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第二話 姉妹

 記憶の管理者を守る使用人たちの中で、唯一血縁関係がある二人がいる。それはアイカとアヤメだ。年の差は四つ。彼女らは仲はいいが、性格や得意分野は真逆だった。


 とある休日。二人は並んでお茶をのんでいる。


「アヤ姉さま。」


 それが、アイカが時々アヤメに言う呼び方である。この時は、昔を思い出す。


「なんだ、アイカ。」

「ずっと監視するのって大変じゃありませんか?」


 確かにそうだ。アヤメは二十四時間見張りをするために塔で寝泊まりをしている。時々交代はするが、基本そこにいる。アヤメは「うーん」と腕を組んで考えたのち答えた。


「いや、みんなが頑張ってる姿を見ると嬉しいものがあるよ。成長しているなって、しみじみ思うよ。」


「ふふ。そうでしょうか。」


 アイカはお茶を飲みながら、のんびり息をつく。


「それにしてもこんなに長くいても、退屈しませんね。いい意味で。」


 アイカがそういうとアヤメもこくりとうなずいた。


「完全に同じという日がないほど、私たちも工夫しているよな。」

「ええ。」


 主人が代わるのもそうなのだが、使用人も変わっていた。新しい技術や知識を学んだりするのはもちろん、主人ごとに衣装を変えたりなど彼らも楽しんで仕事に取り組んでいる。


「正直、マリーが髪色を変えたときはびっくりした。今は元に戻っているが。」


「わかります。あと時々キュラも髪を切ったりしていましたよね。」


「ああ。ブルーに至っては最近性格丸くなってきたよな。元はオラオラ系だったのに。」


「ふふ、それは大げさでは?」


 みんなのことを知りすぎて、互いに嘘をつけなくなっている関係。だが、それでいいのだ。


「アイカも変わったよ。昔は緊張しすぎて、言葉を話すのも

苦手だっただろう?」


「そうですね。アヤ姉さまも人間不信だったのが、今はみんなを頼りにしていますよね。」


 時の流れは恐ろしい。こうも簡単に問題が解決する。

 そして同時にそれほど壮大な時間を彼らが過ごしてきた証でもあるというわけだ。


 そんな彼らは今日も記憶の図書館で時を刻んでいる。

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