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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第四章 故郷へ

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39 プロローグ

 久しぶりにネフィス様とお会いした。

 本当に素晴らしい神様だ。もう少し寝ていたいけど、ネフィス様とお会いしたすぐ後に、二度寝するのは流石にどうかと思ってしまう。


 というのも私は疲れていた。仕事が忙しかったからではない。

 三日三晩続いた収穫祭で、はしゃぎすぎたからだ。まあ、楽しかったからね。

 今日はゆっくりして、明日くらいから冬祭りの準備をぼちぼち始めようかな。冬祭りも盛り上げないとね。


 そんなことを思っていたら、私室にゴブリナが駆け込んで来た。そして、私に抱き着いて号泣した。


「ネフィス様が!!ネフィス様が・・・ウッウッウウ・・・」


 何とかゴブリナを落ち着かせて話を聞く。どうやら、ゴブリナはネフィス様の神殿に招かれたようだ。

 早速、頼んだことを実行してくれるなんて、本当に素晴らしい神様だ。


「ゴブリナも招待されたのね?お菓子もお茶も美味しかったよね?」

「はい!!本当に美味しかったです」

「かなりデキる感じの執事さんがいなかった?」

「サマエル様ですね?何でも大天使を辞めて、ネフィス様にお仕えしているようなのです」


 あの執事さんはサマエルというのか・・・それに大天使って・・・

 大天使が何なのかは分からないけど、多分偉い人なんだろう。それにしてもゴブリナは、なぜそんなことまで知っているんだ?


「気になることはすべて質問しましたからね。例えば、昼食は何時がいいかとか、睡眠時間は何時間がいいかとか・・・」


 そんなことまで聞いたの!?

 よく怒らなかったな、ネフィス様は・・・まあ、優しい女神様だからね。


「本当に幸せな時間でした。聖女様と話すまでは、夢かもしれないと思っていたのですが、確信が持てました。この感動を信者に伝えなければ!!」


 私は必死でゴブリナを止めた。流石に信じてもらえないだろうと思ったからだ。


「落ち着いて、ゴブリナ。まずはグリューンさんに相談しましょうよ。グリューンさんは王様だし、まずは王様に相談したほうがいいわ」

「それもそうですね。まずはグリューン様に感動を伝えましょう」


 ちょっとグリューンに悪い気はしたけど、まずは時間を稼がないとね。



 ★★★


 朝食もそこそこにグリューンの屋敷に向かった。

 挨拶もそこそこにゴブリナがグリューンに感動を伝えている。


「私もネフィス様にお会いしました。この感動を国民に伝えたいのです!!」


 グリューンが困った顔でこちらを見てくる。


「落ち着け、ゴブリナ。まずは聖女殿の意見を聞こう」

「いきなりゴブリナが国民に伝えれば混乱が生まれると思います。ですので、書物にまとめてはどうでしょうか?」

「そうだな。おい、フックス!!ゴブリナから話を聞き、書物にまとめるように」


 私がグリューンに対処を丸投げし、その被害がフックスに及んでしまった。

 これは仕方のないことだった。


 ゴブリナはというと、テンションが高いままだった。


「フックスさん、すぐに作業に入りますよ。ついてきてください」

「ちょ、ちょっと待ってよ。僕にも準備が・・・」


 二人が去った後、グリューンが聞いてきた。


「ゴブリナが言っていたことは本当なのか?」

「間違いないと思います」


 私はネフィス様に頼んで、ゴブリナに会ってもらったことや、ゴブリナが語った内容に矛盾がないことを説明した。


「なるほどな・・・それはそうと、まず我の所に連れて来てくれたことは感謝する。流石にそんなことをいきなり言われた国民は困るだろうしな」

「そうですよね。でも、私の時は信じれくれましたよね?」

「それは・・・聖女殿は信用があるからな」


 ゴブリナは信用がないようだ・・・


「フックスには悪いがしばらく犠牲になってもらおう。その後だが・・・」

「できた書物を見ながら、ゴブリナの気を逸らす方向で考えてますよ」

「例えば、どんな方法だ?」

「そうですね・・・」


 多分、書物にまとめるのに一週間はかかるだろう。

 そうこうしている内に冬祭りの準備が始まる。そうなるとネフィス様の教えを利用しながら、ゴブリナが冬祭りの準備に集中するように仕向けよう。


「いい案だ。それで折角だから、聖女殿と冬祭りについて話をしてもいいかな?」

「もちろんです。ゴブリナはしばらくあの調子でしょうしね」

「ではまず・・・」


 そこからは楽しい時間だった。ゴブリナのことなんてすっかり忘れていた。

 思えば、私はこういった楽しい企画を考えて実行する仕事をしたかった。思いもしない形でその夢が叶った。これもすべてネフィス様のお陰だ。


 昼食の時間になったところで、ゴブリナとフックスが帰ってきた。

 ゴブリナはまだまだ話したりない感じだったが、フックスは疲れ果てていた。


「もう無茶苦茶ですよ・・・これをどうまとめろと言うんですか?」


 フックスのメモを見ると、ほとんどが「どっちでもいい」、「自分で考えて」というネフィス様の言葉が並ぶ。まあ、そうなるよね・・・


 でもその中にも、有用な情報はあった。

 お供え物の化粧品は気に入ってもらっているようだし、ドワーフを満足させたお酒「聖女の涙」も褒めてくれている。それに色々な料理にお酒を合わせたことや各種族が好きなお酒を開発したことも評価してくれている。

 もしかして・・・私は自然と涙が溢れた。


「どうしたんだ、聖女殿?」

「ちょっと、感動してしまいまして・・・ネフィス様の温かさに触れた気がします」


 ネフィス様はゴブリナの質問を通して、大切なことを伝えようとしてくれている。国を大きくすることよりも、みんなが協力して仲良く暮らすことが大事だと。

 お酒や化粧品は特にそうだ。長年いがみ合っていたエルフとドワーフが協力して作ったからね。そんな温かい想いが伝わってくる・・・


「そうだな・・・我も感謝している。我はあの日、聖女殿に会えたことを一番感謝している」


 グリューンも感動している。

 ゴブリナが言う。


「そんな意図があったとは!!これはいけません。再度、ネフィス様の想いを考えなければなりません。フックスさん、もう一度作業をやり直しましょう」

「そ、そんな・・・」


 涙目になっているフックスとゴブリナを見送る。


 この後、可哀想になった私は、フックスにサンドイッチを差し入れて上げた。


 ネフィス様、本当にありがとうございます。



 ★★★


 ~ネフィス様の一言~


 化粧品は質が良かっただけだし、お酒も味の感想を言っただけよ。有難いけど、ちょっと心苦しいわ・・・

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!


とうとうミドリまで、ネフィス様を勘違いし始めました(涙)

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