アクアツアー・ステージ1
アトラクションが出発して、ステージ一へと向かっている最中、ミクはチラチラと変な影を見ていた。
さっきからこの乗り物の近くをうろついていて、何かを探っているような動きである。
『大変長らくお待たせいたしました。ステージ一へ到着でございます。少なくとも一匹は倒すようお願い致します。次の発車は五分後でございます』
そのアナウンスと一緒に、数メートルから十数メートル離れたところから敵の形をした的が出てきた。
その的には、それぞれ数字が付いていて、遠いところほど点数が近かったのである。
「不思議な感覚・・・本当は近いところの方が点数が高いはずなのに」
そう呟きながら、ミクは水鉄砲を構えた。
水の残量を気にしながらなるべく遠くの敵を倒していると、アナウンスが入った。
『お疲れさまでした。ステージ一でのお客様の点数は、十二点。失格になるまで、残り九百八十八点でございます。次はステージ二へまいります』
そういって発車した。発車してから、近くにポンプがあることに気が付き、ミクは水鉄砲の中身を確認した。そしたらあんまり入っていなかったので、水を一杯にしたころ、ステージ二へ着いた。
『大変長らくお待たせいたしました。ステージ二へ到着でございます。ここでの次の出発は十分後でございます』
そういって、また止まった。
「次は十分後・・・さっきよりも長いな。一ステージクリアするごとに五分ずつ延びていくのかな」
そう呟いて、また水鉄砲を構える。
_調整室_
今はグレイしかいない調整室に、フォンが来た。
「こんにちはデス!グレイ、今回はカイトの領域と聞いて見物にきたデスヨ!」
「フォンか~一歩遅かったね~さっきまでキョウとモナカがいたのに」
「なんデすって!?あのオカマがいたデスか!?せっかく来たからにはイジッテ帰ろうと思っタのに」
フォンはオカマであるモナカをからかうのが大好きで最近はモナカをからかうのが生きがいだと言っている。モナカはフォンのことを妹みたいに扱っているので、基本怒らない。
「やりすぎると、モナカがまた大爆発しちゃうよ?この前すごく怒られてたでしょ?」
・・・基本は怒らないモナカだが、この間大爆発を起こした。そのあと、園内の自分の領域に引きこもって一週間出てこなかったのだ。戻ってきたときにはケロッとしていたが、その場にいたカイトとグレイ、そしてフォンの三人はしばらくモナカに話しかけることができなくなっていた。
「あれはもう経験したくないデス。それでも、モナカをカラカウノはヤメれません!」
そういって嬉しそうに笑うフォンだからこそ、モナカも可愛がっているのかもしれない。
モナカはかわいいものには目がない。そして嬉しそうに笑っているフォンは可愛い。
「ほどほどにしてよね。私はもう巻き添えなんてくらいたくないんだから・・・」




