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ブドウドラゴン。爆破の力もさることながら、本体性能はマルメロ以上。あっちの攻撃は、ポイズンアントでなければおそらく受けきれない。こっちの攻撃は、マルメロの“黒牛魔”による攻撃でないと通らないかもしれない。
残存する駒は俺とブルーバード。ポイズンアントはまだ休んでいる。ブルーバードのロケット加速なら有効ダメージが入るだろうが、おそらく一撃では落ちない。また、魔物シェルの体力ゼロはロストであり、ならば魔物シェルが倒れた時は、待っても回復せず第三部屋に持ち込めないことになる。
おそらくというかまぁ、三つ目の部屋にはヴァンピが待っている。ここで誰かを落とすわけにはいかない、ならばブルーバードも雑には扱えない。
じゃあ……じゃあどうするか。
「オイラの周りはオイラの聖域、そこに飛びこみゃ手痛い一撃。一人は瀕死♪ 残るはあんた。小さい体でどうする? ボウズ」
俺が……俺がどうにかするしかない。“カードホルダー”のスキルや呪符を合わせて……そうだ。ブドウドラゴンの爆破が彼自身に効くかもしれないというアイデア。あいつをあの安全地帯から引きずり出すのはまぁ、今さっきの動きを見れば無理だろう。なら、バラマキを誘発させて、その爆弾の実を拾ってブドウドラゴンに当てる。
攻撃を避けながら、俺がその動きを遂行する。だが、それが弱点ならあっちだって警戒するはず? 残りは貧弱な俺とブルーバード、近づいて返り討ちにすればいいし、ならそもそも爆弾バラマキという行動は取る必要がない。
時間の流れは、絶えず流れていく爆破の波が教えてくれる。
「……俺が――」
「お困りのようですね! 我があるじ様!」
ぴぴぴと、カバンの中から箱型の機械が顔を出す。
「……起きた? ゴールデンちゃん」
「わたしの助力をお望みですか? あなた様」
機械の合成音声が俺の問いかけに答えた。
「めちゃめちゃ」
「答えましょう、その期待。見せてあげましょう、私の真価!」
何かが、カバンの中の、黄金色の機械から飛び出た。機械は力を失いポーチの底に落ちていく。
ぱっと、視界が暗闇に消える。暗い中で、ただ明るい爆破の波だけが、俺たちの佇む空間の大きさを教えてくれる。
俺の前、空中に、ぼんやりと光る黄色い何かの塊が浮かんでいる。それは人型を取っていて、両手を広げて、向こうのブドウドラゴンへと体を向けている。
「広がる領域! 次なる世界に!」
向こうの暗闇の奥で、ブドウドラゴンの瞳がきらりと光る。いまだ爆破の波は壁を伝わり天井を伝わり、その一つが俺たちの方へと押し寄せている。
目の前に浮かぶ、金色の発光体が、光が放った。まばゆい光は下方に放たれ、地面に当たる。
爆破の波が、俺たちの周囲を過ぎていく。俺たちの立っている場所だけが、その足元の爆弾だけが作動せず、波は俺たちを避けるように割れ、割れた後で合流し、また一つの波となって流れていく。
「冷たい光が……ご招待?」




