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4 マジで人生詰んでる

 俺は日本人であって、異世界転生してシャドウなんて名前のモンスターに生まれ変わったはずがない!


 そう思って、俺は暗い闇の中で沈黙し続けた。


 その間も体は無意識に移動を続けていた。

 だけど俺は、本能に任せたまま動く体のことなど放置して、ただぼんやりと暗闇の中でボーとし続けた。


 ――モグモグモグ

 しかしこの体、無意識で動く上に、勝手に地面を食ってるんだけど。

 触覚から感じる硬さからして、石でできていると思わしき地面だけど、それをモグモグしながら移動し続けている。

 硬すぎて食えないけれど、それでも噛り付いて食べようとする俺の体ってヒドイナー。


 こいつ、バカじゃないの?

 ものすごく食い意地の張ったバカだろう。


 ……

 自分の体のことだけど、ものすごく他人事のように思いながら、俺はまたしてもボーとし続けた。


 それからどれだけ時間を掛けたのか分からない。

 1時間か2時間。それとも数分程度。あるいは何日もたったかもしれない。


 俺の体は本能でモグモグしながら移動し続けているけれど、視覚がないせいで周りの景色を一切見ることができず、ただ闇しか認識するできなかった。

 これでは自分が今どこにいるのか、何日の時間が過ぎているのかも計りようがない。


「ふうっ、とりあえず夢から覚める気配もないな……」

 マジで俺って異世界転生したパターンなのか?

 だとしたら、イヤだな。


 だって俺って人間に転生してないばかりか、視力0の盲目なんですけど。

 転生したら全盲だったって、これって人生詰んでない?



 とりあえず、俺は沈黙し続けるのに飽きてしまった。

 周囲全部が暗闇なんて、まるで超引きこもり状態に思えるけど、ここにはPC(パソコン)もスマホもテレビすらないからね。

 代わりに何かできることはないかと考える。


「そういえば、俺の人間としての意識って、初めて人間を食べた瞬間に生まれたよな」

 自分の今世での人生。つまりシャドウとしての記憶が蘇った俺だけど、よくよく考えてみれば、初めて人間を食べた後から、俺の日本人だった時の意識が蘇った。


 その時食った人間って、一体何だったんだ?


 そう思っていたら、俺の心の中にステータスが浮かび上がる。


『ステータス

 名前 アリオス ラグネス

 種族 人間

 職業(クラス) 剣士(ソードマン) 

 レベル 12

 スキル

 剣術Lv2、体術Lv2、短剣術Lv1、盾防御Lv1、剥ぎ取りLv1』


 うげっ、考えてたらその時食べた人間のステータスが出てきた。


 ちょっとやめて、食べたものの詳細って知りたくないんだけど。

 それがよりにもよって人間だから、俺の|SAN値(正気度)がゴリゴリ削れていってしまうんだけど。


 うわー、こんな情報知りたくねー。

 名前からして男だろうけど、アリオス君には悪いけど、君のことは忘れさせておくれ。

 てことでステータス画面はさっさと閉じてしまおう。


「ふうっ、なんだこの得も言われぬ罪悪感は……いや、彼を食べたのは俺なんだろうけど……」



 いかんな、ショックがなかなか抜けきらん。

 ここは現実逃避をするために、ヒツジの数でも数えるが。


「ヒツジが1匹、ヒツジが2匹……」

 無心になりたいので、ここは睡眠に効果的と呼ばれるおまじないをしていこう。


 それからしばし、1人でヒツジを数え続ける。

「……ヒツジが1452匹……って、こんなに数えるな、俺ー!」


 自分のやっていた馬鹿げたことを、自分で突っ込む。

 こんなの他の人に見られてたら恥ずかしいけれど、ここには俺しかいないから問題なしだ。



「ん?てかさ。俺って視覚がないだけでなく、声も出せなのか?」


 人間のときには当たり前のように喋れていたのに、今の俺の体は、声を出せないようだ。

 試しに、「あーあー、うーうー」と言ってみて、さらに「ただいまマイクのテスト中」、「本日はお日柄もよろしく」、「玉麦生米生卵」と連呼していく。


 OK。

 声帯なんてありゃしない、声を出せないばかりか、聴覚もないようで、音を聞き取ることができない。


 うわー、ないわー。

 全盲どころか、声帯も聴覚もなし。

 何この障碍者みたいな有様。


 異世界転生したら、障碍者でしたなんて。……俺、ショックすぎて寝込みたくなる。

 まあ、寝込んでしまいたいけれど、俺の意識に反して、体の奴は本能で移動し続けて、相変わらず地面をモグモグしてるんだけどね。


「はあっ」


 ショックは受けたけど、とにかくやることがない。

 なので織は仕方なく、自分のステータスを再び開いてみた。


 するとまたしてもバカみたいな量のスキルが、ヅラヅラと続いていく。

 この全てのスキルを数えるだけでも、いい暇つぶしになるかもしれない。

 ハハハ、ヒツジを数えてるよりはぐっすり眠れそうだぞー。




 なお、俺の所持しているスキルを見ていくと、なかなかにヒドイことが発覚した。


「おい、音波攻撃ってなんだよ!声が出せないのに、どうやって音波で攻撃なんかできるんだ!」

「聴覚強化だと!?耳が付いてないのに、強化できるかボケ!0に100万掛けても、しょせんは0なんだよ!」

「嗅覚強化……スンスンスン。あっ、鼻までないのか、匂いを全然感じられない」

「睡眠無効……あの、もしかしてこれって、眠ることができない呪いじゃないよね?」


 宝の持ち腐れの上に、最後のスキルは呪いの間違いだろう。

 あー、俺生まれからったら人間がよかったな。いや、贅沢言わないから、ゴブリンの方がまだましだったかも。



 周囲は真っ暗で、匂いも音も感じれられず、声も出せない。

 一応人間としての意識はあるものの、人間の意識があっても、移動して食べる以外のことは何もできない。

 これ、ひどすぎる。

 むしろ、人間の意識が宿ったらいけないものに、俺って転生しちゃってる。


「うわー、マジで人生詰んでるー」


今までに判明しているステータス ()内の数字は判明した話数



 ステータス

 名前 カズキ サイトウ (斎藤一樹)

 種族 シャドウ

 職業(クラス)  迷宮の掃除人(ダンジョンスイーパー)

 レベル 1650



・初期スキル

 捕食 (プロローグ)

 吸収融合 (プロローグ)

 物理攻撃無効化 (プロローグ)

 影空間(シャドウスペース) (プロローグ)


・武器補正スキル

 棍棒術 (プロローグ)

 剣術 (プロローグ)

 槍術 (プロローグ)

 弓術 (プロローグ)

 毒攻撃 (プロローグ)

 音波攻撃 (4)


・防御補正スキル

 盾防御 (プロローグ)


・身体能力補正スキル

 筋力増加 (プロローグ)

 防御力増加 (プロローグ)

 聴覚強化 (4)

 嗅覚強化 (4)


・体質補正スキル

 粘液 (プロローグ)

 不死者 (プロローグ)


・自動回復スキル

 HP自動回復 (プロローグ)

 MP自動回復 (プロローグ)


・移動補正スキル

 ジャンプ (プロローグ)


・魔法スキル

 炎魔法 (プロローグ)

 氷魔法 (プロローグ)

 氷魔法 (プロローグ)

 風魔法 (プロローグ)

 土魔法 (プロローグ)

 闇魔法 (プロローグ)

 回復魔法 (プロローグ)

 死霊魔法 (プロローグ)


・耐性スキル

 打撃攻撃耐性 (プロローグ)

 斬撃攻撃耐性 (プロローグ)

 炎耐性 (プロローグ)

 炎攻撃無効化 (プロローグ)

 氷耐性 (プロローグ)

 氷攻撃無効化 (プロローグ)

 睡眠無効 (4)


・魔眼系スキル

 魔眼・発火(ファイア・アイ) (プロローグ)

 魔眼・氷結(ブリザード・アイ) (プロローグ)


・オーラ系スキル

 威圧 (プロローグ)

 王者の覇気 (プロローグ)


・指揮補正スキル

 指揮 (プロローグ)

 眷属支配 (プロローグ)

 眷属従属 (プロローグ)


・称号スキル

 転生者(カズキ サイトウ) (プロローグ)

 階層主(フロアマスター)(80階層) (プロローグ)

 異界の魔王 (プロローグ)


・その他

 鑑定 (プロローグ)

 暴食 (プロローグ)

 咆哮 (プロローグ)

 死者の咆哮 (プロローグ)




・影空間の保有アイテム

 薬草 (プロローグ)

 木の杖 (プロローグ)

 ネクロマンサーの秘術書 (プロローグ)

 ドラゴンメイル (プロローグ)

 魔道金属 (プロローグ)


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