↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
17/30

親父さんの旅立ち

ある日、親父さんが大量の荷物を抱えてやって来た。

リヤカーで山ほど。


・・・・・・・・・・もしかして。


「あのー今夜行くつもりですか・・・?」

「ああ。いやーまいったわ。あれもこれもって選んでたらこんな量になっちまった」

まいったと言いながら全然まいった顔はしていない。

丁度閉店間際だからこのままリヤカーごと店内に入れる。

「お父さん、ケガとか病気には気を付けてよね?」

なんだかんだ言いながらもアカネは気になって仕方ないのだろう。

「ん?一応薬の類は一通り持って行くつもりだ。無いよりはマシだろう」

「もう」

「お気を付けて」

「おぅ。アカネを頼んだ」

「はい」


スタインさんが来た。

向こうに居る時に合流する計画をしていたのだろうか。

酒を買うような素振りではない。


「じゃあ、行ってくるわ」


そう言い『向こう』が見えているドアをくぐった。











ガツッ。














ん?

見るとリヤカーが引っかかっていた。

よーく考えれば、それもそのはず。

酒屋の出入口ドアはリヤカーの出入りを想定したサイズではない。

仕方ないので一度荷物を下ろし先にリヤカーを何とか向こう側に越えさせてから荷物を積み直した。

その間ドアはドアストッパーで開いた状態で固定させていた。


ついでに言うとリヤカーの越境やら荷物の移動の際に我々も『向こう側』に入った。

どうやらドア開けっ放しであれば大丈夫そうだが・・・・。

実際に見た感じだと『中世ヨーロッパ』位の町並み。

石畳などではなく土の路面。

振り返ってみると朽ちかけの壁にドアがあり、そのドアから『向こう側』・・・・ややこしいなコレ。本来自分がいるべき側か。それが見える。


「この場所は何とかして手に入れたいものだな。他人が入って来ても困るし」

親父さんが真面目な顔で呟く。

それは思ってた。たまたまスタインさんが悪意が無い人だっただけで、犯罪者とかだとシャレにならないし。

「ま、これが全部売れたらかなりの財産になりそうだからその時には倉庫にでもすれば問題なかろう」

あ、そうだ。アレ持ってこよう。

「これ少ないですが餞別に」

「・・・・・お前」

今までのスタインさん達が買ってくれた分の硬貨全てを手渡す。

それなりにはあるはず。うまくいけばこの場所の手付程度にはなるかも?

「スタインさん、申し訳ないんですがこの額ってこっちだとどれ位になります?」

「ん?そうだなー2~3年は遊んで暮らせるんじゃないかな」

わぉ。けっこうな額だったのねー。

「ついでにもう一つ。こっちでは家を買ったり建てたりするのに必要な額はこれで足りそうですか?」

「倉庫程度であれば問題ないはず」

「これで最後ですが、ここの土地及び倉庫の建築に関してお願いしたいのですが・・・・・・」

「おう、任せろ。変なヤツがあっち行ってお前たちに迷惑かけさせない様にちゃんとやってやる。あの美味い酒が飲めないのは勘弁してもらいたいからな」

あ、本気で酒の為にやるんだこの人。また美味い酒用意しとかないとな。

「ありがとうございます。入口はリヤカーが入るサイズでお願いしますね」


「早ければ10日以内で一度帰るよ。そん時はリヤカーは無しだ」

「わかりました。どうかご無事で」


ドアストッパーを外し、ドアを閉めた。

「お父さん大丈夫かなぁ?」

「そんなに気にしても仕方ないよ。むしろ売れすぎてとんでもない事になりそうだけど」

「何で売れすぎてとんでもないって?」

「よーく考えてみて?中世ヨーロッパに頃に21世紀の100均とはいえ色んなモノがあるってどう思う?」

「・・・・・・・・・あ、そっか」

「そういう事。売れないワケがない。そこでしか売ってないんだから、余計にね」

「そう考えると、次に帰って来る時は大金持ちになってるかも?」

「だろうねぇ。しかもあの場所に商店まで作ってる可能性だってある」

「いつ帰って来るんだろう」

「さっき別れたばっかりだろう。そのうち帰って来るよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。