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異世界恋護奇譚 〜聖女のオマケでバグ転移した私、15歳で天然最強騎士団長と偽装結婚しました〜  作者: 三多来定


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209/242

209.セタの実家へ

 神様と話をした日から1週間が経っていた。


 ミコトとロイは、セイラに言われたとおり、アリアンを辞めるかどうか、という話をセタにするために、第4のセタの実家へ行く事になった。


 本当はもっと早く行きたかったが、闇組織準メンバーが次々と捕まり、その対応で騎士団内もごった返していたのだ。


 またしばらくセイラとマリーに会えなくなるため、出発の3日前からミコトは聖女の部屋に泊まった。


 突然つわりがはじまったマリーに寄り添うためでもあったが、ミコトとセイラは驚くほど役に立たず、ロイの手配した侍女たちがマリーの世話とセイラとミコトの食事を用意したりと忙しく動き回っていた。



「ミコト、気をつけてね。ロイ、ミコトをお願いね……」


 出発の朝、顔色の悪いマリーは、ソファから立ち上がって、ロイとミコトを見た。


「分かった。えと、マリーも体を大事にして……」

「大丈夫よ。病気じゃないもの」


 若干動揺しているロイに、マリーは微笑む。


「マリー、もう横になろうよ。ミコちゃん、こっちは気にしなくていいよ。侍女さんたちもいるしさ」

 セイラは、マリーをベッドに連れて行く。


 マリーより年上の侍女2人は、笑顔で頷く。


「ありがとう、セイラ。マリーをよろしくお願いします」


 ミコトは侍女2人に頭を下げて、聖女の部屋を出た。





 第2エラルダ国の森に入ったところで、ミコトとロイは小休憩をとることにした。

 もちろん、移動は全てロイの脚である。


「マリーが心配?」

 切り株に腰掛けながら、ロイはミコトに尋ねる。


「……うん。でも侍女さんたちは出産経験があるし、料理も掃除も出来るし、私が心配しても……」

 ミコトもロイの向かい側にある切り株に腰を掛ける。


 するとロイは、こっちにおいでとばかりに両手を広げる。

 ミコトはアハハと笑う。


「今まで背中に乗ってたのに、膝に乗ったら休憩にならないよー」

「いつでもくっついていたいって、俺言ったよね?」

「う……」


 ミコトはのろのろと移動し、ロイの膝の上に座る。


「ミコトの気持ち分かるよ。俺もリントもオロオロしてるだけだしね」

 ロイはミコトを抱きしめて言う。


「ロイは侍女さんたちを手配してくれたじゃん」


 ミコトの言葉に、ロイは苦笑する。


「あれね、本当に手配しただけなんだよ。費用は聖女の公費から出てるんだ。俺さ、聖女が『いい聖女』って言っていたのが気になって、ちょっとアレンさんに聞いたんだけど……」


「あ、私も気になってた」


「歴代聖女は、結構いろいろやってたみたいで……」

 ロイは思い出し笑いをする。


「いろいろって?」

 ミコトは笑っているロイを見つめる。


「恋人を何人もかえたり、イケメンを侍らせたり、買い物いっぱいしたり、料理人に何度もメニューの変更を言い渡したり……」


 ミコトは「えー!?」と大声を上げる。


「だって、聖女は私情を挟んだりせず、みんなちゃんと仕事をしたって……」


「そうそう。そこはその通りなんだよ。でも聖女の仕事って、時々式典に出たり、巡礼があるけど、基本は朝と晩のお祈りだけだよね。その他の時間がかなり暇だったらしいんだ」


「それで、イケメン……」


 ミコトは、自身が考えるイケメンを思い浮かべた。

 ミコトの周りで、ロイとセタとソマイとアサキがケーキを持ってあれこれとミコトに世話を焼いている光景が思い浮かぶ……


「ぐふっ!」

「ミコト!?」


 なにこれ、想像なのにすごすぎる!

 聖女ってそんなことしていいんだ!?


「ミコト、鼻血でてるよ!?」

「うぇっ!?」


 ロイはハンカチを出してミコトの鼻血を拭く。

 イケメンを侍らせる想像をして鼻血を出す……。

 こんな妻でロイは本当にいいのだろうか、とミコトは顔を覆った。


「えーと、それでね、今の聖女はそういうの一切なくて、ミコトの5年間の衣食住も大した金額じゃなくて、公費がかなり余っているんだよ。だから侍女を増やすのも何も問題がなかったんだ」


「そっか。セイラは昼間は寝てるから……」


「ワガママな発言も、全部ミコトとマリーのために言ってるだけだし、ミコトの養成所の費用は特待生扱いで公費ではないし、今は俺の奥さんだから、そこでミコトへの公費も消えていて、余る一方……って感じらしい」


「そ、そうだったんだ。確かに『いい聖女』かもしれない」


 ミコトとロイは、ウンウンと頷き合う。


「ただ、『いい聖女』だと神様が何を交渉するつもりなのかはよく分からないんだけどね」


「そうだね。セイラはセタさんのことだけ頑張ってこればいいって言ってたけどね……」


 ロイは「セタ兄といえば……」と呟く。


「アリアンの誇りだっけ? あの本にそんな感じで書いてあったの?」


 ミコトは曖昧に頷く。


「言われてみれば……ってくらいかな。愛する人が病気になった時に、それでもアリアンでい続ける、と書いてた人が3人くらい……」


「ああ、なるほど。辞めない宣言をしているのか……」


 ミコトは考え込んでいるロイを見て、もしミコトが先に死んでしまいそうだったら、ロイにはアリアンを辞めてほしいなぁと思っていた。

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