天国と地獄
「見つけたー!」
「わー、見つかっちゃったー」
「やったぁ!」
和むわ、ココ。小さな着ぐるみが駆け回るのを俺はロープで縛られながら見ていた。
「さて、このバカどうするよ」
「待て、俺は子育てが大変だって分かってる」
「違よ、そんな話じゃないよ!」
シャル、お前は俺の味方じゃないのか。裏切ったなぁぁぁぁ!
「で、どうするんじゃ?」
「幸いにもここにはエイリアンも賞金首も寄って来れぬようだし、癪だけどアキラの言う通りちょっとのんびりすっか」
「そうね、最近ずっと大変だったし、たまにはいいわよね」
「わぁい。ムイムイもゆっくりする~!」
「あ、ムイムイちゃん。先生に近づいちゃダメ」
「おいお前ら、ゆっくりするならロープを解くんだ」
「しょうがねぇなぁ」
ルフが俺を縛り付けていたロープを嫌そうに解く。なんで嫌そうなんだよ。
「アキラが変な事言い出したからでしょ」
あれ?俺口に出してたか?
「顔に書いておる」
「ちっ、まあいい。ムイムイちゃん、飴玉をあげよう」
「わぁい!ムイムイこれ好き~」
「あー!ムイムイちゃんばっかりずるい!」
「僕にもちょーだーい」
「あたしにもー」
ムイムイちゃんに飴玉をあげると、小さな着ぐるみたちがやってきた。わちゃわちゃと俺は抱き着かれたり、よじ登られたりする
「おっとー、今日はあと二つあるから、君と君にあげよう」
目の前の狸っぽい着ぐるみの男の子と、肩に乗ってる兎の女の子にあげることにした。
「ありがと~!」
「おお、ちゃんとお礼を言えて偉いぞぅ」
狸も可愛いなぁ。やっぱ俺が育てるしかないな!
「おいアキラ、バカなことを考えてるだろ」
「そそそそんなことないぞ」
「どもってるわね」
「どもってるね」
「どもっておるの」
お前ら俺の顔を見て心を読むのをやめるんだ。
「お兄ちゃん遊ぼう~」
可愛い着ぐるみたちからのお誘いに、俺は喜びの雄叫びをあげた。
「最初は鬼ごっこだ!」
俺は合法的に子供をさらうことにした。
すると、誰かに殴られて俺の天国初日は終わった……。
「お兄ちゃんご飯食べよ~」
「あ痛、なんで俺は草むらで寝てたんだ?」
「あ、起きたかアキラ。お前が暴走したからリリアが魔法で気絶させたんだよ」
「ああ、そうなのか。魔法で俺を止めるほどマズかったのか」
「手加減はしたけど、まさか顔面に当たるとは思わなかったわ」
「お前っ!俺がイケメンじゃなくなったらどうしてくれるんだよっ!」
「大丈夫だよ先生。アタシがちゃんと治したから」
「やはりエイリアンは丈夫じゃのぅ。流石のワシもビビったわい」
「人をエイリアン呼ばわりはどうかと思うぞ、カンタ」
ムカついたので、カンタの酒を横取りする。朝のお酒は美味しいなぁ。
「あ、ムイムイちゃん。朝ごはん貰える?」
「うん!どうぞ~!」
やっぱり芋虫のスープッ!
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