が離れない。


 そんなはずはない。


 私は被害者だ。


 両親を失った側だ。


 それなのに。


 頭の奥で何かが蠢いている。


 忘れている。


 いや。


 忘れさせられている。


 そんな感覚だった。


 屋敷へ戻ると、瀬川が待っていた。


「黒川さんがお待ちです」


 私は黙って頷く。


 覚悟はできていた。


 いや。


 そう思いたかった。


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