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戦利品

「会長、失礼します」


「どうぞ」


「ゲートブレイクの対処が完了しました」


「ありがとう!またひとつ君に世話になってしまったね」


「いえ、ですがひとつお話したい内容がございます」


「なんだい」


「綾小路ハンターに今回のゲートブレイクの件を知られてしまいました」


「そうか………偶然居合わせたのか?」


「いえ…………それが先にゲートに入り彼がボスを倒して出てきたところで彼に会いました」


「彼1人か?」


「はい」


「彼の等級は」


「E級です」


「ゲートの等級は?」


「……………B級ゲートと測定されました」


「そうか、彼に話はしたか?」


「はい、ひとつ頼み事を聞いてくれる代わりに他言はしないと」


「そうか、それはよかった」


「会長………」


「分かるさ。彼の驚異的な成長に関してだね?」


「………そうです」


「しかし、いつの時代だって本人にしか分からない、いや本人すら理解できないような現象は起こりうるものだ」


「そうですね…………では失礼します」


室伏が出ていった部屋で東堂は窓越しに外を見る。


「Bゲートを攻略するE級ハンターか」


東堂は現役時代に戦友に言われたことを思い出す。


Aゲートをチームで攻略するものとBゲートをソロで攻略するもの、どちらが優れているかという問


それに俺は何て返したのだっただろうか







どれだけこの日を待ち望んだことか

どんなに痛い思いをしても

どんなに寒い、暑い思いをしても

どんなにバカにされようとも


俺は頑なに防具を買ってこなかった

否、防具を買う余裕が無かったのだ


今まで稼いできたお金は生活費と奨学金の返済でほとんど消え、ちびちび貯金をしては安い武器を買っていた。


それとも今日でおさらばだ!

やったー


俺はあの日、ハンター統括本部で買収されたあの日、お金でも武器や防具の譲り受けでもなく、ある物の製作を依頼した。


それが今日仕上がったのだ。先ほどハンター統括本部よりある住所が記載されたメールを受け取った。どうやら記載された住所で受け渡しがされるようだ


「此処だよなぁ」


朝早くに家を出ていざ着いたが、どう見ても田舎の一軒家だ。ばあちゃんが暮らしてるようなボロい家だ


人っ子1人いない喉かな町だ。案外こういうところは嫌いじゃない、ばあちゃんと見た満点の星空を思い出す。


すると隣の山から1人の老人が下山してきた。肩から大きな袋を引っ提げ重い足取りで此方へ近付いてくる。


「おまえさん、見ねぇ顔だな。そよもんか」


「はい、鍛冶師の時成さんですか?」


「おぉ、俺に依頼をしたのはお前さんだったか!もう出来とるで、上がれや」


「はい、失礼します。」


どうやら彼が本人のようだ


随分カビ臭い部屋だな。此処で生活してるとは到底思えない。


「汚くて悪いな、なんせいつも朝から晩まで鍛冶屋に籠りっきりなもんで此方に降りるのも久々でな」


「いや、気にしませんよ」


「あんちゃん、あの素材はどこで?」


「溶岩エリアのダンジョンで手にいれました」


俺はアルルスカーレットを倒した後こっそり奴の骨を何本か拝借していた。そんなに大量に持ってこれなかったが仕方がない。


「こいつの素材がまた変わりもんでよ」


「鍛冶師やっててこんなこと始めてよ。熱しても熱しても少しも熱を通さねぇんだ。」


「その肩から担いでる袋の中のやつですか?」


「あぁそうだ、素材自体の出来はかなりいいのに魔力が少しも内蔵されてなかったんでこっちで加工しといたぞ」


「そうなんですね、ありがとうございます!」


恐らくグラで喰い尽くしたからだろう。


「あぁ!かなりの力作だ」


俺に渡されたそれは赤色の光沢を見せる肘から手首までを守る肘宛が2つ



左右で1セットを頼んだのだ。今の俺なら大体の敵の攻撃を回避できる自信がある。しかし万が一、ガードが必要な場面になったら腕で受けなければならない。そのときのための肘宛。


少ししか持ち帰れなかった骨を使って防具をこしらえてもらうなら、この程度が限界だろう。


確かに魔力の干渉も感じる。これは相当に良物の予感がするぞ


防具製作を室伏さんに伝えた時、俺はそれを雪陽花の制作者に依頼するように頼んだ。俺はあの武器を相当気に入っている。これからは俺の専属の鍛冶師として頼みたいくらいだ


「雪陽花を使われてもらってます。かなり気に入ったので今後もお願いするかもしれません。」


「おお!あいつを使っとるのか!そりゃぁ俺に惚れても仕方がねぇな!お代はもうハンター統括本部から貰ってるからそれは持ってってくれ!」


「ありがとうございます!また素材が集まり次第お願いしますね」


「おうよ!」


俺は念願の防具を手にいれて、意気揚々と家に戻る。明日はCゲートの予約が入っている。と言っても探索チームとしてだが。大規模ダンジョンとなると其なりの準備が必要となる。


ハンター募集届けをハンター統括本部へ提出しハンターを募る。それも攻略チームと回収チームの二つの隊を募るのだ。


今まで俺が参加してきたようなE級ゲートは素材や鉱石も少なく、手分けして集める必要がなかったが大規模ダンジョンとなると話は別なのだ。


俺は又しても運良くその回収チームの募集に応募することが出来た。戦闘こそ無いものの報酬はEゲートよりも多く、Cゲートを体験してみるという名目でも俺にとって大切だ。


今夜は眠れそうにないな

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