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32 グラディオス決勝

俺は起きて学校に行き、授業を受け急いで帰宅して…ベッドで横たわったまま動けずにいた。


空間コントロールを練習しなきゃならない。それは分かっている。


せっかく手にした…シエロを犠牲にしてまで手にした力。


しかし、その思いと相反するように体が動かない。


そういえば、この空間コントロールを身に付けるためにいたところでも似たような感覚を味わったっけ。


あの時は心の友とかいう怪しいヤツが…。


それにしてもあの自称心の友は何者なんだ?


敵ではないと思いたいが、敵ではないと裏付ける根拠となるものは何もない。


それにオーチェの言っていた「お前のため」というのがどうも引っかかる。


俺のため?どの辺がそうなんだ?少なくとも俺は今、辛いことしかない。


それが俺のためになっているというのか?


本当に、このまま戦っても…いや、時間が来れば嫌でも戦わされるだろうから逃げられはしないだろう。


俺は…一体どこに向かっているのだろうか?


こういう時シエロがいたら聞けたりするんだけどなぁ。


シエロ…ホント無責任な奴だ。


「決勝という大舞台に立つことなく退場するなんて…卑怯だろ…」


そんなの関係なく修行をしなくてはならないことくらい分かっている。


ただ…あの廃工場にはいく気にはならなかった。


シエロが死んだあの廃工場には…。


何とか頭を切り替えようと思い空間コントロールについて考えることにした。


空間をコントロールって実質無敵の力ではなかろうか?


理由はシンプル。


攻撃が来ても空間を歪めて届かないようにできる。


自分の攻撃をどんなところからでも空間を歪めて相手に届かせることができる。


つまり、相手の攻撃を無効化しつつこちらの攻撃はどこからでもやりたい放題、となるわけか。


しかし相手も同じ能力なら話は別だろう。


というか同じ能力は打ち消したりできるのかな?


そうなると本人の格闘能力が勝敗を分けるはずだ。


ただ、俺は空間コントロール以外にもスピリットスキルを持っている。俺にも十分勝算はあるはずだ。


逆に打ち消せず、お互いが空間コントロールを駆使して戦うとしたら何度か実戦で空間コントロールの経験を積んでいる相手の方が上手と思っていいだろう。


その時、俺はどうやって戦えばいいんだろうか?


シエロが使った空間隔離のようなこともできるのだろうか?


もしそんなことをされたら…そうか、そういう場合の防御的な使い方も考えなくてはならないのか。


思考は回る。


だが、俺の体はベッドから起き上がろうとはしない。


さて…どうしたものか。


どうした…もの…か…。


眠気が瞼を重くする。


頑張って寝ないように気合を入れる。


ここで寝たらダメだ。


寝てしまえば間違いなく起きるのは真夜中だ。


だが…元々意志の弱い俺は…睡魔にあっさり敗北したのであった。





目が覚める。


予想通り日が落ちていた。


やってしまった…。


最後の戦いの前にやってしまった…。


俺は窓に見える月をぼんやりと眺める。


月は満月。ぼんやりと光る美しい球体。


その月を背に…誰かが…立っている。


「だ、誰だよ」


月の光で顔は影になっていてよく見えないが、身長はオーチェや間子より高い。セロより髪が短い。俺が知る誰にも当てはまらない。


「…見えるんだ、俺の姿」


知らない者ではあったが、発した声には聞き覚えがあった。


そう、あの二度と会わないとか言っていた声。


「自称…心の…友か?」


「自称は合ってるけど付けて欲しくない言葉だね」


やけに悲しげに聞こえるのは気のせいなのだろうか?自称って言われたからかな?


「あ…あの時はありがとう」


とりあえずお礼は言っておく。


どういう理由であれ、空間コントロールを得ることができたのは自称心の友のお陰なのも事実だからだ。


「それは些細なことだよ。ただ今は、君が俺の姿が見えていることの方が問題なんだ…」


問題?どこが…。


そう思った俺の思考は止まってしまった。


自称心の友がこちらに一歩踏み出した時、月明かりが自称心の友を照らした瞬間、俺は思わず言葉を失った。


顔が…無い。


昔、妖怪のっぺらぼうというのを見たことがあるが、まさにあの顔である。


目、鼻、口が無い。


どうやってしゃべっているのか分からない。


いや、そんなことはどうでもいい。


何だよ…この気持ち悪さは…。


驚いているんじゃない。恐いんじゃない。「気持ち悪い」のだ。


「だから姿を見られたくなかったんだけどな。ただ…」


ゆっくりと歩み寄り自称心の友は俺のベッドに腰を下ろす。


間近で見れば見るほど嫌悪感が増してくる。


何だよコイツ…何なんだよ!


「俺の姿が見えるってことは、グラディオス決勝は間違いなく負けないってことだ」


これ以上混乱するようなことを言うな!と叫びたかった。


なのに…。


なのになぜか…涙が出てきた。


喜怒哀楽…どの感情なのか分からない。


これだけ気持ち悪いのに…なぜか…安らぎも感じていた。


何者なんだよ…コイツ。


「今日はもう寝るといい。今の君に必要なのは休息だ」


「そんなことしてる場合じゃ…」


言葉の途中で急激な眠気が俺に襲ってくる。眠気というより意識を奪われているような感覚である。


「おやすみ、俺の心の友。俺の…」


その言葉を耳にしながら、俺の意識は消えてしまった。





目が覚めたのは朝日のせいだと思う。


窓から入る朝日がとても眩しかった。


それゆえに青ざめた。


俺は…今日の…グラディオス決勝のために結局空間コントロールを全く練習することなく今に至ったのだ。


今までには感じたことのない恐怖が俺を襲う。


「自称心の友のせいだ…。アイツが…俺を眠らせたから…」


全部言いかけて言葉を飲む。


無駄な考えだよな。


もう、この状態で戦うしかない…ってことだよな。


せめてシエロがいてくれたら…。


無意識に、いつもシエロのいた俺の学習机の椅子の上を見てしまった。


当たり前だがそこにシエロはいない。


そう、シエロはもう…いない。


「しえろ」という名前入りの首輪が机の上にあるだけ。


その首輪が、シエロがいなくなったことを余計に実感させる。


唯一、あいつが存在した証…か。


感傷に浸る俺を不意にスマホのアラームが邪魔をした。


「もう登校の時間か…」


俺はさっさと準備を済ませ学校へと無理やり体を動かす。


不意にシエロの首輪をポケットに入れたのは、アイツのサポートを受けられている気がするからかもしれない。


(げん)を担ぐとか…俺らしくないなぁ。





嫌な事の前の時間は実に早く時間が流れる。これって不条理だと思う。


登校中、香織が何かを話しかけていたが、まるで覚えていない。


その上、今日の授業、何を言っていたのかどころか自分が授業を受けた記憶すらない。


時間が早く進むくらい、今日のグラディオスのことで頭が一杯になり過ぎていた。


気が付けば時計は十一時四十五分。


どうして俺はこの時間までずっと普通に授業を受けていたんだ?


朝からサボってトレーニングをするという選択肢もあったはずだ。なのにどうして今頃そんな考えが思い浮かんでいるんだ?


頭悪すぎるだろ…。


授業一日と自分の命。


天秤にかけるレベルじゃないことくらい普通なら分かるはずだ。


つまり、俺は今、普通じゃないということか…。


この考える時間すら無駄だと早く気が付くべきだったという思考に至ったのは、時計の針が正午に差し掛かっているのが目に入った時であった。


終わった…。


そう思った瞬間、俺は真っ白な何もない石の床が広がる空間にいたのだった。





「いよいよ最後の戦いだ、魂の戦士たちよ。これで全てが決する」


セロの声が辺りに響く。


俺の目の前には…何と言えばいいのだろうか?


四角のモザイクのようなものに包まれている人らしきものが立っていた。


今日は対比できる構造物や自然物が無いので相手の大きさは分からない。


そんな俺の考察は無意味と言わんばかりに相手はやる気満々のようで、右足を前に出し、腰を落とし右手を前に軽く出し、いわゆる戦うための「構え」を取っている。


その様子を見ている限り、今回は雫のようなトリッキーな戦い方をするのではなく、正攻法で来るパターンの可能性が高そうだ。


「この戦いに勝利した者は私が勝者の願いを叶えよう」


えっ!?それ、初耳なんですけど!?


もしかして願いってのでセロを止めろってことなのか?


思わず考え込んでしまった俺とは対照的に、相手は構えを崩していない。


そんな相手の肩にサッとスズメが舞い降りた。


こんな所にいるスズメ…あれが相手のナビゲーターってことか。


「では、最後の戦いを始めよ」


ここでも俺は不意を突かれた。


こういう場合、気合入れて「始め!」とか言うと思っていたのだ。


それは相手も同じだったのか構えたまま動かなかった。


しかし、状況を察するのは相手の方が早かった。


いきなりその場で、上段回し蹴りらしき動作をする。


もしかして素振りでも…と思った瞬間、右肩後ろに衝撃が走る!


まるで金属の棒か何かで殴られたみたいな重さと固さと衝撃だった。


無防備に攻撃を受けた俺は前のめりに吹っ飛んでいった。


「な、何なんだ今のは…」


チラリと相手を見るが俺の方を向いている以外最初の位置から動いてはいない。


初手の攻撃の意味が理解できないのはヤバイ。


これでは想像通り何もできずにやられるだけだ!


俺は咄嗟にフラージュオプティを使ってしゃがんで身を隠し、ゆっくりと相手から離れるように移動した。


少なくとも今の一回の攻撃で推測できることがある。


この何もない空間は相手に有利な可能性が高い、ということだ。


先ほどの攻撃がもし遠距離でも可能なら、相手から俺が視認できている範囲内だと、俺が何かしようとして止まった瞬間に攻撃をすればいい。


隠れる場所がないというのがこんなにも不利になるとは…前回の森の中とは逆のパターンだな。


とりあえずフラージュオプティで姿は見えない…。


俺は吐いた。


思いっきり胃液を吐いた。


俺の腹部に重い一撃が突如としてやってきた。


チラリと相手を見ると構え直していた。どうやら何らかの攻撃を放ったようである。


「フラージュオプティでは隠れられないってことか…」


それにしてもどうして見えるんだ?


俺は隠れた位置から移動している。何か見えるようなヘマでもしたのか?


再びその場から移動してみる。


今度はあえて一メートル相手に近付き動きを止めた。


いきなり横っ飛びに飛ばされた。


今ので肋骨が折れてなければ運がいいくらいに、俺の横っ腹を重い棒のようなものでぶっ叩かれたような衝撃だ。


相手を見ると高らかと上がった右足が見えた。


何となく分かってきた。


アイツは…相手との距離を…空間を気にせず攻撃を当てることができるのだろう。


それも、俺が隠れても分かる何かがあるようだ。


その上、問題がもう一つ出てきた。


今の攻撃、もしスピリットスキルを使って威力を増しているなら…その方がいい。


もし、スピリットスキルではなく自力であの威力の攻撃が繰り出せるなら…相手は格闘技経験者の可能性が高くなる。


それはつまり…もしかして…。


「香織…じゃないよな…」


いや、香織なわけがない。


シエロが知っている未来のことを俺に話せたんだ。


それはつまり、セロからの制約を受けてない…つまり、相手が香織じゃないって証拠…だよな?


しかし同時に俺には嫌な考えが頭を過る。


もし、俺が相手が香織じゃないと信じさせて香織と真剣に殺し合うのを見て楽しむとしたら…どうだろうか?


躊躇せず戦うところを見たい、となれば相手が香織じゃないと思わせた方が都合が…いい…のか。


そういえばシエロはこうも言っていた。


途中で相手が香織と俺が気が付いた、と。


過去に来たとしても香織と気が付く内容が変わるだけで結局気が付くということなのか!?


(…あなたが…あなたがいたから…こんな思いをするのよ…)


相変わらず雑音交じりの誰の声か分からない声が聞こえる。


相手の…もしかしたら香織の言葉なのだろうか。


俺は自分の周りに炎の柱を数本出現させる。何もない空間で俺が出せるもので隠れられるのは、これくらいしかなかった。


火の柱の数を増やし俺を視認できないようにする。これで相手も攻撃を当てにくくなるはずだ。


この隙に体勢を整え、俺が時空光と分かる何かを見せることができれば状況は変わるはず…。


さて、どうすれば分かってもらえるのだろうか?


そうだ、文字を書けばいいじゃないか!


しかしどうやってだ?


炎で…と言っても安定しないか。やはり光で電飾のようにするか?もしくは下の床を削るか…。


しかし何て書く?


俺の名前か?


いや、それだけでは知り合いとかだと思われる可能性がある。


二人しか知らない秘密?


そんなものあったっけ?すぐに思いつかない…。


なんて考えていると何の前触れもなく右の頬に打撃を受け吹っ飛ばされた。


この炎の柱でも見えているのか!?こちらからは全く相手の姿が見えていないのに!?


こうなればある程度のダメージを与えて動きを鈍らせて、何とか俺だと伝える方法を模索するしかなさそうだ。


「くらえ!ランデルーズ!」


俺は威嚇のために相手の足元に向けてランデルーズを放つ。


しかし、ランデルーズは相手の近くに到達すると…いきなり消えた!


「なっ!?消えた!?」


驚くと同時に、ありえないことが起きた。


突如、俺の放ったランデルーズが目の前に現れたかと思うと、俺に向かって飛んできた!


俺は咄嗟にランデルーズを曲げ、自分の右頬をかすめる程度で事なきを得た。


「反射…じゃない。ランデルーズの着弾点以外の所からランデルーズが俺に向かって飛んできた…」


そうか、これが空間コントロール…というわけか。


いや、待て待て!


敵からは遠距離攻撃ができ、こちらの遠距離攻撃を反射する。


近接戦なんて相手が香織だとしたら、まず勝てるわけがない。


どうする、この難攻不落の相手…。


(私を救ってくれる人は…もういない…それなら…)


またもやあの声が聞こえてくる。


香織は…セロに救いを求めようとしているのか!?一体何から救ってほしいんだ!?


その時、背中に悪寒が走った。


無意識に無様と指さされそうな態勢で転がり、前に出る。


ブゥン…。


何か変な音が聞こえた。


まるで何かが空を切ったような音。


何が起きたのかさっぱり分からないが、悪寒はまだ続く。


今度は横に転がる。


ブゥン…。


不気味な音は耳の中に残る。実に気持ち悪い。


立ち上がり、体勢を立て直す。


だが、その行動で音の正体を知ることになった。


俺の出した炎の柱が…まるで居合の達人が日本刀で斜めに竹を切ったような切り口みたいになっていた。


その状況に思考が一瞬止まる。


「どういう…ことだ?」


その炎の柱を見ようとして、不意に体を動かす。


その瞬間、再び「ブゥン…」という音がしたと思った次の瞬間、左肩に激痛が走った!


「痛っ!」


思わず右手で左肩を押さえた。


その時、右手に感じた違和感。


触り心地がおかしい。


普通なら肩から腕にかけて滑らかな曲線があるはずだ。


しかし、その途中にヌルリとした部分があった。


思わず右手を視界に入れる。


右手には…赤いものがべったりと付着していた。


それを見たと同時に左肩に熱が帯びていくのを感じた。


「うそ…だろ…」


肩に血が滲み真っ赤になっている。痛みで肩が上手く上げられない。


それにしても、この見えない…まるで刃のような攻撃は恐ろしい。


こんなもの、どうやって回避すればいいんだよ!


これも空間コントロールなのだろうが…。


クソ!この肩、さっきまで普通だったのに…信じられない。


先ほど切り取られた炎の柱越しに相手が何かをしているのが見える。


まるでその場で素振りしているような…。


痛みで思わず膝をつき、うずくまる。


こんなに痛い思いするとは思ってもみなかった。


ブゥン。


俺の上で音がした。思わず見上げるが何もない。


だが、空耳ではない。


もしかして…痛みでうずくまっていなかったら…今の攻撃を喰らってたのか!?


それと、相手の素振りとこの攻撃は関連があるのか?


音の前の素振り…無関係ではないと思っていいんじゃないか?


こういう時シエロがいたら相談できたのになぁ…。


俺は炎の柱を消し、痛みを堪えて立ち上がる。


そこで見たのは意外な光景だった。


相手があからさまに一歩後ろに下がった。


俺は何もしてないぞ?どういうことだ?


もしかして、今の一撃を避けられたことに動揺しているのか?


だとしたらこれは…好機じゃないか?


俺は肩の痛みを堪えランデルーズを放つ。


何の抵抗もなく相手の右肩をかすめる。先ほどのようにランデルーズの反射はなかった。


だが、今の攻撃で相手は我に返ったのか再び構え、上段蹴りの素振りをする。


俺は肩の傷口を押さえながらしゃがんだ。


ブゥン。


再び音だけが俺の耳に聞こえた。


少しずつ分かってきた。


この見えない刃のような攻撃は、もしかして…あの素振りが発動条件かもしれない。


後は相手の反射攻撃を攻略できれば…勝つ可能性が見えてくる。


と思ったのも束の間、相手が連続で素振りを始めた。


終わった…。あんなに避けられない…。


死ぬ…。


死ぬ…。


死ぬ…。


死ぬ…。


嫌だ…。


嫌だ…。


嫌だ…。


嫌だ…。


嫌だ…。


絶対…嫌だ!!


俺だって…空間コントロールをできるようになってんだ!これくらい何とかできるだろ!


想像しろ!攻撃を防ぐイメージを!


俺は思いっきり右前に転がり、起き上がり、右手を前に出し構える。そして…。


ぼとり。


俺の耳に聞きなれない音がした。


ゆっくりと俺は音のした方を見た。


そこには…見覚えのあるものが落ちていた。


そこにあってはいけないものが…。


おい、嘘…だろ!?


俺の…右手だ…。


右…手!?


慌てて自分の右手を確認した。


肘から先が鋭利な刃物で切り取られたように切断されており、そこにあるはずの右手が…無かった。


そして容赦なく、切り口からは出血をしている。


痛みが遅れてやってくる。


俺は声にならない声を上げた。


甲高く、悲痛な叫び。


今までこんな負傷をしたことがない。


止血をしようにも痛みでそれどころではない。


もう…終わった。


俺は…こんなところで死ぬんだな。


マンガやアニメの主人公のように危機になれば能力が発動する、なんてあるわけないか…。


ヤバイ…出血が酷くて少し意識が薄らいできた…。


右腕を抑えて崩れ落ちる。


広がる血を見て…死が近付くことを嫌でも感じてしまう。


俺は…やはり勝てない運命なのだろうか…。


諦めたくはない。


諦めたくはないが…もう…ダメ…かな。


消えゆく意識。


俺は…ここで終わりなのだろうか…。

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