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愛を叫べ!

「確かこのあたりのはずなんだが」


 そう言ってルフが草原を見回し、大きく奇妙な岩を見つけた。


「そうそう、聞いた話だとこの岩のはず。ここからどうするんだっけ?」


「ふむ、ムイムイは確か岩を三回叩くとか言っておったのぅ」


「あと、人間の男が天に向かって愛を叫ぶとか言ってったわね」


 本当かよ。そもそも愛を叫ぶってなんだよ。


「ほらアキラ、岩を三回叩いて愛を叫ぶんだよ!」


 仕方がない、俺の愛の深さを思い知るが良い!


「俺は世界一お金が好きだあああああ!」








 …………?


「何も起こらないんだが?」


「あ、すまん。あれは嘘よ」


「ぶっとばすぞ!」


「お金を愛してる時点でバカだろ。愛する女の名前を叫べよ」


「ある意味引っかからなかったのぅ、つまらん」


 俺の復讐ノートにまた恨みが書き込まれた。


「で、どうすんだよ」


「岩を叩いたからそろそろ迎えが来るんじゃないか?多分だが」


「先生、アレじゃない?」


 草原の向こうから何やら小さな動物みたいな何かがこちらに向かってきている。うん?


「俺の目がおかしくなったか?」


「いや、アレで合ってる」


「こんにちわ~!皆久しぶり~!」


 それは、着ぐるみを着たムイムイちゃんと、似たような着ぐるみを着たポックル(小人族)達だった。









「おい、そろそろ離してやれよ」


「そんな!こんな可愛い着ぐるみを手放すなんて!」


「そもそもなんで小さくなったの?ムイムイちゃん」


「この着ぐるみを着るとね、えっとね~。忘れちゃった!」


「ムイムイちゃんがおバカになっちゃった!でも可愛いから許す!」


 熊の着ぐるみを着たムイムイちゃんを抱きしめ、俺は幸せを噛みしめる。こんな可愛い生物が居る異世界は捨てたもんじゃないな!


 そこへ、狐の着ぐるみを着た小さな男の子が寄ってきて「えっとねー、着ぐるみは強くなるの~。小さくなるのは何でだったかな~?」と教えてくれた。子狐も可愛いな!


 そこへまた違う女の子が寄ってきて「神様がね~、何か決めたみたい~!」とさらに教えてくれる。この子は羊か。モコモコ最高だな!


 しかし、この世界の神様は凄く良い仕事をしたんだな。心で褒めておこう。


「で、これどうすんの?先生」


「全員俺が育てる!」


「アキラが何倍ものバカになっちまった!」


「前からバカだったのに、どうするのよコレ」


「流石に全員は無理じゃろ……」


「人数の問題じゃねぇ!」


「先生、アタシは先生との子供が……キャッ!」


 キャッ!じゃねぇよキャッっじゃ。


「取り合えず、しばらくこの天国で俺はゆっくりしたいと申し上げます!」


 俺は敬礼しつつ皆に方針を述べた。


「ゆっくりしてね~!」


「アキラ、お前…………」








 天国はココにしかないんだよ!

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