↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
24/37

ダンジョン1階

 ダンジョンは石で出来た古城のようだった。

 壁や通路は、同じ大きさの石が綺麗に並べられ、無数に浮かぶ小さな炎が城内を照らしていた。


 重厚なドアを押し開け部屋に入ると、宝箱がいくつも置いてある。

 木製の綺麗な箱で、金の飾りが輝いていた。


「カイル。ダンジョンを攻略するのに、この箱を開けたほうがいいの?」

「う~ん…。こういう状況だと、開ける参加者は多いと思うけど…。なんか怖いよね?」

「開けたら、白い煙が出てきて…とか?」

「かも?」


 私とカイルがどうしようか悩んでいると、後から部屋に入ってきた参加者が躊躇なく宝箱を開けた。


「やった~! ポンポコ商店街の割引券だぁ~!」


 えっ? 森の中にある、このへん唯一の小型商店街の割引券が!?


 思わず詳細を尋ねてしまう。

「何割引きになるんですか?!」

「50%OFFだよ! 半額券!」

「え~~~っ!!」


 ポンポコ商店街で50%OFFになる割引券!

 ポンポココロッケも半額になっちゃうのね! ←ルカの小さな野望。

 レオンさんが欲しがってた車も半額に!


「カイル! 私たちが躊躇してる間に、商店街の半額券をもらい損ねてしまったわ!」

「まさかダンジョンの宝箱に、商店街の割引券が入ってるなんて思わなかったよ!」


「やっぱり、森の泉のダンジョンは普通ではなかったのよ」

「そのようだね」


 やっぱり宝箱を開けたほうがいいのかしら?


 その時、

「うぁ~~~…」という、気の抜けた声が聞こえた。


 振り向くと、全身マッサージチェアを宝箱から見つけた参加者が早速使っていた!

「全身ほぐれて気持ち良い~~。眠っちゃいそうだ~…」

 至福の表情で全身揉まれている。


「カイル!全身マッサージチェアをもらいそこねちゃったわ!」

「いや~。これはもらっても、パパとママもまだ若いし、僕たちも子供だから使わないんじゃない?」

「そう言われたら、そうね」


 石橋を叩いて渡るタイプのカイルは、まだ宝箱を開けようとはしなかった。


 他の参加者たちは次々と宝箱を開けてゆく。

「やった~!宝箱に薬草が入ってた!」


「回復の薬草ですか?」

 なんとなく気になってルカが尋ねてみると、


「いや。神経性胃炎に効くって書いてある」

 ダンジョン内で使う機会があるだろうか。微妙だ。



「ポンポコ温泉ご宿泊1泊2日券!」

「高級焼肉食べ放題券!」

 高額商品券を宝箱から見つけていく参加者たち。

 ルカも宝箱を開けたくなってきてしまった。

 

 そのとき、

「うわ~~っ!」

 宝箱を開けると手が伸びてきて箱の中へと参加者を誘った。

 箱の中にはダンジョンの外へと続くウォータースライダーが設置されており、乗せられてしまった参加者の叫び声だった。1度外に出ると戻れないルールなので、彼はダンジョン脱落となる。


「宝箱には、当たりはずれがあるんだ。やっぱり開けなくてよかったんだよ!」

「そうだね、カイル!」


 カイルの冷静で無欲なところがカッコイイと思ったルカだった。

 ふたりは2階への階段を探すため駆けだした。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。