ミラーハウス・脱出と疑問
ミクと鏡で入れ替わって上機嫌だったミクは、ミラーハウスから出ていた。
【お待たせ。結構時間がかかってしまって・・・】
「おかえり・・・ミク・・・けが、ない?」
『大丈夫でしたか?結構ガラの悪そうなのに捕まっていたみたいですが』
【え?ちょっと、二人とも頭でも打ちました?いつもの威勢はどこに行ったんですか?】
「・・・」
『・・・』
こちらのミクも鏡の入れ替えについて詳しくは知らなかったようで、混乱していた。今回が初めてだったのが大きな原因であると思われる。
「ミク・・・いつも・・・こんな感じ・・・」
『ほんとに質の悪いのに捕まりましたね。普段ならミラーハウスから出てくることはないのですが・・・』
ご迷惑をおかけします。そう言ったキョウを見たことがないと言わんばかりに、ミクは目を見ひらいた。
【聞いてないよ。こんなこと・・・】
『では、カイトさん、お願いします』
「分かった・・・ダウト」
『正解です。今回は、比較的簡単に済んでしまいましたね。それでは、ミクさん、あなたが入れ替わったところまで戻っていただいても?』
口調は丁寧であるが、拒否を許さない強い口調に、ミクは戻るしか選択肢がなかった。それに、ここはもともとキョウの領域。キョウに逆らうことは死を意味している。
ミラーハウスで入れ替わっていた二人は、無事にもといた場所に戻ることができた。
【どうだった?短い時間だったけど、そっちの二人は冷たかったでしょう?】
「そうだね。でも、私が一言発しただけで違うって見抜いてたから、本当はあなたのことよく見ていたと思う。いい人たちだね」
【それ、あなたのとこでも言えることよ】
それじゃぁ、またね。そういって、ミラーハウスを出て行った。
_調整室_
「キョウ君、今回はかなり甘いわね」
「しょうがないよ。カイトのお気に入りだもん。手加減するしかないって」
「別にそういうのじゃないですよ。今回はたまたまです」
「ダウトです!本当はキョウもミクを気に入っタとミマシタ!!」
「それはどうでしょうね」
そういって笑うキョウの本性は見えない。
「ア!!次、オカマのバンですヨ!」
「そうね。行ってくるわ。・・・あと、アタシはオカマじゃないわよ!」
「その恰好でヨク言ウです」
フォンがモナカをからかい、追いかけっこが始まる。いつもの光景に少しほっとしながら、キョウは考えていた。
今回は自分が用意した仕掛けが作動しなかった。そして、カイトを説明のために調整室に呼ぶ前は仕掛けは正常だったこと。他人の領域にはそう簡単に干渉できない。許可を与えていても、今回のようにすぐ領域に干渉なんてできるわけがないのに、なぜ?と。
一度わいた疑問は解決しないと気が済まないキョウは、少しカイトについて調べてみることにした。




