3.佐那からの申し出。
帰宅すると同時に、スマホに連絡がきた。
メッセージを見てみると、そこには賀東佐那と表示されている。
『今日はありがとうございました! お友達になれて、嬉しいです!』
なんだろうか、凄く初々しいというか。
友達もいないわけではないだろうに、どこか緊張しているのが文面からも伝わってきた。少しだけ微笑ましく思いながら、俺は簡単に返信する。
『こちらこそ。いつでも、気軽に連絡してね』
そして、数分が経過。
ピロン――という音がしたので、スマホの画面を見た。
『はい! ありがとうです!』
ふむ……?
この文章を打つのに、五分も必要なのかな。
既読はすぐに付いたし。でもまぁ、気にするほどではないか。
『それじゃ、なにかあればまた』
そう思って、俺は会話を終わらせようとそう送った。
すると、秒で既読がついて――。
『あ、あの』
そんな文字が送られてくる。
首を傾げて、続きがくるのを待ってみる。
しかし、十分以上が経過しても続きがくることはない。
「こっちから、訊いてみた方が良いのか……?」
そして、そんなことを考え始めた頃だった。
着信の音がして、画面を見る。するとそこに書いてあったのは……。
『明日、良かったらデートしてください』
「………………へ?」
思考が瞬間、硬直した。
デート? それって、あのデート? 逢瀬ってやつ?
ぐるぐると、言葉は単純なのに様々な憶測が頭の中に渦巻いた。
『どこか、遊びに行きたいの?』
困惑しながらも、俺はどうにか返信する。
すると間もなく返事がきた。
『あの、ダメですか……?』――と。
それを見て、思う。
「あ、これガチなやつ?」
俺はそこで察した。
これ、かなりマジなお誘いだ、と。
なのでここは、真摯に答えを返すことにした。
『デート、ってのはまだ早いから。二人で遊びに行こうよ』
待つこと数分。
佐那からの返信は、短くもたしかなものだった。
『はい、よろしくお願いします!』
俺はその後に、しばしやり取りをしてから深く息をつく。
まさか、相棒の妹からデートに誘われるとは思っていなかった。苦笑いをしつつ、ベッドに腰掛けて適当にネットサーフィンを楽しもう。そう思った時だった。
「うぐ……!?」
ある男から、電話の着信があったのは。
「これって、出ないと……だよなぁ?」
おそるおそる、俺は電話に出る。
すると――。
「はい、もしも――」
「よお、相棒……」
「…………」
声の主――賀東礼二は、低い声でこう言うのだった。
「いまから、少し会って話そうじゃねぇか……」――と。
殺される。
マジでそう思った。




