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五月二十日 午後四時四十八分
「私に何をしたんですか」
私は単刀直入に聞いた。
老人はしばらく黙っていた。
やがて机の引き出しから古いカルテを取り出した。
「本来なら廃棄しているはずだった」
ページをめくる。
そこには見慣れない言葉が並んでいた。
外傷性ストレス。
記憶遮断。
誘導療法。
「何ですか、これは」
「君の治療記録だ」
「治療?」
「事故の後、君は非常に不安定だった」
老人は続けた。
「夜中に叫ぶ」
「突然泣き出す」
「何度も同じことを繰り返し話す」
「同じこと?」
老人は私を見た。
「『僕がやった』だ」
その瞬間。
世界が止まったように感じた。
「……何ですって」
「君は何度もそう言っていた」
老人は静かに語る。
「僕がやった」
「僕のせいだ」
「お父さんとお母さんを殺した」
「だから死にたい」




