林家編前編 林修のおじいさん
俺は金本満。今日は実家の不動山部屋で居候している、未来からやってきた友達。大きなポケットが付いている青いパーカーを着ている。背が低いかわいい系のイケメン林修に親父から話があるみたいだ。
「修くん。高校入学の手続きには、やっぱり、保護者の方がいたほうがいいんだ。そういえば君もうなぎ区出身だから、もしかしたらここにも家族がいるんじゃない? 君の未来と時間がズレてるんだって?」
ここ不動山部屋の親方で親父の不動山親方は、修に神妙な顔立ちで話し始めた。
「そうですよね。僕もわかってるんです。でも家はあったんですけど、誰もいなかったんです。僕のおじいちゃん林誠一郎っていう者なんですけど知ってますか?」
修が親父に聞くと親父は目を見開いて、驚く。
俺も少しびっくりした! なぜならその人は有名な地元うなぎ区の野球指導者の方だったからだ!
「誠一郎さん!? 誠一郎さんが君のおじいさんなのか!? うなぎ区の有名人じゃないか!? 今はうなぎ記念病院に入院しているんだ。会いに行ってあげなよ!」
親父がこう言うと、修は表情を変えてこう告げて出て行った!
「わかりました! 今から会いに行きます!」
***
ーーうなぎ記念病院
わしの名前は林誠一郎。今は77歳の爺さんだ。今は大腸がんのステージ2だ!
入院してはいるが、このままちゃんと治療して通院すれば家で生活できるレベルの病気だが、正直生きる気力が湧かない……
わしには今は家族がいない、妻には三年前に先立たれ、息子夫婦にも先に死なれた、そして2人の孫も行方不明で連絡が取れない。
「わしもここまでかな……」
そう呟いた時だった! 部屋のドアがバン! と開き! 人が入ってきた! その人物は!?
「初めまして! 僕は林修! 未来からやってきたあなたの孫です!」
太陽のような笑顔で挨拶してきた少年はこういう見た目をしていた。
大きなポケットの付いた青いパーカーを着ている。かわいい系イケメンと表現するのが正解なのかわしにはわからないが、そうとしか表現できない少年だった。
「君は……もしかして修か!?」
わしには二人の孫がいるがそのうちの一人が林修だ。赤ん坊の頃に行方不明になっている。
「そうだけど、そうじゃないよ! じいちゃん! 僕は未来からきたんだよ! 今から説明するね! これこれこうで……」
その内容はこの修は、わしの知っている修じゃなくて別の修だった。この修とは1991年生まれということは変わらないが、育った環境が違う。ということだった。
この修は16歳までわしの元で育ったらしい、そしてその後はサッカー選手として自立してやっていたらしい、そして35歳で治らない病気にかかり、コールドスリープして200年後の未来から中学三年生に若返ってやってきたと言われた。
いやこれどういうことなんだ? 意味がわからないな……
「ね! おじいちゃんわかってくれた?」
「うーん。わからん」
満面の笑みを浮かべられて、こう返答するしかない。
「とにかく!? じいちゃん! この未来での家族はどうなっているの?」
今度は指してわしに聞いてくる修。そうだった! それを話してみるか!
「息子夫婦はガンで死んでるよ……君たちが生まれた後に、これはお前の未来でも一緒か?」
「一緒だよ! 母さんは3歳の時父さんは6歳の時に亡くなっているよ!」
息子夫婦は90年代には二人とも死んでいる。1994年に息子の嫁さんが亡くなって、1997年に息子が亡くなっている。
今と一緒だ! こいつは信頼できるかもしれない!
「お前は確かにわしの孫だ! そう思うようにするよ!」
「じいちゃんにわかってもらえて嬉しいよ! 僕は確かに林誠一郎の孫だからね!」
わしはこれで確証が持てた! それなら聞きたいことがある!
「修! 今の恵のことは知っているか!?」
もう一人の孫、林恵のことを聞いてみた! もしかしたら知っているかも……!
「知らないよ」
修はあっけらかんと答える!
「え!? 知らんの!?」
わしは呆気に取られて、思わず大きな声がでる。
修はさらに続ける。
「だって、僕がいた時の未来の姉ちゃんはソフトボール日本代表のレジェンドだよ! でも現代で調べたら、そうなってなかったんだよ。じいちゃん! 姉ちゃんはソフトボール辞めちゃったの?」
「そうなんだ……中学生で辞めてしまったんだ……チームでいづらくなったんだよ」
わしはうつむいて、小さな声で答える。そうか……ソフトボールを続けていたら立派な選手になったのか……
「なるほど……今なにしているかはわからないんだよね?」
「ああ……連絡が取れないんだ。なにしてるかどころか、どこにいるかもわからないんだ」
すると修は仁王立ちになり腕を組んで、こう高らかに宣言した!
「なら探せばいいじゃん! 姉ちゃんを発見する方法。僕は知っているよ!」




