青木くん編第二話 水泳の青木くんの現在
僕は青木一樹。水泳でオリンピックを目指していた中学三年生。
顔は控えめなだけど凛々しいイケメンだと彼女には言われる。僕はあんまり自分がイケメンだとは、思っていない。
背は平均より少し高いぐらい。髪は黒の短髪。
彼女の白波瀬奈はショートヘアにパッチリ二重のかわいさと美人を掛け合わせた僕にはもったいないよくできたの彼女だ。
今日は同じクラスの長谷川陸くんから呼び出され久しぶりに学校へと向かった。
幼稚園の頃からの幼なじみの陸から『大事な話がある』とだけロインがきたから仕方なくだ。
***
昼休みの時間に僕は学校へ行った。
三年五組に入ると……そこには、三人の人物が待っていた!
長谷川くんと僕の彼女、白波瀬奈ともう一人は見たことがない子だった。
かわいい系のイケメンだけど背が低い男子だった。
「初めまして! 僕は林修! 未来からやってきた君の友達だよ!」
林くんは太陽のような笑顔を僕に向けてこう言ってきた!
……突然の事に僕は受け入れられない!
「み!? 未来からきた? 友達? どう言うこと? 長谷川くんどう言うこと?」
僕は幼なじみの陸に助けを求める。ちなみに「長谷川くん」と呼んでいるのは、小学校に上がってから「そう呼べ!」と陸が言ってきたからだ。
「ああ、お前は知らなかったな……実はコイツは……」
陸は丁寧に説明してくれた。してくれたんだけど……
「えっと、林くんは200年後の未来からきた未来人だけど中身は1991年生まれの35歳で、その時は俺たちは1991年生まれだった!? ごめん。イマイチわからないよ……」
僕には理解ができない。あ! 僕は人に話す時は一人称は「俺」です僕ではカッコ悪いからね。
「悪い青木……そういうことだととりあえず納得してくれ! それに……未来の自分のことを今聞きたいんじゃないか?」
そうだ! 僕ももしかしたら1991年生まれだったら……!
「じゃあ林くん。1991年の俺はオリンピックに出られたの?」
ここで「出れる!」っと言ってくれたらもしかしたら僕はまた頑張れる……!
「出られないよ」
林くんは真顔であっけらかんと言い切る!
「え? 出られない!? 僕はどのくらいの努力をしたの!?」
驚いて話し言葉の一人称が「僕」になってしまう!
「本気でやってたよ! 人生をかけてね」
「そ、そんな……!」
僕は驚いてしまって、すぐには言葉が出ない……
「じゃあ努力なんてしても無駄じゃないか……」
そして絞り出した言葉がこれだった。そして少し経つと腹が立ってきた!
「瀬奈遊びに行くぞ! 全部無駄なんだだったらこんなところにいてもしょうがない!」
そしてヤケになった僕は、彼女の瀬奈ちゃんを遊びに誘う。
「一樹くん。私は行かないよ」
瀬奈ちゃんににまじめな顔で拒絶されてしまう……
「なんでだよ!?」
僕は思わず大きな声を出して、大好きな彼女に詰め寄る!
「おい! 青木やめておけよ! 大事な彼女に何するつもりだよ!」
僕は胸ぐらを掴もうとする勢いで詰め寄ったために陸が止めに入ってきた!
……そこで僕は冷静になる。
「わ、悪かったよ……瀬奈……!」
素直に瀬奈ちゃんに謝り、僕はさらに続ける。
「瀬奈ちゃん。今日はなんで遊んでくれないの?」
僕は幼稚園の子供のように聞いてしまった……
「青木くん。瀬奈ちゃんは本当は学校に来たかったみたいなんだよ」
するとなぜか林くんが、返答してくる!
「なんで君にわかるんだよ!?」
僕はまた大きな声を出してしまう……! でもこれはしょうがないよね!
誰でも大きな声を出しているよ! このシチュエーションなら!
「調べがついているんだよ! うなぎ蒲焼小学校ネットワークでね!」
林くんは胸を張ってこう豪語する!
「何それ? 長谷川くん。この子小学校違うよね?」
こんなに個性的な子がいたら絶対覚えているけど……
そんな記憶はない。断言できる!
それに未来人だというのも信じられない!
「それを話すと長くなるから、そこは今はツッコむなよ……今度、じっくり話すから……っな?」
「そうしてくれよ。明日にでも陸の家に行くからね」
何気に何年ぶりかに陸の家に遊びに行ける! 嬉しい!
……ってそんなこと思ってる場合じゃない!
「瀬奈ちゃん本当なの?」
僕が聞くと瀬奈ちゃんは、下を向きながらポツリと話し始める。
「ホントだよ。一樹。ゲーセンよりも学校の方が楽しいもん……」
「そうだったんだね……ごめんね……」
彼女の本音に、僕は謝るしかなかった。
「おい! 青木。午後の授業は受けていけよ!」
「わかったよ。陸……」
陸がこう提案したところで……
『キーンコーンカーンコーン』っと昼休みが終わるベルが鳴った。
「……今日はヤケに時間が経つのが早いな」
僕はつぶやく。瀬奈ちゃんは「私自分のクラスに行くね!」っと言い残し去って行った。
「僕も四組に戻らなきゃ! ねえ青木くん。これを最後に聞かせて?」
「なに? 林くん?」
「青木くんは、もう水泳のことが大好きじゃなくなっちゃったの?」
「えっ……」
真剣な顔で真っ直ぐにそう聞かれて僕はとっさに答えられない……
林くんはそれだけ言い残して風のように去って行った。
——午後の授業はまじめに受けたけど。あの言葉が頭にこびりついて授業の内容は頭に入ってこなかった。




