エピローグ 星条旗よ無敵なれ
エンパイア首都を制圧したUSFはそこでとある人物と邂逅する。年の頃はまだ若いが、その知識は帝国随一と評される若き、そして狂った天才科学者。
「まさか、君はマイケル・M・ローランド博士か?」
「上院議員お久しぶりです。大統領のことは……残念でした」
その後博士が語ったのはなぜ三人が転生したかについてであった。エイリアンの母船が爆発した際に放出された協力なガンマ線。それが人間の脳に異常な変化を与え、死後宇宙のかなたに電磁パルスを飛ばし、この星の住人の脳に記憶が上書きされたのだ。
「つまりこの宇宙のかなたに私たちの故郷があると?」
「はい、上院議員。しかしそんなことよりももっと大きな問題があります」
数年後、元エンパイア首都・現USF首都リンカーンDC。
空を埋め尽くす円盤の群れ。次々と大地に降り立つ未知の武器で武装した空のかなたの軍隊。彼らは通りすがった星々の資源を略奪し根絶してきた。彼らは無敵であった。数十年前までは。
地球での戦いで戦力の半分を喪失した彼らは無様な敗走を経験し、怯えたネズミのように宇宙を這いまわることとなった。惨めな生活であった。しかしそんな生活も今日までだといわんばかりに鬨の声を上げる。文明レベルの低いこの星なら負けることはないだろうと。彼らの誇りと略奪の歴史を取り戻す第一歩だと。
「くだらない連中だ」
ホワイトハウスで報告を受け取ったハーレー・ハリウッド大統領はつぶやいた。
官邸周囲にはすでに戦闘準備を整えたUSF軍で埋め尽くされていた。伝統あるベースボール部隊、新進気鋭のサッカー部隊、奇想天外なビーチバレー部隊。栄えあるバスケットボール舞台と最強のアメフト部隊も並んでいる。
「合衆国は自由と正義を侵すものに容赦はしない」
傍らに控えた大統領秘書のエイミーから彼自身のアーマーを受け取る。
窓の外からは猛る兵士たちの歌う国歌が聞こえる。
「自由を!さもなくば死を!」
勝利の確信をもって歌われる国歌とともに旗はたなびき続ける。
無敵の星条旗がたなびき続ける。
アメリカとソ連とナチスはすごい便利な国だと思う