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ー4

「マルメロ、これは何の魔物のカード?」


「どれですかー?」


 と、地面にしゃがみこんでいる俺に、マルメロは上体を屈めて、俺の手元を覗き込んでくる。


「それは……魔物カードではないですね! スキルカードです!」


「スキルカード?」


「はい! 使えば任意のスキルを発動できるカードです! 私に持たせたり魔物に与えたりするだけでなく、ご主人さまの手でも発動が可能ですよ! 発動後には一定のクールタイムが存在します! それは……ちょっと待ってくださいね」


 マルメロの手が伸びて、俺が手に持っているそのカードに触れた。横で、マルメロの目がキラキラと光る。


「はい、わかりました。これは“グリーンメテオ”のスキルカードです! 使用すれば、空から緑で出来た塊が現れ、指定の場所に墜落します。クールダウンは、今の私たちだとおよそ三日という感じですね」


 長い。強力なカードなのか、それとも、今の俺たちだから、強いカードに対して長いクールダウンが発生しているのか。


「これは私……魔物体の精霊に装備できるのですが……“ファイアライオン”や他の魔物カードだと、等級が足りなくて装備できなさそうです。しばらく、発動できそうなのはご主人さまだけですかね」


「俺なら出来るの?」


「はい、ご主人さまなら出来ますよ」


 ふーん。なかなか強力そうなカードなので、使うときは、俺が責任をもって使用しなければ。


 何にせよ、これまた強そうなカードが手に入った。なんだ? この“トラップマップ”というやつ、巻き込まれた時は慌てたが、めちゃくちゃ当たりだぞ? メタルドロップも、俺たちが普段倒せる魔物から手に入るものより、一段上等なものだ。


「お、まだいいのがありますね」


 と、隣からマルメロが箱の上に体を傾け、その腕を伸ばしている。すぐそこに、屈んだマルメロの胸部の柔らかそうな膨らみが見えて、何となく視線を逸らす。


「ほら、これですよ!」


「あ、うん。それは何?」


 マルメロの手には……青い、丸い石。まるで宝石のような艶やかさで、石の周囲に、ほんのりと虹色の光の帯のようなものが浮かんでいる。いや、貝だ。よく見れば螺旋の溝の模様があり、青くて丸っこい巻き貝。下に空いた穴を覗き込めば、白くて虹色の内の肌が見えている。奥は暗くてよく見えない。


「これは魔物シェルです。中からシェル魔物が呼び出せます」


「なるほど」


「呼び出しますか?」


「え、今? じゃあお願いしようか」


 マルメロは、手に持ったそれをぶんぶんと振っている。


「ほれ、出てこい!」


 ふーん、マルメロでも呼び出せるのか。それは、ソーシャ専用の特殊なアイテムではない、あるいは、それは“マルメロが使っている”のではなく、中の魔物に呼び掛けて、魔物が自発的に出てくるタイプか。


 青い貝殻は地面に転がり……それから、ぽんと軽い音を立てて白煙が噴き出す。


 そこには、巨大な姿が現れていた。そいつは――




 そいつは、今しがたマルメロと大死闘を繰り広げていた、大きな青いカラス。


「あー……君は、さっきの子と、同一個体?」


 青い鳥は顔を斜めにして、そのビー玉みたいな目で、こちらをじっと見つめている。


「まぁ……いろいろあったけど、今日から俺たちは仲間だ! 俺はトリジ! よろしく!」


 青い巨鳥は、俺が差し出した手をじっと見降ろしている。


 やがて、ぷいと、鳥は頭を逸らした。白煙を上げて、鳥は勝手に魔物シェル状態へと戻った。


 俺は、地面に落ちた青い巻貝を回収する。ま、仲良くなるのはこれからか。俺はマルメロの方を振り返る。


「良いものがたくさん手に入ったね、マルメロ!」


「はい、そうですね!」


 壁に穴が開いて新たな出口が出来た。向こうには、おそらく、最初に入ってきた所の景色が見えている。


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