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緑の聖女は転生先を間違えられたようです~植物スキルで、それなりに楽しくスローライフをしてます  作者: 楊楊
第二章 移住者が増えました

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19 捕縛

 盗賊捕縛作戦が開始されることになった。

 グリューンは精鋭の自警団を集落から呼び寄せ、ゴブゾウの集落の自警団と合同で訓練を始めた。主さんたちグレートボアも訓練に参加している。

 それにしても過剰戦力だと思ってしまう。


 作戦はというと、わざと家畜を放置した場所を用意して、盗みに来たところを捕縛するというものだ。

 盗賊は精鋭の騎兵に勝るとも劣らない練度だったという。ウリを助けた自警団のゴブリンが語る。


「人馬一体とは、あのことですよ。恥ずかしながら追い返すだけしかできませんでした・・・」

「気にするな。警備を強化しなかった俺の責任だ」


 ゴブゾウがそのゴブリンを慰めていた。


 それに合わせて、罠を張る場所を選定し、家畜を放っていく。

 罠の張る場所以外の家畜は離れた安全な場所に移動する。私はというと、ウリとウリ坊たちを集めて作戦の準備をしている。ウリたちに羊の毛で作ったモコモコの防寒着を着せて、羊に見せかける。そして上手く羊を誘導して、罠に嵌める。危険だと思ったが、主さんが言うには、やられたらやり返すことも大事とのことで、ウリたちも参加することになった。

 モコモコしたウリも可愛い。ウリたちは訓練と思えないくらい楽しそうに羊を追いかけ回していた。


 急ピッチで準備が進み、3日後には準備が完了した。

 そして4日目、盗賊団がやってきた。数は約30騎、いずれも馬に乗っている。そしてウリたちに近づくと、大きく広がって包囲しようとしていた。

 頃合いを見て、ウリたちが羊を誘導して、こちらに逃げてくる。これに反応して盗賊団は追いかけてくる。


 グリューンの声が響く。


「ゴブリン隊は配置につけ!!弓兵隊は射撃準備」


 ウリたちをすぐに後方に下がらせ、長槍を持ったゴブリンたちが槍衾を形成する。

 そして射程距離に入ったところで、弓の名手であるダークエルフやハーフエルフたちが狙いを定めて弓を射る。

 当初の作戦では、これで何騎か討ち取って降伏を促す予定だったが、盗賊団はすべての矢を躱していた。

 ダークが言う。


「距離があるとはいえ、こうも容易く躱すとはな。グリューン、油断できんぞ」

「そうだな。安全策を取ろう」


 グリューンの指示で弓による攻撃を一旦中止し、防御態勢を取る。すぐに盗賊団から矢が飛んで来た。


「馬上からも正確に弓が射れるとは、練度が高いな。ただ、威力はあまりない。フリンたちが作った楯や鎧を貫くことはできんだろう」


 実は、私たち自警団の装備は格段にいい。大国の精鋭部隊に匹敵する性能らしい。

 それを聞いて安心する。私はいつも通り、オークナさんに護衛をしてもらっているしね。


 盗賊団はどんどんと迫って来る。このまま突っ込んでくれば、槍衾の餌食になるだろう。

 しかしそうはならなかった。かなりのスピードで疾走してきたのに急停止して、方向を変えていた。


「あんなこともできるのか?あれでは、自警団が数人いたところで、太刀打ちできんわけだ。まさに人馬一体・・・」


 私も驚いた。本当に人馬一体だった。

 これはたとえではない。上半身が人、下半身が馬なのだ。

 私も思わず口に出した。


「魔物ですか?」

「どうだろうね・・・あそこまで統率が取れる魔物がいるなんて、聞いたことがないよ」


 オークナさんも困惑している。動揺が部隊に広がる。

 ここでゴブリナが大声を上げる。


「皆さん!!恐れてはいけません!!私たちには、女神ネフィス様がついているのです!!邪悪な魔物を討ち倒すのです!!」


 普段、空気の読めないゴブリナだが、指揮官としての勘は天下一品だ。

 ゴブリナのお蔭で、部隊は落ち着きを取り戻した。

 グリューンが指示をする。


「クロスボウ隊!!一斉射撃」


 ゴブリンがメインのクロスボウ隊はそれほど正確に射ることはできないし、連射もできない。

 しかし、不意に一斉に矢が飛んで来たら流石に避けようがない。槍衾とクロスボウによる一斉射撃がゴブリン隊の最大の必殺技なのだ。


 10騎程が地面に倒れ込み、残った魔物たちは反転して撤退を開始する。


「主殿、頼んだ」

「うむ。ブモー!!」


 主さんが雄叫びを上げると潜んでいたグレートボアの群れが動き出し、撤退していた魔物たちの進路を塞ぐ。それに合わせて、ゴブリン隊も動き出して魔物たちを包囲した。魔物たちは、完全に戦意を喪失していた。


 グリューンが叫ぶ。


「大人しく降伏しろ!!命だけは助けてやる!!魔物に言っても無駄か?」


 魔物から返答があった。


「我らは魔物ではない!!誇り高き、ケンタウロスだ。降伏する。我は族長のタリアス、我の首だけで勘弁してほしい」


 ケンタウロス?そんな種族がいるのか?


 ゴブゾウが言う。


「盗賊が偉そうに!!全員、ぶっ殺してやる」

「まて、ゴブゾウ。タリアスとやら、武装を解除しろ。貴殿らは盗賊として処罰をする。命までは取らんが、厳しい刑罰を科す」

「グリューンがそう言うなら・・・おい!!盗賊!!感謝しろよ」


 そんな時、一人の若いケンタウロスが怒鳴った。


「元はといえば、お前たちが俺たちの土地も家畜も奪ったんだろうが!!盗賊に盗賊と言われたくはない!!」

「おい!!やめろ!!立場を弁えろ」


 タリアスが止めに入る。


「そちらに事情があるかもしれんが、盗賊行為は盗賊行為だ。まずは武装を解除せよ」

「うむ」


 こうして、盗賊?魔物?を捕縛したわけだが、彼らにも事情がるようだった。

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