13 邪眼族(イビルアイ)
前回生命創造で作り、魂を乗っ取って動かしていたアリオスがモンスターに食われて死んでしまった。
その死体のおこぼれを俺の本体であるシャドウも捕食してしまったけれど、まあ悲劇が起きてしまったことは仕方がない。
なおアリオスが死んでしまったことや、その死体の一部を俺が捕食してしまったことに関してだけど、「まあ、仕方ないよね」で片づけている。
「あ、うん、良心がいたいなー。痛むなー。チクチクするわー」
一応、俺も元人間ではあるので、棒読みでそんなことを言っておくことにしよう。
あわー、俺の思考回路のモンスター化が止まらねえー。
とはいえ、こんな無様なことを繰り返さないために、次はどうするべきか。
とりあえずアリオスがいなくなったせいで、俺は再び視界を完全に失って真っ暗な中にいる。
(んーと、とりあえず視覚確保要員として、生命創造で何か作ろうかー)
てなわけで、俺はさっそく禁忌を犯して、またしても生命創造で命を作ることにした。
なお、俺の所持スキルの中には 禁忌とか、背信者なんて名前のスキルが既にあったりする。
前世の記憶が戻る前にシャドウがモグモグしていたものの中に、暗黒神官だったか邪神官とかって名前のモンスターがいたから、そいつら食べたときに獲得したスキルだったかな?
正直前世が戻る前のシャドウの記憶って、量が多すぎるから結構アバウトにしか覚えてないんだよねー。
ま、それはともかくとして。
≪ステータス
名前 なし
種族 邪眼族
職業 魔界の使徒
レベル 47
スキル
浮遊、闇魔法Lv7、邪眼・麻痺、邪眼・石化、闇のオーラLv2、暗視Lv6≫
生命創造で作れる種族の一覧を眺めていたら、こんなものを見つけたわけだ。
邪眼族、なんて中二病チックな名前だ。
レベルも高くて、アリオスみたいな雑魚ではなさそうだから、さっそくこいつを作ってみることにしよう。
てなわけで、さっそく生命創造をポチリと実行。
そしてどさりと俺の体の上に何かが触れる感触。
そいつに向かって、さっそく闇魔法魂の乗っ取りを仕掛けて、体を乗っ取らせてもらった。
――グヒュルヒュヒュヒュヒュヒュー
その結果並列存在スキルが自動的に発動して、シャドウの俺と、イビルアイの俺の人格に分かれる。
(うわー、またしても俺の人格が二つに分かれたー)
――グヒュルヒュルヒュー
(……)
人格が二つに分かれるのは既にアリオスで体験したことだけど、なんかイビルアイ先生は日本語で話してくれないです。
大丈夫なのかこいつ?
体が人間じゃないから、思考形式まで人間やめてないか?
――グヒュヒュヒュー!
今の俺の考えを、なんとなく抗議されたのは分かった。
でもね、イビルアイと人間だと、あまりにも思考形態が違いすぎる。
でも、並列存在スキルのせいで、そのイビルアイの感覚を、シャドウの俺もある程度把握することができる。
(グヒュルヒュルヒュー)
――グヒュルヒュルヒュー
あ、いかん。
感覚共有できるのはいいけれど、こいつと共有していると、本体側の俺の性格まで歪んじまいそうだわー。
ま、それはともかくとして、深いことは気にしないことにしよう。
どうせ俺の本体は、人間でなくてモンスターのシャドウだから、今更イビルアイの感覚にちょこっと犯されるぐらい問題ないって。
その方が精神衛生的にもきっといいしなー。
HAHAHA。
で、イビルアイの視覚を確保して、周辺を見回すことができた。
「おおっ、体が本当に空中に浮かんでいる!」
――グヒュルヒュルヒュー
イビルアイ先生は浮遊スキルもちで、その体が空中に浮かんでいる。
そして空中から地上を見渡してみると、そこにはアリオスの死体の一部と思わしき腕が転がっていたり……
(うっ、気持ち悪い!)
――グヒュヒュヒュヒュー
一方イビルアイ先生の方は、生前の俺の仇というわけか、いまだに地上でアリオスの死体に食らいついているハウンドドックの群れを一瞥した。
――パキパキパキッ
その結果、発動するのは邪眼・石化のスキル。
イビルアイがレベル47の高レベルモンスターということもあって、地上にいたハウンドドックたちは、石化してコチコチの石に代わってしまった。
「おおっ、邪眼強い。最強じゃん!」
アリオスはあっさり食われてしまったのに、イビルアイ先生にかかればひと睨みするだけでお終いだった。
そのあとは地面で石になって固まっているハウンドドックの群れを、シャドウの俺がモグモグしていく。
石だけど、噛まずに丸呑みしてしまえば全く問題ないねー。
しかしシャドウの本能とはいえ、俺の食い気って本当に凄まじいわー。
――モグモグモグ
てな感じで、石化したハウンドドックの群れをいただいておきました。
あと、ついでに食いちぎられてバラバラ死体と化していたアリオスの残りの部位もパクパクと食べておく。
『捕食した銅の剣を影空間にて保存します』
食べたついでで、アリオスの装備品一式も影空間へ収納しておいた。
死体の方はともかく、装備品はまた再利用できるかもしれないからね。
まあ、実際には再利用に関係なく、シャドウの食欲を止められなかっただけとも言うが。
そんなこんなで、戦闘現場はすべて綺麗さっぱりいただいて、あとには血の一滴すら残らず片付けておいた。
なんというか、探偵物だったら完全犯罪が成立した光景だよ。
ここでおきた殺人の証拠が、すべて俺の胃袋に収まっちゃったから。
それはともかくとして、
「イビルアイ先生、それでは周囲を探索してみることにしましょうか」
――ヒュルルルー
アリオスの敵もとったし、イビルアイ先生のおかげで再び俺の視界確保にも成功した。
というわけで、2人仲良くそろってこの平原を再度移動していくことにした。
(ここがどこか分からないけど、とりあえず人里まではたどり着きたいねー)
――グヒュルヒュルヒュル
(えっ、モンスターのまま人里まで行ったら攻撃されるんじゃないかだって?イビルアイ先生、あんたさすがは俺の人格だよ。よくそこに気づいたね。凄いわー)
性格の悪いアリオスと違って、イビルアイ先生はかなり知性的であらせられた。
――グヒュルヒュルヒュー(訳:うむ、それほどでもあるぞ!)
今までに判明しているステータス ()内の数字は判明した話数
―――本体
ステータス
名前 カズキ サイトウ (斎藤一樹)
種族 シャドウ
職業 迷宮の掃除人
レベル 1650
・初期スキル
捕食 (プロローグ)
吸収融合 (プロローグ)
物理攻撃無効化 (プロローグ)
影空間 (プロローグ)
・武器補正スキル
棍棒術 (プロローグ)
剣術 (プロローグ)
槍術 (プロローグ)
弓術 (プロローグ)
クリティカル (5)
毒攻撃 (プロローグ)
音波攻撃 (4)
・防御補正スキル
盾防御 (プロローグ)
・身体能力補正スキル
筋力増加 (プロローグ)
防御力増加 (プロローグ)
聴覚強化 (4)
嗅覚強化 (4)
・感知スキル
遠視 (5)
千里眼 (5)
万里眼 (5)
魔力気配察知 (5)
感応 (5)
・体質補正スキル
粘液 (プロローグ)
増殖 (7)
分裂 (7)
不死者 (プロローグ)
・自動回復スキル
HP自動回復 (プロローグ)
MP自動回復 (プロローグ)
MP自動完全回復 (8)
・移動補正スキル
ジャンプ (プロローグ)
影移動 (11)
影跳躍 (11)
地行術 (11)
・魔法スキル
炎魔法 (プロローグ)
氷魔法 (プロローグ)
氷魔法 (プロローグ)
風魔法 (プロローグ)
土魔法 (プロローグ)
闇魔法 (プロローグ)
回復魔法 (プロローグ)
死霊魔法 (プロローグ)
呪文短縮 (5)
無詠唱 (5)
・耐性スキル
打撃攻撃耐性 (プロローグ)
打撃攻撃無効化 (7)
斬撃攻撃耐性 (プロローグ)
炎耐性 (プロローグ)
炎攻撃無効化 (プロローグ)
水攻撃無効化 (7)
氷耐性 (プロローグ)
氷攻撃無効化 (プロローグ)
睡眠無効 (4)
恐怖耐性 (12)
恐怖無効 (12)
・魔眼系スキル
魔眼・発火 (プロローグ)
魔眼・氷結 (プロローグ)
邪眼・麻痺 (13)
|邪眼・石化(ストーンアイ (13)
・オーラ系スキル
隠密 (5)
威圧 (プロローグ)
王者の覇気 (プロローグ)
闇のオーラ (13)
・指揮補正スキル
指揮 (プロローグ)
眷属支配 (プロローグ)
眷属従属 (プロローグ)
・思考スキル
並列思考 (6)
並列意思 (6)
並列存在 (6)
・称号スキル
転生者 (プロローグ)
階層主(80階層) (プロローグ)
異界の魔王 (プロローグ)
禁忌 (13)
背信者 (13)
・その他
鑑定 (プロローグ)
暴食 (プロローグ)
生命創造 (7)
咆哮 (プロローグ)
死者の咆哮 (プロローグ)
・影空間の保有アイテム
薬草 (プロローグ)
木の杖 (プロローグ)
ネクロマンサーの秘術書 (プロローグ)
ドラゴンメイル (プロローグ)
魔道金属 (プロローグ)
ネクロマンサーの呪術ローブ (10)
スケルトンナイトの鎧 (10)
エルウィンローブ (10)
赤竜のマント (10)
マグマ (10)
ドラゴンスレイヤー (12)
ゲイボウ (12)
血濡れの大鎌 (12)




