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28 トップを闘う二人と私

会場はすでに多くの人で埋め尽くされていた。

流石第二王子の生誕パーティーというのもあり、他国からの貴族なんかもいる。


お、あれは噂の隣国の姫様ではないか? たしかアナスタシア様だったか。噂道理の可愛らしいお方で。今も多くの令息に囲まれている。

あっ!! よく見たらガウラの花つけてる!!


とまあアナスタシア様を遠目で見つつ、フラン兄のエスコートの元、無事に王族への挨拶も終了。


挨拶は基本、位が高い貴族からだから私の場合は遅くも早くもないのだ。私が会場へついた頃にちょうど真冬くんとウィルが挨拶してたのを見かけたから、きちんとパーティーに出席していることも確認済み。もし来てなかったら裏切ったなと、あとで文句言ってやろうと思ったが心配はいらなかった。

むしろあんなに私のドレスについて白熱した戦いを見せておきながら当日欠席とか話になんないしね。


今も二人とも多くの令嬢に囲まれててなかなか抜け出せない様子。あら? 隣国の姫様までいらっしゃる!! 確か噂では真冬くんが一度婚約断ったって言ってなかったっけ? それでもアタックしにいくとか到底私には無理だな。

でも流石は姫様だけあって周りの令嬢よりも断然可愛らしい。でも……ああいう系って裏がどす黒かったりする。まあ私の勝手な偏見だから心の中も見た目のように美しい方かもしれないし!! ここは健気でかわいいと思っておこう。


私はガウラ王子って正直あんまり好きじゃないから出来るだけ合う時間も短くしようって心がけてる。私的には、私から近づかないとそもそも覚えてくれないようなそこらへんにいる一介の令嬢気分でいたいのだけど、挨拶の際に何か嫌な気配を察知いたしましたため今まで以上に気をつけようと心に誓いました。


どうせダンスとか踊る気もないし壁の花にでもなっておこうか。

フラン兄は久しぶりに領地から出たっていうのと時期アストランティア伯爵っていうのもあって挨拶周りで忙しそうだから無理言ってここに引き止めておくのも良くないし……。こんなに人がいるし大丈夫だろう!!


なら壁と一体化になれる場所を見つけておかないと。

王族の座っているあたりは人が多いけど駄目だ。近すぎる。


飲食スペースは? 

……コルセットきつすぎてご飯入んないのに美味しそうな場所に自ら突っ込んでいくなんて。ましてやその場にずっといるなんてどんな拷問? なしなし。

残るは……向こうのあたりかな。フラン兄とは少し離れてしまうけどあそこらへんなら人もそこそこ、尚且フラン兄も頑張ったら見える場所だ。


そうと決まれば移動だ!!



が、動こうとする前に声をかけられた。


「エリー、どうして一人なの? 襲われたらどうするの」


「フランとかいってやつはどうした?」


一瞬ガウラ王子かと思ってびっくりして身構えたけど……なんだ、過保護を発動させた真冬くんとウィルか。

良かった良かった。ん? 本当に良かったのか?


「フラン兄は挨拶まわり。そういう二人は終わったの?」


さっき見たときは物凄い数の令嬢に囲まれてたと思うんだけど。二人とも一応時期公爵なんだからフラン兄よりも忙しいと思うのだが……。


「大丈夫。エリーが来る前に全部済ませておいたしね」


「そういえば、どうして二人は私がここにいるって分かったの?」


素朴な疑問である。

ウィルもそうなのだ。

毎度毎度必ずと言っていいほどどんなに離れていても私のことを見つけ出してくる。こんなに人がいるのによ? 何かセンサーでもつけているのだろうか……。

私はそんな大々的に入場してきたわけじゃないし、真冬くんやウィルみたいに特別目立つわけでもないと思う。


……はっ!! もしかしてそういう真冬くんの発明なのか……!! GPS……真冬くんなら作れそう……。


「秘密」


ふふふと意味深に真冬くんが笑う。


…………。


これ以上は詮索しないでおこう。知っていいものではない。何か良からぬものを一瞬感じ取ったのは気のせいだ。絶対。


とりあえず笑っとけと思い微笑む。


と、思い出してしまった。やばい、これはやばい。


「……ああ!! ご令嬢達!! ほっといたら駄目じゃん!!」


そう。ご令嬢様方。

皆さん知っていますか? ご令嬢達はほっとかれるというのが一番良くないのですよ? そしていま現在人気ナンバー1、2を闘うご令息はどこにいますか?



…………。


A、ここです。


やばいよー。揃っちゃったよー。

ちらっと向こうの方を見て……あ、やめた。見なくても気配を感じる。ご令嬢方が決して出してはいけないような気配出てる。

真冬くんとウィルは……うん。勿論気づいてないよね。

もしかして気づいているのか? ガン無視極めてるのか?


やーめーてーよー。


これ後で来ないよね。お約束とか嫌だよ。



「ご令嬢? ああ、別にいいよ。どうせ同じことしか言わないし」


「だよなー。正直疲れる」


一気に30くらい老けたようなお二人。

ここは気が合うのね。


これ聞こえてないよね。

ご令嬢方に聞こえてたら大問題だよ?



…………逃げる。


そうだちょっと逃げよう。

ここにいたら絶対火の粉かぶる。


「ちょっと外の空気吸ってくるね!!」


いきなりで申し訳ないが許してほしい。

ぱっと身を返して中庭の方へ向かう。

二人が何か後ろで言っているような気がするが……少し足を早めよう。

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