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中秋の名月

2016年9月15日。

中秋の名月。


なんでも46年ぶりに『15日』に『一五夜』になったとかニュースで言ってたな。


でもな、それよか凄い事が起きてるんだよなぁ今。


『・・・・・・・・・各地で土砂災害、河川の氾濫が起きています。崖や川が近くにある場合は早めの非難を・・・・・・・・・』


台風が直撃してるんだ。しかも連発で。

先々週1回。先週1回。今週1回。どゆこと?

確かに今年は台風発生が遅かった。

7月になってようやく1号だったしな。


だからといってさ、遅れた分を取り戻すかのように毎週1回ずつ来るの止めてもらえないかな?

北海道が大変よ?タマネギとジャガイモが大打撃を受けて値段が高騰してるし。

震災でダメージ残ってる熊本とか台風で城が崩れたらシャレにならんわ。



ここは内陸の埼玉だから、沿岸部とか山間地みたいな被害は出てはいないけど、道路が冠水する場所だってある。

まぁその程度なんだけどさ。


で、こんな状況だから誰も来やしないのでさっさと閉店閉店。


タイミングが良いんだか悪いんだかは知らんが、スタイン&トムがやってきた。

「いよぉ、どうよ・・・・・・・ってなにこの雨?」「凄いねぇ~嵐?」

「ん~まぁ嵐っちゃ嵐だな」

「ちょっと外出てみようよ?」

器用にシャッターを開けようとするトム。

『え、あんたこっち大丈夫なん?』と『こんな状況で開けんなバカ!』がごちゃまぜになり、止めることが出来なかった。

「ヒャッハー♪」

あんま興奮すると捕獲されるか射殺されかねんぞ。

スタインならともかくトムさんはアカン。どっち(・・・)の状態でもこの世界には存在しない事になっているし、存在してはいけない。画面の向こう側なら大丈夫だが。

「おーーーーーーーーいトムさーーーーーーーーーーーーん、帰ってきてよーーーーー」

土砂降りで聞こえないようだ。

よし、これでも食らえっ。

「トムさーーーん、おいしいハチミツあるけど食べちゃうよー?」

ピタッ。

「今すぐソッコーで戻って来たらお土産もつけちゃうんだけどなー」

だだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだだっ。

聞こえてたんか~い。

いや別にいいけどさぁ、節度というか・・・・・・言うだけ無駄か。



俺たちが向こうで行動できるんだから逆もあるとは思ってはいた。


「ハチミツちょーだい」

「まずは体を拭いてからね」

黄色い熊に変身してハチミツを食べる姿を見るのは微笑ましい光景のはずなんだが、なんだか釈然としない。何故だ。



一夜明けて。


『あの嵐の夜にこの近くでへんなのが出没したらしいわよ』って配達先から聞いた。


見られてるじゃん・・・・・・。やっぱりトムさんは外に出したらダメだな。すぐにバレる。







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