↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルタネイティブ  作者: 音無ミュウト
第三章【災い殺しのプリステス】

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

63/190

シャルロット・サール・クラージュ、参ります。-01

 少しだけざらついた感触がする温かな物が、神崎美咲の首筋を這う。


彼女はビクリと体を震わせながら、その眼前に迫る女性に身体を預け、表情を赤面させた。



「ちゅっ、ぷぁ……力抜きな美咲」



 そう言いながら、美咲の首元に力強く唇で吸い付けた宮越花江は、美咲の体に覆いかぶさりながら、右手で彼女の頭を撫でながら、左手で小さな胸元をまさぐるようにして、反応を見る。



「む、無理、ですぅ……んっ、あぁ……っ」


「声、抑えなくていいよ」


「ひゃぅぅ……っ」



 耳元で囁かれる花江の声が妙にくすぐったくて美咲が震えると、最後に円を描くように舌を回し、唇で吸う。


チュパッ――と、淫靡な音を奏でた自身の唇を手の甲で軽く拭うと、花江は「ふむ」と小さく呟いた。



「これで、三割は戻ったかな」


「あ、はぁっ、はぁ……」


「もー、美咲は感じやすいなぁ。そんなんじゃ将来男の人で満足できないよ」


「だ、だって……激し、すぎ……っ、おっ、おっぱい揉まれたしっ」


「えー、じゃあ明日はもっと激しい事、する?」


「し、しませんっ」


「冗談だってば。もう美咲は可愛いんだからぁ」



 近くに備えていたティッシュを数枚抜いて、花江が舐めた首筋を拭う。少しばかり赤く痕が付いてはいるがそれを気にせず、花江は美咲の頭を撫でた。



「でもこれで、ようやく変身位は出来るかな」


「全力では、無いんですよね」


「ないねー。自然回復する量と美咲から返して貰った量、合わせて三割だし。全回復までは後一ヶ月はかかるかな。美咲、感じ過ぎてオネショしないでね」


「しません……っ!」


「そこまでやっちゃったら、美咲をお嫁に貰わないといけないしねー。いや、美咲がお婿さんかな?」



 ニヒッ、と笑みを浮かべた花江の表情を、ムスッとした表情で軽く睨み付けた美咲だが、彼女に不愛想な表情は似合わない。花江は立ち上がり、その身体を動かしてみる。



「うん、やっぱあるのと無いのとじゃ、体のキレが全然違う。これなら美咲のサポート位は出来るかも」


「良かったです。今の所、そんなに強い災いは、あのディザスタさんって人以外いないですし、花江さんと一緒に戦えるなら、凄く心強いです」



 美咲と花江が出会って、約二週間の時が過ぎた。


一番最初に一人で討伐する事となった災い【ディザスタ】こそ強敵であったものの、そこから遭遇する災いは全て、強敵と呼べる程の実力は無く、ディザスタを討伐出来た美咲であれば、容易に倒せる災いだけだったからだ。



「名がある災いと名が無い災いじゃ、やっぱ実力が違うよ。今の所は名無しばっかで助かってるけど、今後はどうなるか分からないし、用心に越した事はないね」



 花江は、自らのホットパンツ、そのポケットに入れていた、二つの指輪を取り出した。



「あ。アルターシステムですか?」


「そう、昨日アルターシステムを作る女から届いた、アタシのアルターシステム二号。これでアンタと一緒に戦える」


「そう言えば、プリステスの組織、みたいな所から応援が来るって聞いてますけど、どうなってるんですか?」


「もうちょいかかっちゃうんじゃないかなー。日本のプリステスって数が少ないし、移動が極端に制限されるから、必然的に海外から派遣されると思うし。


 それにしてもキャトルの奴、フランス式しろってうるさかったなぁ。確か今この辺にいるらしいし、今度カチコミ行ってやろうかな」


「? フランス式って何です?」


「あー、アルターシステムの二世代型みたいな奴。アタシあんま好きじゃないんだよねぇ」



 そんな会話を繰り広げながら、美咲と花江は寝間着に着替え、そして一緒の布団に入り込んだ。



「じゃあお休み、美咲」


「はい。お休みなさい、花江さん」



 そう互いに挨拶をしながら、目を閉じて眠りにつく。


一緒の布団で、隣り合わせに眠る姿。


その姿は、本当の姉妹のようだった。



**



空港のタクシー乗り場から、タクシーに乗り込む女性が一人。


女性は透き通るように綺麗な金髪のロングヘアを下し、その蒼眼の瞳を見せた。


目つきは柔らかく、鼻もスッと立っており綺麗で、口元は日本女性には無い色香に包まれている。


純白のシャツ、純白のスカート、そしてその美脚を包むソックスは反して黒。


そんな彼女を乗せ、走り出したタクシーを運転する男は、その彼女へ声をかけた。



「どちらまで?」


「秋音高等学校まで、お願いいたします」


「お姉さん、日本語上手だね」


「ありがとうございます。私も日本が大好きですから、必死にお勉強したのですよ」



 ニッコリと、柔らかな笑みを浮かべた彼女の表情に魅せられて、運転手も顔を真っ赤にする。だが今は職務中だ。前を向かねばならない。


バックミラーに映る、女性の姿を見据えて、目的地までの距離を、大体目算する。時間は、約一時間。



少しばかり距離がかかる注文で良かった。


この時彼は、そう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。