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1.出会い――賀東礼二。

ここから第2章。









 今日は土曜日だ。

 そのため学校は休みで、文芸部の部活もない。

 しかし俺の足は学校へと向かっていた。何故かというと――。



「おー、伊藤と佐藤はスタメンなのか」



 歓声湧き上がるグラウンド。

 父兄のみなさんが、やれ打てやれ守れの大合唱だった。

 俺が休日の高校にきた理由。それは、クラスメイトの二人の雄姿を見るため。伊藤はファースト、佐藤はサードを守っていた。



「しかし、こんなに盛り上がるんだな」



 独り言を口にしながら、俺は先日のベンチに腰掛ける。

 そして、安物のスコアボードに書かれた校名を確認した。すると、



「あぁ、これは盛り上がるわけだ」



 すぐに納得する。

 そこに刻まれていたのは、県下で有数の甲子園常連校。

 現在、春夏と夢舞台に立っているそのチームの選手を見てみると、やはりガタイが違った。伊藤と佐藤もそこそこ良い身体をしていたはずだが、こればかりはさすがに見劣りしてしまう。



「んぐ、ぷはぁ……。それにしても、意外に食らいついてるな」



 持ってきた清涼飲料を喉に流し込みながら、俺は得点差を確認した。

 四回を終えて、相手の二点リード。中堅校であるうちにしては、大健闘なのかもしれない。そう思い、俺はベンチに戻ってきた二人に声をかけに――。



「え……?」



 行こうとした、その時だった。

 相手の高校の投手を目にし、言葉を失ったのは。

 思わず手に持っていたペットボトルを取り落として、呆然としてしまった。



「どうし、て……?」



 だって、そこにいたのは紛れもない。

 あんな大柄な男性――高校生離れした外見の人物を見間違えるはずがなかった。









 ――試合は、相手の高校が大差で振り切って勝利した。

 グラウンドの整備が始まり、一時休憩ということらしく父兄も散っていく。その中で俺はベンチから立ち上がると、一直線に相手の野球部の方へ向かった。

 そして、先ほどの投手を探す。


 ひときわ大柄な人物。

 探し始めて、間もなく見つかった。



「あの、すみません!」

「あ……?」



 そして声をかけると、その部員はぶっきらぼうにこちらを見る。

 首を傾げ、あからさまに警戒した様子で。



「あ、えっと……」

「なんだ、てめぇ。用がないなら、話しかけてくるなよ」

「そ、そういうわけじゃなくて!」

「……ん?」



 俺は慌てて深呼吸し、彼にこう訊ねた。









「賀東礼二、さんですか……?」――と。








 その野球部員の、名前を。



「そうだが、お前は誰だ?」




 彼――賀東は、少し驚いたように答えて訊ね返してきた。

 心臓が早鐘のようになっている。




 春麗らかな日差しの下。

 俺は夢の中の相棒と、現実の世界で出会ったのだ。



 


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