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遊園地で起きた話  作者: 華川 奏
ウワサ3 アクアツアー
13/25

アクアツアー・ステージクリア

 ファイナルステージへと着いたミクは、正直油断していた。それと同時に困惑もしていた。今までは規則性があった敵の的が、目の前にいるセイレーンだけが自分の意志で動いてる。つまり、水鉄砲を構えて撃っても、よけられるのである。

【ねぇ、聞いてる?貴方みたいな人間が本当にマスターのお気に入りかって聞いてるの~!答えないなら、もう本気出しちゃうよ!】

 さっきからこの調子で、話しかける敵_セイレーン_を無視してずっと狙いを定めている。こんな近くにいるのに当たらないという現実に、ミクはかなりストレスが溜まっていた。

【ねぇ~マスターが本気出してもいいって言ってるから、本気出すよ~いいの?】

 時間を見れば、もう残り十分しかなかった。

「・・・ねぇ、あなたは本当に自分の意志で動いてるの?」

【やっと話してくれた!いいよ!答えてあげる!私はマスターがココロっていうのをくれたから、自分の意志で動けるわ。まぁ、他のぼんくらよりは仕事もしてるし、プログラムで動いてるやつらとは一味も二味も違うのよ】

 そう答えたセイレーンの言い方が引っ掛かったミクは、重ねて質問しようとした。

「あの」

【今度は私の番ね!本当にマスターのお気に入りなの?】

 まぁ、ここまで優しい条件にされてるんだから、お気に入りなんだろうけど。そう続けたセイレーンの質問には、肯定する以外にはなかった。

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない・・・本当のことはカイトさんに聞いた方が早いんじゃないのかな?」

 予想外の返事にキョトンとした顔をしていたセイレーンが、いきなり笑い出した。

【あははは!おっかしいの~!今まで私が相手をした人間たちは『はい』しか言わなかったのに~!これじゃあマスターが気に入るのもわかるわ!ふふふっ・・・あなた、名前は?】

「ミク・・・だけど」

【そう。覚えておくわね!いいわ。私はもうここから動かないから、私を撃ってちょうだい。体はマスターに直してもらえばいいもの】

 そう言ったあと、笑いをこらえながらミクの正面から数十メートル離れたところに移動し、動かなくなった。

「なんでそんなに遠いの?」

【決まってるじゃない。少しでも入る点数を減らすためよ。ここならギリギリ届くでしょ?】

 そういって笑っていた。セイレーンの言う通り、ミクの射程範囲ギリギリの位置。

 時間を見れば、残り五分しかなかったので、ミクはセイレーンを撃った。撃たれる直前、セイレーンが微笑んで【頑張って】と言っていたような気がした。


_調整室_

 現在、モナカ、グレイ、フォン、キョウが集まっていた。

「ふぅ~ん。やっぱり、面白くないデスね。カイトのお気に入りハ、真面目デスか?」

「そうかな?わたしが調べた結果にはかなり大きなやみを抱えていたし、それアレが演技ならかなり面白いと思うよ?カイトが気に入るのもわかる気がするし・・・」

「まぁ、ここのアトラクション全てクリアできれば認めテやるデス」

「そういえば、次はミラーハウス・・・同伴者がいないから成り立たないんじゃ・・・」

「そこは考えていますよ。今までもそういうプレイヤー達は居ましたから。その場合、担当の方とペアを組んでいただいてます」

「てことは、カイトはしばらく戻れないのね~残念だわ」

「大丈夫ですよ。カイトさんならすぐ終わらせてきそうですから」

 それじゃぁ、僕は準備をしてくるので、カイトさんには伝えといてください。そういってキョウは調整室を出て行った。

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