第一話 幼馴染
「おい、マリー。どんだけ食うんだ。」
「えっへへ、いいでしょ~。」
青髪の使用人ブルーと、金髪の使用人マリーが二人並んで菓子を食べている。そのメニューはカップケーキ、マリーの大好物だ。マリーはもぐもぐとおいしそうに頬張っており、
隣にいるブルーは呆れていた。
「急に作り方教えろとか言うからびっくりしたが……ただ食べたかっただけか?」
「ぎくり」
「いや、ばれても自分の口で言うなよ。」
この二人は使用人になる前から知り合いで、何なら幼馴染だ。そして、とても仲がいい。
「だって、ルーくんの作るカップケーキは世界一だもん!」
「はあ、口だけは達者だな。」
そういいつつも、ブルーはうれしいのか長い耳をピクリと
動かしている。それをマリーが見逃すわけもなかった。
「あー。うれしいんだー。」
「……うっさい。」
そんなやり取りをしながらも、二人はともにカップケーキを頬張っている。ふと、ブルーが尋ねた。
「そういや、最近の敵どう思う?」
ブルーが聞いたのは、主人に気づかれるよりも前に退治している敵のことだろう。マリーは「うーん」と言葉を漏らしながら満面の笑みを浮かべて言った。
「うん。めんどい!」
「そんな顔で言うなよ。わかるけど。」
わかってしまったらしい。ブルーはカップケーキを頬張りながら言う。
「あんたは戦力だ。負けるなよ。」
彼の言葉にマリーは目を丸くするも、目を細めて言う。
「ルーくんもね。防御担当さん?」
「ふ、そうだな。」
彼らの仕事の合間に穏やかな時間が過ぎていく。
今日も、記憶の図書館は平和だ。




