林家編後編 林修のお姉さん
私は林恵。売れない絵師をしている。
1989年生まれの37歳の独身女性。平均より小さくてかわいい系の美人と言われていたが地味な格好であんまりモテない。黒髪のショートカットでボサボサの髪を放っておいている。
私はこれからしゅー財団? という謎の財団からきた案件の話し合いに、埼玉県さいたま市うなぎ区のうなぎカフェに向かった。
***
約束の席に向かうとそこには! 大学生ぶりに会うおじいちゃんと、知らないかわいい系のイケメンがいた!
その子は私を見つけたら太陽のような笑みでこう言ってきた!
「初めまして! 僕は林修! 未来からやってきた姉ちゃんの弟だよ!」
「修!? 修なの!? よく生きていたね! 赤ん坊の頃に行方不明になったのに!?」
こういう事情がある二つ年下の弟の林修は、人生で一回も会ったことがない。真面目な話本物の修かはわからないけど……嬉しい!
「いや、その林修じゃないよ。未来からやってきた林修だよ」
未来からやってきた『林修?』はあっけらかんと言い切る!
「えっ!? どういうこと!? わけがわからないよ!?」
困惑する私!
「今から説明するね。これこれこれ……」
「えっと……200年後の未来からやってきた未来人だけど1991年生まれ、中身は35歳ということ? ピンとこないな〜!」
私は腕を組んで考え込むが、どうにもわからない。違う世界線からきたということかな?
「まあ、そういうことにしておこう! じゃあ話を進めるよ! 今は姉ちゃんは絵師をやってるんだよね?」
スルーされてしまった! それにこの場所にはその話で呼ばれたんだっけ? 答えてみるか!
「今は絵師やってるよ! 売れない絵師だけど……これだけじゃ食えないからしょうがなくバイトを掛け持ちしてやっているんだ……」
私は正直に思ったことを口に出す。すると……
「しゅー財団ってところから絵師の仕事の依頼を持ってきたんだよ! 受けてみる?」
「どんな仕事?」
しゅー財団という名前でなんとなく誰がやっているのかわかるけど、そこは置いておこう。
「それはね……ズバリ! 僕を姉ちゃんの作家性を生かした絵で描いて欲しいんだ!」
修は立ち上がり、仁王立ちで腕を組んで高らかに宣言する!
「それが案件ってことね! わかった! 受けるよ!」
私はどんな仕事でも受けることにしている。生活が苦しいからね!
「でも姉ちゃん。他の話もあるんだ。家族の話だよ」
「うん」
***
「姉ちゃんは今は独身なんだよね?」
修が真面目な顔で話し始める。
「うん。そうだよ。独身の一人暮らし」
私は正直に答える。隠してもしょうがないからね!
「そうなんだね。今までどうしていたかも話してくれる?」
「今までは大学中退してから、絵師を目指してやってたんだけど、うまくいかなくって……それでずっとバイト暮らししてた」
「でもそれで暮らしていくのは大変だよね。多分だけどばあちゃんの援助があったんじゃない?」
「そうだよ。じいちゃんには黙ってもらって援助してもらってた」
私は修の問いかけに正直に返答する。これを聞いたおじいちゃんは「わし知らんよ……」とだけつぶやく。
「なるほど……それでばあちゃんは三年前に亡くなってしまったわけだけど、その後はどうしていたの?」
「それは貯金でなんとかやってたよ。でも残り少なくてね……」
私はこれも包み隠さずに話した。
この林修という魅力的な人間は本当に弟なのだろうか?
会ったことがないからわからないけど、とても話しやすいな。
「じゃあ姉ちゃん! 実家に帰ってきなよ! じいちゃんが食わせてくれるよ!」
修は前のめりで提案してくる! でも……
「おじいちゃん。10年以上話してない孫だけど、一緒に暮らしてくれるの?」
私は今にも泣きそうな顔をしていると思う。そんな顔をしながら絞り出した言葉がこれだ。
私の暮らしが苦しいのは本当だ。もし受け入れてくれるのなら……!
「ああ! いいぞ食わせてやるよ!」
おじいちゃんは嬉しそうに私を受け入れてくれた!
「ふふふっ! これで解決だね! 姉ちゃんもあんまりじいちゃんに気を使いすぎなくていいよ! じいちゃんもひとりぼっちで寂しいんだよ!」
修が間に入ってくれてこの場が明るくなる。三人みんなで笑う!
そして一通り笑い終えた後に、修がこう発言する!
「じゃあ僕もたまに泊まりに行くよ! いいよね!」
「ああ! いいぞ!」
おじいちゃんが提案に乗り、この場はこれで終わった!
私の人生はここまでかと思ったけど、家族を頼ればなんとかなるんだね!
しかし修は今までどこに住んでたんだろう?




