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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第四章 故郷へ

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53 復興

 復興は順調に進む。

 心配していた魔族と人間とのトラブルも起きていない。それもこれも全部ネフィス様のお陰だ。

 というのも、開拓村の住民のほとんどがネフィス教に入信したからだ。熱心なララーナ教の信者がいなかったことも大きいが、それよりもネフィス様がララーナ様の上司であることが大きかったようだ。今も多くの人間の住民がゴブリナの有難い話を真剣に聞き入っている。


 私も結構頑張ったと思う。

 スキルでこの地に適した作物を植え付けていく。主なものは「スーパージャガイモ」と「スーパー小麦」、「スーパー牧草」だ。植えた後は、農業が得意なゴブリンたちと共に育て方を指導する。

 それが終ると、具体的にどうやって復興していくかについて会議を重ねた。


 会議の結果、ある程度の食料を自給できるようにして、後は神聖ネフィス教国からの輸入による中間貿易で外貨を稼ぐことになった。そこで活躍したのはレッドさんのパーティーのゴールドさんだった。ソマリの上司であるシャムと既に提携しており、人間の国々で高値で取引できそうな商品もピックアップ済みのようだった。


「最初は酒類を含めた高級品をメインの販売を考えています。それが軌道に乗れば、徐々に品数を増やしていきます」


 詳しく聞いたが、よく考えられている。間違いなく上手くいくと思った。



 ★★★


 それから3ヶ月、魔族の移住者も増えた。

 その大半がこの地で生まれ育った老齢のゴブリンだった。彼らは人生の最後を故郷で終えたいという思いが強いようだった。それとケンタウロス族の移住者も増えた。下半身が馬で、草原を自由に駆け巡ることが生きがいのケンタウロス族だが、スズキタウンが少々手狭になったことが大きい。特に若いケンタウロスは、広い草原を自由に駆け巡りたいようだ。


「これだから若い者は・・・そういう我も若い頃は、草原を走り続けていたがな」


 ケンタウロス族の族長であるタリアスがそう言うけど、家畜の面倒をしっかり見てくれるので、開拓村の住民は大助かりだけどね。


 交易のほうも順調のようだ。

 担当者のゴールドさんから報告を聞く。


「予想を上回る利益が上がっています。驚いたことに一番売れているのはネフィス様の小型女神像ですけどね」


 それは驚きだ。

 詳しく聞くと、どうしてそんなに小型女神像が売れたかという理由を教えてもらえた。


「シャム会長も最初は売れると思っていなかったみたいなんです。仕方なく店頭に置いて、従業員に開店前と開店後にお祈りをさせていたらしいのですが、だんだんと女神像を売ってくれというお客さんが増えたそうです。最初は商売繁盛の神様だと思われていたらしいですね」


 偶然が重なって売れるようになったらしい。シャム会長が大量に小型女神像を発注していた理由がよく分かった。


「なので、私たちもそれを真似たところ、人間の間でも人気になったんです。祈り方も簡単ですしね」


 手を2回叩くだけだからね・・・


 そんな感じで、人間社会でもネフィス様の教えは広がっているようだ。

 その影響からか、町の名前がネフィスタウンになり、人間用の神官学校も設立された。多くの者がこの門をくぐっている。ガーランド師とブルーさんがいるから、多くの優秀な神官が育っているそうだ。


 それに最近では、神官学校を卒業した者がスズキタウンの神官学校に研修でやってくる。

 訪れる人間の神官は誰もが人格者だった。安心してネフィス様の布教を任せられると感じた。



 ★★★


 ネフィスタウンの復興が順調だったので、私たちはというと、スズキタウンに帰還し、いつもの日常を過ごしている。ネフィスタウンには定期的に視察に行っている。視察と言っても、盛大にもてなされるだけだけどね。


 今日も定期視察でネフィスタウンを訪れたのだが、来るたびに町が発展している。

 人口が明らかに増え、そこかしこで新たな建物が建設されている。住民も人間だけでなく、魔族、獣人、ドワーフなど、多種多様だ。聞いたところ、普通の人間の町だと差別が激しいらしく、この町にはそれがないことが大きな要因らしい。


 発展する町を見ながらグリューンが言う。


「故郷が発展するのは感慨深いな。聖女殿には本当に感謝している。あの時、無理にこの地を攻めて、この地を奪還したらと思うとゾッとする。折角奪還したのに荒地では、絶望していただろうな・・・」

「多分、ネフィス様の思召しでしょうね。あの日あの時、私たちが出会ったのも、絶妙のタイミングでレッドさんたちがスズキタウンにやってきたのも・・・」

「それを言うと、ヨル殿や主殿、ウリたちとの出会いもそうなのかもしれんな」

「そうだと思います。私たちには分からないことをネフィス様は考えてらっしゃるのでしょうね」


 少し真剣な表情になったグリューンが言う。


「聖女殿、これからも頼むぞ」

「はい。すべてはネフィス様の思召しです」


 私も少し聖女っぽくなったのものだ。

 今日もネフィス様に感謝して、できる範囲で頑張っていこう。

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