年末年始――主に年始のドタバタ
あけましておめでとうございます
大晦日の営業は16時で閉店になる。
理由は『紅白』が観たいから。
最近は副音声で観ると芸人がずーっと喋っていて深夜のラジオのような感じがして楽しかったりする。
で、除夜の鐘が鳴る頃に近所へ初詣に行く。
三が日は休みなので年末に出来なかった大掃除やら諸々の事をこなす。
元日は掃除、二日・三日は親を予約していた近場の温泉旅館へ。
俺は・・・・まだ寝正月。お互いにゆっくりしたいだろうからね。
親を送り出してから、いつもの小部屋で発注するモノを確認する。
酒、ソフトドリンク、乾物などキリがない。
そんな雑用などをしていたら電話が鳴った。
「よぉケン坊、あけおめ。店にいるか?」親父さんだった。
「あけましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。で、何ですか?唐突に」
「いやな、三が日ってヒマだからさー。お前んとこも休みだろ?なら何か暇つぶしでもしようぜ」
ちょっと何言ってんだかわかんないんですけど、この人。
ヒマなら寝てろよー。寝正月って言葉あるくらいなんだからさー。
まぁいいけどさ。実際ヒマで特にすることなかったし。
発注?アレは今でなくても問題ない。ただの暇つぶしだ。
「りょーかいっす。シャッター開けときますね」
「乾物しかねぇんだよな、ここは・・・・・・」
「まぁ、そっすね・・・・・・」
基本的にレトルト物、缶・ビンなど保存できるモノしか扱っていない。
理由はそんな買いに来ないという事だな。
ウチにある食品はどこにでもあるモノしかない。
いわゆる『つまみ』になるようなモノが多い。
これは半分以上俺の独断と偏見による。
逆にコンビニに置いてないようなモノもあったりはするが。
『缶つま』シリーズ全部。スパム全部。その他多数。
だってツマミにすると美味いんだもん。
スパムはバリエーションが豊富だから。
でもピカイチなのはやはり『魚肉ソーセージ』だろう。
安い、美味い、保存が効く。なんかどこかの牛丼屋みたいだな。
とにかく、こういった正月などでは使い勝手がいいのではなかろうか。
「はい、とりあえずコレで」ずいっと魚肉ソーセージを渡す。
「お、おぅ」まぁ仕方ないかといった顔で受け取る。
酒はクリスマスの時に飲んだ残りの七田があったので、まずはそれを飲みきる。
「では、改めて・・・『新年おめでとうございます』」盃を交わす。
「・・・・・・正月は日本酒に限るのぉ」
「いやー美味ければ何でも良いっす」
「それもそうか」
「去年は変わった事あったなー」
「ですねー」
まぁ『あちらからのお客さん』の事だろうな。
「原理はよく分んないですけど、まぁ危害があるワケでもないのであんまり気にしなくても良いのではないかと」
「まぁ・・・な。調べたって『よく分らない』で終わりそうだしなぁ」
「ですよねー」
まぁ実際そんな感じなんだろうな。
時空の狭間だとか転移だとか空間どころか世界の次元が違う事を簡単に解明できるはずがないだろうし。
それにそんなヨタ話を理解出来るのが居るのかどうか・・・。
俺だって今の時点でもイマイチ理解しきれていないし。
あんまり細かい事を気にしているとハゲるぞ多分。
なので考える事はしない。
「今年はどんな事になって行くんですかねー」
「あっち側に行ってみたいんだがな、それってどうなんだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・え?」
ぷりーずわんもああげいん。
「あっち側に行ってみたいんだがな、それってどうなんだろう?」
やめてー親父さん無双とかやめてー。
がっはっは言いながら両手斧振り回してそうでイヤだ。
「帰って来られないかも知れないっすよ?」
「その可能性はあるだろうな」
とは言えスタインさん達が来ているから繋がりは無くなりはしないんだろうけど・・・・・・。
「とりあえず、奴等が来た時に聞いてみるかなぁ」
うわーこの人本気だわ。
「じゃあスタインさんが来たら電話しますよ」
「おー頼むぜぇ」
おせちが残っていたのを思い出して、台所の冷蔵庫を漁っていると大きな声が聞こえた。
もしや、『誰か来た』かも・・・。
見つけたおせちを持って小部屋に戻ると、スタインさんがいた。
「よぉ、邪魔してるぜ」
「今日はスタインさんだけなんですねー」
「ああ、そうなんだよ。トムは寒いって引きこもって、バーニィは暫くは外出禁止なんだとさ」
バーニィ何をやらかした。
「親父さん、話は早い方が良いのでは?」
「お、そうだな。のぅスタインよ。俺をそっち側に連れて行ってくれんかね?」
「む?こっち側に?出来るもんなのか?」
「わからんから聞いているんだ。出来るのならそっち側に行ってみたい」
「ねぇスタインさん。ここから出た後ってどうなってます?前に聞いた時は『なんかドアがあってそれ開けたらこの店だった』と記憶してますけど、帰る時はドアって無くなってるんですかね?」
「いつもこの店を出たらドアは消えているんだ。で、夕方あたりにはまたドアがある・・・・という感じだな」
「一日一度しか使えないんですかねー。夕方あたりという事は多分閉店した後の時間帯なんじゃないかと思いますね」
「そのドアっていつも同じ場所に有るんですか?」
「そう・・・・・だな、いつも同じ場所にあるな」
って事は。
「とりあえず、そのドアがある場所って押さえられません?」
俺の言葉に親父さんがピンときたようだ。
「そうだな、悪用などされても困るし破壊されても困る。場合によっては往来の可能性も潰す事になりかねないから、確保すべきだ」
「そうですねー。とりあえず小屋でも何でもいいと思うんですけど、ここは『誰それが使っている場所』として周知させた方が良いかと」
「ふむ、それならまずは小屋の設計図だな。そんな大きくなくて構わんだろう。借家程度のサイズがあれば十分だ」
ノートPCを起動し、設計図を探す。とりあえず2Kあれば大丈夫だろう。
「こんな感じですか?」親父さんに画面を見せながら聞く。
「ああ、それで十分だな」
プリンターに印刷しながらスタインさんに聞く。
「そっちにも家を作る職人さんいますよね?」
「ああ、もちろんいるぞ」
「それなら安心ですね。素人がやるとこのサイズでも時間がかかってしまうでしょうから」
「俺が材料を集めてくる。日程の都合上早くても明後日以降になるか・・・まぁ仕方あるまい」
ちょっと残念そうな顔をしている。
「おやっさん、仕方ないよ。その間にこっちでも職人探しておくからさぁ」
「む、そうか?では頼むぞ」
何故だか硬い握手をしていた。
とりあえず決まった事。
ドアが出る所に小屋を作る。
その為の職人集めはスタインが。材料は親父さんがそれぞれやる事に。
全て揃ったら一気に行う。
念のため親父さんにはソーラー電波腕時計を装着してもらう。
「じゃあ、職人を探しておくぞ」
「スタインさん、申し訳ないけど頼みますね」
スタインさんには今回はタダで酒を渡す。手間賃ってやつだ。
「ちゃんと行けるのか先に実験しておかないとな」
何言ってんだかわかんないんですけどぉぉぉぉぉぉッ!?
ありゃま、一緒に行っちゃった・・・・・・。
こっちから行けたんだねー。そっかー行けたんだねー。
不思議だねぇ。ってスタインさんと一緒だったからじゃねぇのかと思うが。
親父さん居ないでどうすんだよ・・・。
店は三が日休みだから良いけどさぁ。
それより明日帰って来るんだろうなぁ?それが一番の心配だよ。
変に無双とかやらなきゃいいけど・・・。
感想、誤字脱字なんでもお待ちしています。
出来れば評価も付けてもらえると有り難いです。




