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おもろないなぁ

「ここか」


俺は集合場所に到着する。五分前に到着したので遅刻の心配はないが、前回のように俺以外が全員揃っているなんて事はやめてほしい


「失礼します」


俺はそんな思いを胸に扉を開く。


そして俺の登場を待っていたと言わんばかりに室内の全員が視線を俺に集める。案の定、最後の1人だったようだ


そしてその中には西園寺と不知火の姿があった。勿論会長がいることは分かっていたが、この人達も呼ばれたようだ。


そしてその2人は俺の登場に目を見開いていた。俺が今日来ることを知らなかったみたいだ。知っているのは召集の手紙を書いた会長だけか


「誰だお前」


その言葉は俺に向けられたものだった。黒髪を1つに束ねた女は俺に問う。その眼光は鋭く俺を睨み付ける。


「呼んだのは私だ」


そう東堂が口にした途端、全員が振り向いた。


「そうですか。それは失礼」


女は謝罪を口にして俺から視線をそらす。そして会長の一声で会談が始まった


「ではこれより会議を始める。と言っても何かを話し合う訳ではない。これはハンター統括本部からの任務だと思ってくれ」


東堂が続ける


「予てより調査中だった案件が終了した。極秘事項だから君たちには話せなくてね、こんな急に呼び出す形となってしまって申し訳ない」


「何ですかその案件って」


西園寺が代表して問う


「ああ、日本海で孤島が見つかった」


「孤島ですか………」


それだけでは何の問題もなさそうだと西園寺が顔をしかめる





「そしてその孤島に悪魔が大量発生していることが分かった」





それを聞いた途端、室内の全員に衝撃が走った。驚く者、考える者、興奮する者と三者三様の反応を見せるなか、俺はいまいちピンと来ていなかった。


確かに驚くべき事態なのは理解できる。大量発生ということはゲートブレイクが起きているということだ。そして未発見の孤島で生じたが故に長い間放置されてきたのだろう。


そこまでは分かる。だがそんな重大な事態に俺が呼ばれた理由が未だに分からない。


「調査の結果、島に潜伏する悪魔は総勢約200匹、そこから察するにゲートブレイクを起こしたゲートは5つほどだと判明した」


衝撃の告白は止まらない


「そしてブレイクを起こしたゲートの等級は5つのいずれもA級相当だ」


「A級ゲート……」


西園寺の口から零れた言葉は弱々しかった。思えばバベル戦の報告に来たときに会長は俺に頼みごとがあるから力を貸してほしいと言っていた。あの時既に孤島は発見されていたのか


「それで私たちにその悪魔の殲滅を頼みたいということですね」


「ああ、作戦決行は明後日の8月13日を予定している。可能な限りの部隊を貸してほしい。5つのA級ゲートがゲートブレイクを起こしたということはA級のボスが5体島にいるということだ。本来は全五大ギルドに要請をしたいところだが2人は多忙で来れないようだ」


2人というのは天断と黒薔薇とこの女の所属するギルド以外の五大ギルドだろう。日本のトップギルドともなれば最難関のゲートに毎日足を運んでいるはずだ、日程が噛み合わないのも仕方がないだろう。


「会長、島の大きさは」


「約2km四方。島に連れていけるハンターは恐らく100人程度だ」


「…………」


S級たちはその話を聞いて難色を示す。


「すいませんが会長、黒薔薇でA級ゲートの攻略経験があるのは1番隊の15人だけです」


西園寺が申し訳なさそうにそう口にした


「天断からも送れるのは私含めた15人だけです。2番隊はまだB級ゲートの攻略も絶対ではない状態です」


「そうですか、橘さんの所はどうですか」


「恥ずかしくも婆娑羅(ばさら)からも送り出せるのは1番隊の17人だけです」


「そうか、では総勢47人か。綾小路くん君はどうかね、だが無理して頷く必要はない。君自信が決めることだ」


全員の視線が再び俺に向く


「行きます」


俺はそう答え、孤島に行く決心を固める。


「君、等級は」


会長の質問に女が割り込む。そしてその鋭い視線が俺を射抜く


「E級です」


「あ?」


そう答えた瞬間、女の顔が強張る。眉間にシワが寄り、先程までの、のらりくらりとした雰囲気が消えた


(おど)れ正気か」


そして突然女の口調が変わる


「冗談やったらおもろないなぁ」


独特の訛りが混じる。彼女は俯くようにして下から俺の瞳を覗き込んだ


「今のあんたなら確実に死ぬぞ。何が理由かわ知らんが止めとき、あんたみたいにいきっとった輩何人も見てきたわ。そんなもん勇敢とは言わへんぞ、故人への冒涜や」


彼女は決して俺を蔑んで言っている訳ではない、それは俺も理解できる。しかし俺だって崇められたいが為に参加するのではない。


俺がハンターだから、それ以外に理由は要らないだろう。悪魔を殺したいというのは確固たる動機に成り得る筈だ。


「橘くん、私も決して彼を適当に選んだわけではない。それなりの力が彼にあると踏んでの事だ」


会長の発言で女が一旦落ち着きを取り戻す。呼ばれた身としては事前に話をしておいてほしかったものだ。初対面でここまで言われたら誰だっていい気はしないだろう


「私も賛成だ橘。彼は先日のアブソルゲート攻略者の1人だ」


西園寺が爆弾を投下する。恐らく攻略されたアブソルゲートから不知火千影の死体が発見されたという事実は知っていたのだろうが、誰が攻略したのかまでは知らなかったのだろう。


その証拠に俺を睨む視線が更に鋭くなった。




え?鋭くなったの?今のは実力が分かって少しだけ俺を認めたとかそういうシーンじゃないの?



俺は1人心の中でそう呟き、彼女から視線を反らす。




どうやら彼女の俺に対しての第一印象は最悪のようだ

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