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五月二十日 午後四時十五分
私は車を走らせていた。
行き先は診療明細に書かれていた病院。
市街地から少し離れた丘の上にある古い病院だった。
事故から十年。
当時の医師など残っているはずがない。
そう思っていた。
しかし受付で名前を告げると、
「院長先生ならご存じだと思います」
そう言われた。
院長室へ通される。
白髪の老人が待っていた。
名前は村瀬。
診療明細にあった担当医だった。
「高城君か」
私を見るなりそう言った。
「大きくなったな」
まるで昔から知っているような口ぶりだった。
「先生に聞きたいことがあります」
「だろうな」
老人は苦笑した。
そしてこう言った。
「とうとう来る日が来たか」




