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38 採集係と仲良く

俺も採集係になればもっと知ることができるのでは――そう言う考えのもと。

俺はパパスに近づくことにした。


パパスは俺を嫌っている。

懐こうにも、避けられてしまって上手くいかない。


そこで俺は、パパスと同じ採集人に目をつけた。

採集人たちは全部で十人くらいいて、神殿の中で暮らしていて、中々会うことが叶わなかったが、何とか一人と仲良くなれた。


三十歳のぺぺという叔父さんだ。

ぺぺには何度も貢ぎ物をした。

森で探してきたリンゴや山菜、薬草、有りと有らゆるものを持って行った。


「コタルㇽッロ。何時も悪いな」

「いえ、偶々見つけたんで、へ、へ」

揉み手までして、まるでヤクザの三下だ。大きな図体で下手に出る、俺。


「ところでお前デカいよな。二十歳くらいか?」

「え、と。何歳になった……十四歳だな、今年の夏で」

「!!えっ」

何かおかしいところあったか? 確か、十四歳になる筈だ。夏が来れば。  


「お前の種族はみんなそんなにデカくなるんだ……」

「いや、違う……」

だが、俺は言いよどんだ。これは言って良いのだろうか。

言ってはダメな気がする。


「ここでは十三歳から十五歳の少年には、資格があるか試されるんだ。お前もしかすれば採集人になれるかもな。おいらが推薦してやる」

瓢箪から駒……採集係になれるかも知れない。

俺は気分が一気に上昇した。


ぺぺによると、引退間近の採集人がいて、交代要員を探している最中だった。 俺って運が良い。


だが、俺はまず司祭様に呼ばれてこう言われた。

「貴方は採集人にはできないのよ。可哀想だけど」

「……そうですか……俺がよそ者だからですよね」

「そうよ。でも、貴方には確かに素質があると感じる。私の一存では何とも言えないけど、もう一度皆で話し合ってみましょう」


俺の気持ちはしなびた風船のように萎んだ。


その後、ぺぺは俺の顔を見ると逃げ出すように離れて行く。

俺は仕方なく野良仕事を続けるしかなかった。

土をいじっていると父ちゃんの背中を思い出す。

「どうしてるかなあ、ジロウ、大きくなったんだろうな」


春も終わる頃、盗掘者が捕まったと集落が大騒ぎになった。

「お、俺違うからな」

誰にも言われてないのにビビる俺。


「何を言っているんだお前は、盗掘者は捕まって地下牢へ入っている。多分、帝国の回し者だろう」


帝国とは、この国の接している海の向こうにある大きな国だそうだ。

ここは前世で言えば地中海に接しているような土地だったらしい。

海は内海で、気候も穏やか。

だが海の向こうは大変暑い国で、こことは別の神を信奉しているそうだ。


この、盗掘者を捕まえるために、採集人の三人が犠牲になった。

そして二人が大怪我を負ったそうだ。


盗掘者は、五人いて四人が死んだ。

一人は捕まって尋問を受けているらしい。


「何を盗もうとしたんだ。宝でも埋まっているのか?」

「まあな、宝……だな。帝国は魔の力が欲しい。だからしょっちゅう忍び込んで来るんだが、特別な力がなければ、サンクチュアルには入れないし、入ったとしてもベスタになっちまう」

「ベスタって?」

「魔物さ。気味の悪い化物にされちまうんだ」


魔物なら知っている。俺には近寄ってこない奴だ。

ということは採集人の特別な力というのは卵を飲んで得た力のはず。

「俺、普通に入れるんじゃね?」


また俺は司祭に呼ばれた。

俺を呼ぶのはいつも同じ司祭で、ベルーダさんというおばちゃんだ。

俺を見つけてくれた魔女。ここでは位が高いのだそうだ。


「コタルㇽッロ。貴方、以前どこかで魔核を身体に入れたわね」

すっかりバレていた。

「はい、以前いた場所に落ちていたので、腹が減って飲みました」

「腹がへった……まあいいわ。サンクチュアルにいたと言うことは、力があったと言うことですもの。貴方が居た場所にも魔の力を操る者がいる、そう言うことなのね。今まで貴方のことは観察してきました。だから、貴方を信用することにします」

「え、と……どう言うことですか?」


「採集人が足りないの。しかも魔核は春の祭事でなくなった。貴方はサンクチュアルには入れる。こうなったら貴方に入ってもらうしかなくなったのよ」


俺は採集人として、これから神殿に住むことが決まった。







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