いわゆるその筋の子の気持ち
ここから物語は確信に入っていきます。
純文学の雑誌で風俗嬢の友達の元客であり恋人の行方を捜すお手伝いを頼まれる展開です。
こんな内容が良くも入選したものだと思いますが、謎解きも入れていたり、若い人たちの言葉で作られていてテンポがあるところが評価されました。
「大きな声で言わないで。」
今度は瑠璃が静かにしてくれのサイン。
「お水とか風の、そのフー。」
隣の席のカップル、確実にこっちを見た。
やばい、自分は客で、瑠璃はその筋の子と思われてるにちがいない。
「常連さんがいて、その人好きになってしまったの。だけどその人は故郷に帰って、時々無料通話アプリで連絡くれるのだけど、最近は連絡も途絶えがちで。東京にいる時は一緒にデートとかもして、彼氏の家にまで行ってた仲らしいの。」
「悪いこと言わないから、あきらめた方が良いよ、その子は。」
「その子もう、半分諦めかけているの。彼が故郷に帰って、まもなく一年になるもの。でも、最後はうやむやで終わらせたくなくて。何してるか知りたいとか、せめてお別れの言葉だけは言いたいとか、自分のことどう思っていたか聞きたいとか、分かるかなあ、山ぴょん女の子の気持ち。」
「その子どんな子?」
「これよ。」
瑠璃はスマホを見せた。あどけない感じがまだ残る少女の様な子。




