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人攫い前編そのいち


村に入り暫く進むと住人たちがこちらを見てひそひそと話している。



「私は正教会で聖女でありルシファーとミカエルの加護を得てるもの」


「ちっ、俺はウリエルの加護を得た正教会司祭だ」



被っていたフードを取り、俺たちに敵意がないことを示す。政府や王国の評判が地に落ちている事はゲームでやっているから知っていた。


その分、俺たち正教会はいま民たちの信仰の的となっている筈だから攻撃はされないだろう。


ゲーム通りいけばよかったんだが、誘拐とかミカエルとかゲームには一切出てこなかった事が今起きてる以上慎重に行動しないといけないし。。



「聖女様、司祭様。村長がいない今、この私が詳しくお話致します」



村長がいないってことは誘拐されたってことでいいのかな。


俺は頭を回らせつつ話しかけてきた男を見る。


目の前にいる青年はギル並の美形だ。緑の髪に黄色の瞳、身長は高くスラリとしている。こんな美形がこんな村に住んでいるのか?


ギルを見ると、ギルもどこか違和感を持っているのか顔を歪ませている。



「それは助かります。私の事はソラとお呼びください。あなたの名は?」


「申し遅れました、ソラ様。私の事はヨルとお呼びください」



ヨル?どこかで聞いた名前だ。んー、攻略キャラじゃ無かったし、どこだっけ。確か違う乙女ゲームに出てたキャラクターだった筈。


作者は一緒だし、多分だけどルシファーとかそこら辺も作者のまた違うゲームの登場キャラだよな。



色々考えながら俺は取り敢えず考えることを放棄した。

高卒な俺にはもう無理だっ。爆発する。



「なぁ、仮村長さんよ?先に言うけどソラに手、出すなよ?お前は信用ならねぇ」



俺を抱き寄せ、ギルはヨルに威嚇するように言う。


ヨルは相変わらずニコニコしその真意はよく読めないが、ギルの言葉に対してほんの一瞬眉をひそめ顔を歪めたように見えた。



「私如きが世界で1番美しく儚い花と称される聖女様に触れるだなんて。そんな恐ろしいことは出来ません」



その寂しげな声にギルから離れ、俺はヨルの手を優しく握る。



「ヨル、触れたいと思うのなら私に触れてもいいのですよ。貴方が困ってるのなら私はいつでも力になります」



すると目の前のヨルの他にギルがこちらを見てすごい顔をしていた。


変なことをしたのだろうか??


あまりにも驚いた顔をしてこちらを見るので、俺はヨルの手を握ったままフリーズしてしまった。どうしたらいいか全くわからない。



「聖女様はこんな私にも手を差し伸べて下さるのですか。その手も、その笑顔も、あなたは本当に聖女だ。私の天使、いや、私の神様」



声が聞こえヨルのほうに顔を向け、俺はそのまま違う意味で固まってしまった。


ヨルの表情、瞳、それは元いた場所で良く弟が俺を見ていた時の顔だ。あんな弟思い出したくもない。自分が気に入らなければ暴力で解決、友達は多い陽キャだが誰もアイツに逆らえない。親でさえも。


そんな弟に俺は監禁されてたが、母が隙を見て逃がしてくれた。なのに数年後に殺されて異世界に来るなんて思ってもいなかった。




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