軍との契約
一頻りレグナレス帝国の繁華街を歩いた後、夕食を済ませたアレン達は軍宿舎へと行くことになった。
繁華街とはうって変わり厳粛な雰囲気が流れている軍本部ではエスカーと隊長達が待っており、ククルが到着したことにより何やら指示が出されるようであった。
「簡潔に言うぞ。はじめに俺達銀翼傭兵団はレグナレス帝国に雇われる形となる。そこから一歩ずつ駆け上がっていくというわけだ」
エスカーが今日一日かかったのであろう軍とのやりとりで決定したことも、言葉にすれば十数秒のものである。
その他エスカーの口から語られた指示は
戦には基本参戦を求む
戦法、戦術においてはエスカーに任せられる
戦果に見合う金を用意する
しかし、あくまでも戦果によるものしか用意しない
軍への入隊は戦果により認められる
また、軍での地位も戦果により認められる
向こう傭兵団解散までレグナレスに牙を剥くことは許されない
「この内容が軍本部より言い渡された内容だ。不満のある者は?」
エスカーが六人の隊長を見回すが、どれも異論は無いようである。
「要するに。戦果を挙げろってことなんだろよ?」
ククルの傍らにいたアレンが頭の上で両手を組みながら退屈そうな声をあげる。
「おい、てめえここは隊長以上のものが集まってる。てめえみたいな新入りが口開くんじゃねえよ!」
相変わらず剣の隊を、アレンを敵視しているニグルが噛み付いてくるがアレンは全く気にも止めず話を続ける。
「んで、その口ぶりだと戦には必ず顔を出せって話だったんだろ、団長さんよ?次の戦はいつだ?」
ただ黙っていた隊長達が若干の緊張を顔に見せ、エスカーの方を見やる。
「よし、良い質問だ、アレン・アックスフォード。次の戦は明日だ!明日日の出からニ刻目に出立し、ウラドとの国境沿いへ向かう。各々隊員に伝えておけ!」
隊長達は驚きながらも、エスカーという男をレグナレス帝国大将軍へ導く、また銀翼傭兵団の存在を守る、それぞれの想いを抱えて隊員達を招集するのであった。




