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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第三章 建国

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28 建国祭

 私は不思議な夢を見た。そう思っていたが、そうではなかったようだ。

 左手に黒色のブレスレットが巻かれているからだ。


 夢の中でネフィス様にお会いしことに間違いない。

 思えば、ネフィス様は本当に気さくで、いい女神様だった。神様と会うのは2人目だけど、自信を持って凄い神様だと言える。優秀な執事さんはいるし、女神の部下も持っている。何より私に寄り添って、共感してくれた。そして、前世のブラック企業勤務についても同情し、これまでの頑張りを褒めてくれた。私は凄く感動していた。

 ただ、これは誰にも言わないでおこうかな。誰も信じないだろうし、頭がおかしくなったと思われるのがオチだ。


 でも、ちょっと話したくて、試しにゴブリナに言ってみた。信じてもらえなかったら、「冗談だよ」と言えばいい。それくらいの人間関係は出来ているしね。


「な、な、何という奇跡!!詳しく、詳しく教えてください!!」


 あっさり信じてくれた。逆に心配になる。

 よく考えたら、ゴブリナはそういう子だった。


 そこからはゴブリナの質問攻撃に悩まされた。別の意味で、言わなければよかったと思ってしまったが、もう後の祭りだ。

 ゴブリナはというと、集落内の有力者を集め、信者たちに触れ回っていた。

 すぐにグリューンたちがやってきた。


「聖女殿、女神ネフィス様とお会いしたと聞いたが、詳しく教えてくれ」

「はい。それでは・・・」


 みんなも信じてくれている。私も嬉しくなって話した。みんな真剣に聞いてくれる


「国名は神聖ネフィス教国、我が集落はスズキタウンか・・・素晴らしい。すぐにお触れを出そう」

「それとネフィス様から建国祭をしてはどうかと、言われました」

「そうだな。是非やろう」


 グリューンの側近として活躍しているフックスが言う。


「それでは周辺国にもお声掛けをしてはどうでしょうか?獣王国とはシャム殿の商会を通じて取引がありますし、ドワーフ王国も隣国と言えば隣国です。獣王国については、父を通じて何とかします。後はエルフですが・・・」


 フリンも続く。


「ドワーフ王国は私が話を通すッス。旨い酒が飲めると言えば、大臣クラスは来ると思うッス」

「お願いします。後はエルフですが・・・」


 ダークが答える。


「一応、建国祭については知らせる。ただ、出席は見込めないだろう」

「仕方ありませんよ。無理に頼んで、関係を拗らせても、いけませんからね」


 オークナさんも続く。


「オークはそれぞれで来ると思うよ。どうせ周辺の集落には声を掛けるんだろ?」

「そうだな。それでどのような建国際にすればいいのだ?」


「特に指示はされてませんが、みんなで楽しんでほしいとのことでした。それと、なるべく多くの人の労をねぎらってほしいと言われてました」


 ゴブリナが言う。


「だったら私に考えがあります。それは・・・」


 ゴブリナにしてはまともな提案だった。

 みんなもそれに賛成した。



 ★★★


 それからは建国際の準備で少し忙しくなった。忙しくなっといっても、ブラック企業勤務に比べたら天国だけどね。それに色々と考えるのは楽しい。私も何かみんなにお礼をしたいと思い、プレゼントをせっせと作っている。作るといっても、私にそんな技能はないから「創造の木」頼りだけどね。


 今日は進行状況をチェックするためにグリューンと一緒に集落を周る。

 式典の進行については、フックスが中心的な役割を担っているらしく、料理はソマリが中心に用意してくれるみたいだ。

 フックスから進行状況を確認し、続いてソマリの店を訪れた。


「忙しすぎるニャ!!猫の手も借りたいニャ!!」


 貴方が猫でしょ!!

 というツッコミを入れられないほど、ソマリは忙しそうだった。


「忙しそうだな?」

「宿の手配やなんかで、目が回りそうニャ。国賓を野宿させるわけにはいかないから、フリンたちに頼んで、新たに宿を建設してもらっているニャ。それにスタッフの教育もしないといけないし・・・」


 心配になった私はグリューン言う。


「少し心配ですね」

「シャムに連絡しよう。多少なりとも人を回してくれるかもしれん」


 こういう所は、ブラック企業と全く違う。グリューンが上司だったら、私の前世も変わっていたかもしれない。


 視察どころではなかったので、私たちはダークの温室に向かった。

 ダークは作業中らしく、会うことはできなかった。スタッフのダークエルフに「くれぐれも無理はしないように」と言って、次の視察場所に向かった。


 みんな忙しそうだけど、楽しそうだった。


「ではフリンの蒸留所に行こう」

「そうですね。やっぱり最後にしないとヤバいですからね」

「うむ」


 フリンの蒸留所では、フリンが新種のお酒をどんどん試飲させてくれた。


「種族ごとに好みが違うんで、色々種類を作ったり、飲み方を工夫しているッス。同じ酒でも全然違うッスからね」


 勧められるままに飲んでしまった。美味しいからね。多分、明日辛いんだろうな・・・


 そんなことを思っていたら、全く酔わなかった。

 私は左手のブレスレッドを見た。少し光っているように見えた。多分、ネフィス様が付与してくれた「毒無効」が発動したのだろう。アルコールも毒といえば毒だからね。


「今日はガンガン飲むッスね。じゃあ火酒をストレートでいくッスか?」

「じゃあ、少しだけ」


 かなり酒精が強いけど、味は美味しい。

 グリューンが心配になるほど、飲んでしまった。


「フリン、その辺にしておけ」

「はいッス」


「フリン、ありがとう。美味しかったわ」


 そう言って、帰ろうとしていた時、ハーフドワーフのスタッフが駆け込んできた。


「大変だ、フリン!!」

「どうしたんスか?建造中の女神像でも壊したッスか?」

「そうじゃない。建国際で来られる方が決まったんだ」

「よかったじゃないッスか」

「それが問題だ。なんとドワーフ王自ら、お越しになられるんだ」


 フリンだけでなく、私たちも呆気に取られた。


「それにドワーフ王が来られた時に併せて、ダブルマイスターの最終選考を行うようだ」

「こんな忙しい時に、何でッスか?」

「嫌がらせだろうな。俺たちハーフドワーフやダークドワーフには、どうしてもダブルマイスターの称号はやりたくないんだろう」


 フリンは様々な分野で大車輪の活躍を見せている。

 女神像や宿屋の建設、建国際用のお酒造りなど、多岐に渡る。なので、ダブルマイスターの選考会に専念されたら、建国際の準備が滞ってしまう。


 つまり、どちらかに絞るしかないということだ。

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