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3 ステータス

 ども、斎藤一樹(さいとうかずき)37歳。ダンディーなおじさまにはなれなかった、ぽっちゃり体型のおじさまだ。

 なお、デブとは言わないでくれ。

 いいな、おじさんとの約束だぞ。



 さて前回変な声に、人肉を捕食しましたと言われてしまった俺。

 イヤな夢だわー。

 てか、人肉は勘弁してくれー。


 ……マジで食ったのか?

 俺が?


 なんてもの食ったんだ、と心の中で叫び続ける。


 夢の中だからいいけれど、でもさ、一体どんな人を食べてしまったんだよ。

 ウワー、夢の中で人を食べたとか、もしかして俺って実は心の中でとんでもない殺人鬼的な性格があるんじゃないだろうな。

 深層心理って恐ろしいー。


 なんて思いながらも、食べたもののことを考えていた。


『ステータス

 名前 ミィナ クライセン

 種族 人間

 職業(クラス)  魔法使い(スペルキャスター)

 レベル 6

 スキル

 炎魔法Lv2、杖術Lv1、短剣術Lv2、洗濯Lv2、掃除Lv1』



 思っていたら、ゲーム染みたステータス画面が浮かび上がってきた。

 俺の視界は相変わらず全方位が真っ暗なままだけど、なぜか心の中に、そんな光景だけ見て取ることができた。


「……OK、これはひどい夢だ。俺、相当疲れてるのかな。そういえばこの夢を見る前に、心臓が滅茶苦茶ドキドキバクバクしてたわけだし」


 変なステータスが見えたせいで、俺は冷静になってしまう。

 というかゲームっぽいステータス画面のくせして、掃除と洗濯にスキルレベルがあるとかナニコレ?

 変にリアルというか、生活臭があふれてるんですけど。



 ……

 でも、気になったことといえば、念じればステータスを確認できるということ。

 ならば、当然自分のことも気になる。


「よーし、俺のステータスもでてこい」

 どうせ夢の中だと思っているので、俺は何気なく自分のステータスも開いてみた。


『ステータス

 名前 カズキ サイトウ (斎藤一樹)

 種族 シャドウ

 職業(クラス)  迷宮の掃除人(ダンジョンスイーパー)

 レベル 1650

 スキル

 捕食、吸収融合、物理攻撃無効化、影空間(シャドウスペース)、棍棒術、剣術、槍術、、 弓術、毒攻撃、盾防御、筋力増加、防御力増加、粘液、不死者、HP自動回復、MP自動回復、ジャンプ、炎魔法、氷魔法、氷魔法、風魔法、土魔法、闇魔法、回復魔法、死霊魔法、打撃攻撃耐性、斬撃攻撃耐性、炎耐性、炎攻撃無効化、氷耐性、氷攻撃無効化、魔眼・発火(ファイア・アイ)魔眼・氷結(ブリザード・アイ)、威圧、王者の覇気、指揮、眷属支配、眷属従属、転生者(カズキ サイトウ)階層主(フロアマスター)(80階層)、異界の魔王、鑑定、暴食、咆哮、死者の咆哮ectect……


 ……ちょっと待て、スキルの数がおかしすぎる。

 なんかスキルの数が100個や200個どころでなく、ズラズラと続きまくっていて、俺の視線ではおえきれない量がある。


「なんじゃこりゃ、まるで不正ツール(チートツール)使ってゲーム内の全スキルを突っ込んだような表示だな……」

 あまりにもスキルが多すぎて、あきれてしまう俺。

 それにレベルが1000超えてるとか、もうインフレとかそういうレベルじゃないでしょう。


「ふっ、しょせん俺の夢なんだからこんなものか」

 これだけの能力(スキル)があれば、調子に乗ってこのまま「異世界チートだー」なんて言いながら、冒険の旅に出て魔王を倒したくなるくらいだ。


 というかスキルなしでも、レベル差だけで魔王でもクリア後のおまけボスでも倒せちゃうんじゃないの?



 なんて暢気に思っていたけれど、このステータスを見ていたら、なぜか吾輩……いや俺は……あれ?

 吾輩は自分の過去の記憶を、思い出してきた。


 ゴブリンを捕食したことによって獲得した棍棒術スキル。

 ゴブリンメイジを捕食したことで得た、風魔法と土魔法スキル。


 ほかにもいろいろなモンスターを食って食って食いまくって、そのたびにスキルと経験値を獲得し続けてきた。

 暗い闇の中、ただ本能のままに移動し、捕食を繰り返し続けた。

 そうしていつしか気が付いてみれば、吾輩……いや俺のレベルは1000を超え、スキルはもはや自分でも認識できないほどの種類を獲得していた。


 そして初めて人間を食ったときに、転生者(カズキ サイトウ)のスキルを獲得した。


 ……その後からだ。

 俺の……吾輩の中に、今までになかった人間としての意識が、突如として宿ったのは。



「ちょっと待て、吾輩……いや俺は人間だぞ。日本人だぞ。間違っても俺が死んで、異世界転生とかしたわけじゃない。夢を見ているだけのハズ。ハズなんだ……」

 今までの日本で暮らしていた俺の記憶とともに、それとは違うシャドウと呼ばれるモンスターの記憶が、俺の記憶の中に沸き起こってきた。


 シャドウとしての記憶はあまりにもはっきりとしていて、それを嘘だと振り切れないほど現実味がある。



 ハ、ハハハッ。

 もしかして俺、本当は夢じゃなくて、心臓発作で死んだあと、本当に異世界転生したんじゃないだろうね!?


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