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ファンシーなファンタジー

「まぁ待て、俺の話を聞け」


 相も変わらず縛られた俺は、詭弁を弄するべく口を回す。


「ちょっとBA(バトルアーマー)で高い高いしただけだろ?何が問題でも?」


 ちなみに今の中量級のBAは高さが四メートルもある。


「ちょっとどころか、かなり高いんだぞ。危うくあいつらが神の国に飛んでいくかと思ったわ」


「子供好きなのは分かったから、もうちょっと加減してもらえないかしら」


 このチームの要であるふたりに説教される。


「先生は地球?でもあんなことやってたの?」


「何人か攫って(さらって)そうじゃのぅ」


「しねぇよ!そもそも俺はあっちじゃ保父さんになりたかったの!」


「保父さん?何だソレ」


「子供を育てる仕事だよ」


「そこまで子供が好きなのか」


「純粋な子供とか動物が昔から好きなんだよ」


「お酒もよね?」


 ええ、酒は生きるためのガソリンです。


「まぁいいや。それでいつ解いてくれるんだ?」


「反省が足りてないんじゃないか?」


 失敬な。もう十分反省したよ!


「アキラはほっとくとして、なんでこの草原にエイリアンも賞金首も居ないんだ?」


 ルフがムイムイちゃんに質問する。ついでに俺をほっとくなよ。


「えとね~。皆で悪い子をやっつけちゃうの~」


 え、この着ぐるみちゃん達はそんなに強いの?


「なんでムイムイちゃんはちっさくなったの?」


「えとね~、この服着ると元に戻るの~」


 脱皮かっ!


「ということはじゃ、ムイムイは小人族(ポックル)じゃなく着ぐるみ族じゃのぅ」


「なんで嘘ついてたんだろうね」


「早く大人になりたいとか言ってたわね」


「大人の世界は思ったより楽しくないんだがな」


 でも、お酒のめるぞ?まぁ、俺は今が一番楽しいから何でもいいや。


「あ、ちょっと行ってくるね~」


 そう言ってムイムイちゃんは草原の向こうへと着ぐるみを連れて走っていった。


「何があるんじゃ?」


「さぁ?エイリアンかしら」


「ああ、ちょっと見に行ってみよーぜ」


「どんな戦いするんだろうね」


 三人はムイムイちゃんが消えた草原の向こうへと連れ立って歩き出した。


「おいィ!?俺もその戦いみたいっちゅうねん!」







 ファンタジーがファンシーに変わっちまった……。


 日曜の朝にやってるテレビのような光景が目の前に繰り広げられる。


「え~い」とか「やぁ~」だとか、挙句に「ちょいやさ~」とか聞こえる。


「えっと、これはなんだ?」


「小さな着ぐるみを着た子供たちが、犬のエイリアンを倒してるとしか」


 牛の着ぐるみを着た子が「モ~」とか言いつつ体当たりをし、羊の着ぐるみを着た子が「メ~」と鳴けばエイリアンが寝る。そんなトンデモな光景。


「心配したけど、大丈夫そうね」


「杞憂じゃったのぅ」


「やっぱり俺はここに住むことを提案します」


 皆に理不尽に殴られ蹴られた。しかし、気絶は無しだ!だって見たいんだ!


 さっき草原に居た着ぐるみ族は、どこかに隠れてたらしくまだ増え続ける。エイリアンがタコ殴りで可哀そうに見えるよ。


「わぁい!勝った~!」


 着ぐるみたちがムイムイちゃんの声で万歳する。うん可愛い。


「おうちかえろ~」「お腹すいた~」「ちょっと眠い~」


 それぞれ口にしつつ、また草原にある奇妙な岩へと戻っていった。






 おうち?

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