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異世界恋護奇譚 〜聖女のオマケでバグ転移した私、15歳で天然最強騎士団長と偽装結婚しました〜  作者: 三多来定


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232/242

232.セタと共に

 ミレイとアサキの結婚式後、リオから重大な情報とリストをもらったロイは、第1に戻るや否や、ミコトを聖女棟に送り、セタのいる代表室に来ていた。


 時間はすでに19時を回っており、セタは代表席に座り、ランプの灯りでリストを確認していた。


「なるほどね……。キダンさんのリストと重なっている部分もあるけど、これは有難いかな」

 セタは不敵に笑う。


「あのさ、セタ兄は分かっていたんだよね? ミコトが俺の力で古代魔法も使えてしまうかもしれないって……」


 ロイの言葉に、セタはリストを机に置いて息を吐いた。


「ああ。機密蔵書は全て目を通していたからね」

「だったら、教えてくれても……」

「ロイ!」


 セタはロイを睨むように見た。

 

「お前だって国家特別人物なんだよ。機密蔵書を閲覧しようと思えばいつでも見られたんだ。どうせ講義の内容を全く覚えておらず機密蔵書の存在も知らなかったんだろうけど、俺を手伝いたいのならそんな状態では無理だ!」


 ロイはぐっと黙る。

 セタの言う通りだからだ。


 セタはふっと笑う。


「ミコトちゃんも国家特別人物になったことだし、2人で閲覧してもいいんじゃないか。俺はミコトちゃんに何も知らせずに守るという方法を取るつもりはない」


 ロイは顔を上げてセタを見る。

 セタは怒っている訳ではないようだ。


「まあ、先に話しておくけど、機密蔵書には様々な種類があり各国で保管されているが、第1にあるものが300年前の事が記載されていて特に重要なんだ。何故機密扱いなのかというと、神への反抗とも取れる内容が記されているからで、これを記したのは初代アリアンなんだよ」


「そ、そうなの!? 『アリアンの記録』とは別にってこと?」


 ロイの言葉に、セタは「あれは日記だからなぁ」と笑う。


「国家特別人物は元々アリアンのための制度だということは知っているだろう? 初代アリアンは神への悪口になると分かっていても、真実を子孫にだけは伝えたかったんだよ」


 それなら、やはり、ロイは知らなければならない。

 本が苦手などと言っている場合ではない。


「俺、ちゃんと機密蔵書も読むよ! それでセタ兄を手伝う、いや、一緒にやる!」

 ロイはセタを真っ直ぐに見る。


「ああ、期待してる……」

 セタは机の書類に目を落としながら言う。


 ロイが代表室を出ると、お弁当を抱えてドア前にいたシェナと目が合った。


「あ、夕ご飯を持ってきたんだけど、ロイ君も……」

「いえ、俺はミコトのところへ行きますので、セタ兄と二人で食べてください」


 ロイはそう言うと、相変わらずのスピードで走り去る。


 シェナは代表室に入って、セタの顔を見て呆れた。


「なぁに、その顔? ニヤニヤして気持ち悪いわ」


「いや、だって、ロイが苦手な本を読んでまで俺と一緒にやるって……。あんなに天真爛漫な子どもだったのに、成長したなぁ……」


 シェナは、「ホント、ブラコンなんだから……」と深い溜息をついた。





 ミコトとロイは、新居の寝室のベッドの上で、機密蔵書閲覧の話をしていた。


 新居の間取りは、前の家とほぼ同じで、1階に大きなリビング、2階に寝室ともう一部屋である。

 と、いうのも、前の家の間取りが気に入っていたので、同じ間取りになるように増改築してもらったのだ。


 そしてベッドは前の家で使用していたものである。


「じゃあ明日の午後は国立図書館ね」

 ミコトは笑顔で言う。


 ロイもミコトも、明日の午前中は女性騎士養成所の視察なのだ。


「俺、図書館なんて初めて行くなぁ……」

「私は何回か行ったことがあるよ」

「ホント? 何しに行ったの?」

「え、本を読みに……」


 図書館に、本を読みに行く以外、何しに行くというのだろうか。

 ミコトは、ロイとこの話題は成り立たない、とはっきり理解した。


「そ、それよりね、今夜は、その、私に任せて欲しいんだけど!」

 ミコトはそう言うと、ロイの胸ぐらをガッと掴む。


 胸ぐらを掴まれたロイは、すでにちょっと違う!? と嫌な予感でいっぱいになった。


 カーサがミコトとミレイに「夜の手法」なるものを教えたようだが、言葉だけの手法の説明で、ミコトが正しく理解したとは思えない。


「いいけど……、多分これ、違う気がするんだけど、胸ぐらって普通掴まないよね?」

「え? だって、主導権を握って、押し倒して、上に乗るって……」


 確かに、そういう感じも面白いかもしれない。

 しかし、ミコトにかかると、それはもう……


 ロイの体は、胸ぐらを掴まれた状態で宙に浮かされ、捻りを加えられ、ベッドにダァンッと叩きつけられる。


「うがっ!」

 思いもよらないかなりの衝撃に、ロイは思わず声を上げた。


 そして、すかさず、ミコトはロイの上にまたがり、再び胸ぐらを掴む。


「どうだっ!」

「……いや、どうだって言われても……、コレ、俺じゃなかったら骨折してるよ……」


 ロイは胸ぐらを掴まれた状態で、深い溜息をついたのだった……。

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