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35 夢オチだとどれほど良かっただろうか

爽やかな朝日が差し込み、気持ちの良い朝を迎える。


凄い、夢を見た気がするな。

ガウラ王子の生誕パーティーに参加して、アナスタシア様達に囲まれて真冬くんとウィルがとんでもない殺気を撒き散らして、、。

現実で起こったらなんて大変なことだろう。


いつもより早くに目覚めたため部屋は私一人しかいない。


水でも飲みに行くかとまだぼやけた頭を使い、部屋を出る。






「あ、エリーナ。おはよう」


「フラン兄! どうしたの? 早いね」


廊下でばったりと出会ったフラン兄はすでに着替えていた。着替えてるのが当たり前か。私ネグリジェだけど大丈夫かな。私がいけるんだし大丈夫だろ。


「……大丈夫じゃないよ。とりあえず服着なさい。ほら、僕の上着貸してあげるから」


私の心を読めているフラン兄は部屋着用の上着を私にかけてくれた。別に寒くはないけど……。


「そういえば、、昨日はちゃんと休めた? あの後すぐに部屋にこもってしまったって言ってたけど……」


昨日……? 昨日は確かパーティーで凄く疲れてて、死んだように眠ったけど……。ん? 何でパーティーで疲れてたんだっけ。

えーと、真冬くんとウィルが無表情になってて……


あーーー!!!!


あれ夢じゃない!! 現実で起こってることだ!!

私一人で帰らせてもらったからあの後フラン兄にも、お父様とお母様にも会ってないんだ!!

フラン兄には視線で訴えただけで何も言えずに帰っちゃったし、、わざわざパートナーとして来てもらったのに申し訳ない……。


「ごめん、フラン兄!! 昨日はあれしか方法が浮かばなくて……視線だけ送ることくらいしか……」


「うん。確かにあの状況では無理だよねえ。大丈夫、ちゃんと叔父様と叔母様には伝えておいたから。二人とも心配してたからもう少ししたら会いにいくといいよ」


「あ、ありがとう……!!」


なんて優しい従兄妹だ……!!

私の意図を汲み取ってくれてなおかつ両親にまで説明してくれていたと……! やはり持つべきものは頼れる親類である。



「お嬢様!! 今日はお早いですね。ってそんな格好でどうしましたか!! 早く着替えますよ!!」


ばったりと出会ってしまったカーラに怒られる。


「フラン様、申し訳ございません。後で上着は洗って置きますので、少々お嬢様に貸していただいては貰えないでしょうか」


「うん、僕が帰るまでに返してくれたらいつでもいいよ。それじゃあエリーナ、後でね」


「じゃあね!」


フラン兄の上着を羽織ったままいそいそと自分の部屋に戻る。

部屋にはさっきは寝起きで頭がぼやけていたため気づかなかったが、立派な花が2つ、机の上に置かれていた。


「カーラ、これは?」


「これはフラジスト様とウィルライン様からでございますよ。お嬢様から向かって右がウィルライン様、左がフラジスト様です」


どちらも一目でどちらのかわかる物だった。

右はおおきな赤いアマリリスを中央に、暖色系を中心とした色とりどりの花が飾られていた。

左は桔梗や紫陽花といった、前世でもよく見慣れた花が多い。こっちは基本寒色系の色。

こうも正反対だとなんだか面白い。それぞれメッセージカードもついている。


内容は、、昨日はごめんねといったような同じようなものが書かれている。気が合うのか合わないのかよくわからん。


「これ、2つもここに飾れないから、それぞれ目立つ場所に飾っておいてくれない? リビングとか」


公爵家からのものだったら何も言われないだろう。むしろこの家のイメージアップにつながると思う。

まあ本音はこう正反対だと部屋の統一感がなくなって花が綺麗に見えないからなのだけれど。


かしこまりました、といつの間にか現れていたルピアが大きいにも関わらず軽々と抱え、持っていってしまった。相変わらずルピアは謎である。

私が置くところにどうこういうよりも使用人一同に任せておけば、そっちのほうが間違いないだろう。私は自分の服さえ選べないセンスのなさの持ち主なのだから……。


「お嬢様、本日は朝食時に旦那様からお話はあるそうですよ。早く支度をしないと遅れてしまいますが」


おっと、いけない! ただでさえ時間がかかるのに。

軽く謝り、準備に取り掛かってもらう。


昨日のこともあったから先ずは謝らないとだな……。お父様もお母様も心配させたかもしれない。……いや、案外大丈夫かもしれない……。


そんな事を思いつつ、準備が出来るまで大人しくしていた。


◇◇◇



「おはようございます」


「おはよう、エリーナ。もう体は大丈夫?」


「はい、ただ疲れていただけなので」


「それなら良かったわ」


……以上で昨日の件は終わりです。やっぱりね。


いつも通りに朝食を食べていると、突然お父様が話を切り出してきた。そういえば何か話があるとか言ってたな。


「そろそろ熱くなってきただろう。だから3日後あたりに領地へ少し戻らないか?」


アストランティア家の領地といえば避暑地で有名な場所だ。何かと思えば毎年恒例のあれか。


戻るとしたらお父様の仕事の都合も考えて4日から5日くらいかなあ。避暑地ってだけあって他の貴族も多い。


でも自然豊かで楽しいから苦では無いのだけれど。



伝えたかったことはそれだけらしく、これで朝食はお開きとなった。

3日後ということは早く準備しなければと使用人一同こころなしか動きが早くなってる。


私も準備……しようと思い自分の部屋へ帰っていった。

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