表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第三章 建国

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/60

35 外遊 3

 精鋭部隊が編成された。

 メンバーは私と赤ドラと白ドラ、グリューン、魔法薬のスペシャリストで、戦闘力も高いダーク、そしてドワーフを代表してドワンナだ。

 ドワンド王が言う。


「本当によかったのか?聖女殿、グリューン殿」


「これは私の使命だと思っています。ネフィス様のご意思を感じますしね」

「我は王として、聖女殿を守る義務がある。ドワンド王よ、気にすることはない」


「すまんぬ・・・」


 ゴブリナも行きたいと言っていたが、戦闘力が皆無なので置いていくことになった。それに他に目的があったみたいだしね。


「私もその神聖な服を身に纏いたいのです」

「それはちょっと・・・じゃあ、ゴブリナ用に作ってあげるから、ここで治療に当たっていてね」

「そういうことなら・・・」


 怪しげな防護服のどこがいいのだろうか・・・


 そしていよいよ、私たちは鉱山に入った。

 鉱山は入り組んでいるが、赤ドラと白ドラが案内をしてくれる。


(毒の発生源を見つければ、いいんだよね?)

(それなら分かるよ。魔素の流れが違うからね)


 何気にこの二匹は有能だ。とてとてとしか歩けないけどね。

 赤ドラはグリューン、白ドラはダークに運んでもらっている。ドワンナが言う。


「最近、掘り進めた地点ですね。そこが発生源とは・・・」


 ドワンナの見立てでは、鉱山を掘り進めた結果、魔物の棲み処に行き当たったのではないかとのことだった。これまで被害がなかったことを考えると、あながち間違った見立てではないと思う。

 そして、私たちは最近掘り進めた地点に到着した。

 グリューンが警告を発する。


「魔物の気配がする。慎重に行動するぞ」


 グリューンに指示され、恐る恐る進んで行く。

 鉱山の最奥付近だと思われるが、そこには驚きの魔物がいた。かなり巨大な蛇だ。ニシキヘビなんて比べ物にならないくらい大きい。体長は5メートルはある。


 その大蛇が私たちに気づいた。驚いたことに人語を話すようだ。


「に、人間!!く、来るな!!こっちに来なければ、何もしない。早くどっかに行け!!」


 赤ドラと白ドラの思いが伝わってくる。


(あの蛇から毒が出ているよ)

(あの蛇が原因だね)


 ということは、あの大蛇をどうにかしないと毒が収まらないということか・・・

 幸い話は通じそうだし、交渉の余地はあるかもしれない。

 私はグリューンたちの警告を無視して、大蛇の前に歩み出た。


「あのう・・・貴方から発せられる毒の所為で、ドワーフたちが困っているんです。どっかに行ってもらえませんか?」

「どっかに行けって、そっちが勝手に来たんだろ?お前たちが、どっかに行けよ・・・あれ?君からは、ネフィス様を感じる」


 言われてみれば、私も不思議な感覚があった。

 同志のような感じだ。それにネフィス様と言ったし・・・


 私は防護を服を脱いで、左手のブレスレッドを大蛇に見せた。


「私はネフィス様に使命を授かり、ここに来ました。直接は指示されてませんが、貴方を助けろという思召しかもしれません。何か困っていることはありませんか?」

「やっぱりそうか・・・ネフィス様は僕を見捨てなかったんだ!!えっと・・・僕はヨルムンガンド。大蛇族の最後の生き残りだよ」

「えっと・・・ヨルムン・・・」

「ヨルでいいよ」

「私は、ミドリ・スズキ。緑の聖女をしています」


 普通に話が出来そうな雰囲気だった。

 グリューンたちも警戒を解いて、こちらにやってきた。グリューンたちにも事情を説明した。


「こちらのヨルは、かなり困っているようなのです。ネフィス様に遣わされた私としては、助けてあげたいと思います」

「うむ。聖女殿がそう言うなら、我も協力しよう。それでヨル殿、何か困っているのか?」


「そうだね・・・まずはどうして僕がここに来たかから話そう・・・」


 ヨルが言うには、ヨルは元々別の世界に暮らしていたらしい。

 ヨルは大蛇族という種族で、種族全員が強い毒魔法を操っていたそうだ。しかし、その中でヨルは弱い毒魔法しか使えなかった。一定時間、相手を痺れさせるだけの効果らしい。族長なんかは、即死の毒魔法を使えたようだった。

 なので、弱い毒魔法しか使えないヨルは、いじめられていたそうだ。誰にも相手にされず、一人で寂しく暮らしていた。


 ヨルを追い出した大蛇族たちは、傍若無人に振る舞い、それが元で人間たちに討伐されてしまったようだ。そのことを聞いたのは、ネフィス様からだった。


「ネフィス様に『貴方が大蛇族の最後の生き残りだから、これまでどおり、ひっそりと生きなさい。貴方の幸運を祈っておくわ』と言われたんだ。その教えを守り、1000年はひっそりと生きてきたんだ。でも・・・」


 そんなヨルだったが、転機が訪れた。

 勇者パーティーを名乗る一団がヨルを討伐に来たそうだ。ヨルとしては、話し合いで解決しようと試みたようだが、勇者パーティーは耳を傾けなかった。


「勇者たちは、『お前の素材が必要なんだ!!』と言って、いきなり斬り掛かってきたんだ。その時、勇者が持っていた聖剣で斬られたことが原因で、魔力のコントロールができなくなって、常時毒魔法を発生させる状態になってしまったんだ」


 勇者というのは、本当に迷惑な奴らだ。

 グリューンたちもそう思っているようだった。


「幸い勇者たちは、僕の毒魔法で痺れて動けなくなったんで、すぐに逃げた。でも勇者たちはしつこかった。何度も何度も僕を討伐に来たんだ。そして、とうとう僕も勇者たちに追い詰められた。その時、自分でもどうやったか分からないんだけど、即死の毒魔法が発動したんだ。そうしたら、勇者たちは死んじゃった」


 これまでの話を聞いたかぎり、ヨルに非はないだろう。


「それからは平穏な日々を送っていたんだけど、ある日ネフィス様がやって来て、僕を別の世界に移すって言われた。その時、『ここで大人しくしていたら、きっといいことがある』って言われたんだ」


 話を聞いたグリューンが言う。


「つまり、ヨル殿は聖女殿の助けを待っていたということだな?」


 そう考えるのが自然だろう。


「とりあえず、常時毒魔法が発動される状態をどうにかすればいいんですよね?ダークさん、治療できますか?」

「うむ。ヨル殿、少し体を触らせてもらってもよいか?」


「いいよ。お願い」


 こうして、魔物討伐から治療に作戦が変更された。

気が向きましたら、ブックマークと高評価をお願い致します!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ