しがみつく妖怪のごとく
「いやああああー!」
絶叫と呼べるほどの叫び声を上げ、マリーが俺の腰に抱き着く。
「やだああああ!」
「いやだじゃなくて、行かなきゃなんないの!」
「おいおい、どうすんだよ」
「俺が知りたいわ」
あの日、湖のエイリアンを水ごと消滅させた俺たちは、数日後にムイムイちゃんの故郷に迎えに行く話になった。するとマリーがギャン泣きした。
「一生大事にしてくれるって言ったのにいいいいー!」
「そんなプロポーズしてねーよ!」
「アキラはん、いつのまにマリーお嬢様に告白しなはったんどすえ?」
アラヌス、そのなんちゃって京都弁やめろ。
「お主、マリーお嬢様を泣かすとは偉大なる赤竜様の下僕の前でなんということを!」
「マリーお嬢様、アキラ様が困っていますよ?」
「ぎょえぇぇぇぇ!」
それ、泣き声じゃなく鳴き声じゃないか?
「女の子を泣かせる先生は天誅が必要じゃない?」
「女の子は大事にしなさいよ、アキラ」
お前ら、絶対面白がってるだろ!
「仕方がないのぅ、アキラはこのままラクスに置いていくかのぅ」
「仕方がないよねー!」
「やっぱりウソ泣きか、マリー」
やっぱ女の涙は嘘が多い……。
「じゃ、行くか」
「おい、俺を置いて行こうとするな!マジで助けて!」
結局説得に一日かかってしまい、翌朝出発することになった。
「じゃあなマリー、カルロス、アラヌス、あと偉大なる下僕」
次の日、朝日が見えた時間に俺たちは事務所から出ようと、別れの挨拶をする。
「いつかアキラを迎えに行くからねー!」
「はっはっはっ、十年後にお願いします」
説得は成功したはずなのに返ってきた答えは失敗してる。そもそも迎えに行くってなんでだよ。
「ほら、そろそろ行くぞ」
ルフが俺を促し、事務所から出る。
「絶対迎えに行くからねぇぇぇぇー!」
近所迷惑なんて知らないとばかりに、彼女は俺たちに大声で決意表明をする。せめて元気でね!とかにしろよな。
「じゃあな!」
皆に手を振り、俺たちは街を出た。
ついでに黒服達は最後まで俺に銃を向けていた。こっわっ!
「さあ、ムイムイちゃんの故郷に出発!」
ラクスの街を東、ロックベルの北に位置する‘ポイポイ’とかいうツッコミどころ満載なムイムイちゃんの故郷へと出発した。俺以外は大きな荷物を背負って徒歩だ。
キャンピングカーならぬ魔車なんて持ってない俺たちは、地道に歩くしかない。
「やっぱ魔車貰っとけばよかったんじゃねぇか?」
「魔車があればアキラのBAの整備も楽になるんじゃがのぅ」
「アキラが文句言うから」
「先生は間違ってないもん」
それぞれ口々に言いたい放題だなお前ら。
「アレ貰ったら結納とか言い出すにきまってるぞ」
恐ろしい、何が悲しくて子供と結婚せにゃならん。
「モテる男はつらいねぇ」
そのニヤニヤをやめろ。ルフめ、いつか覚えとけよ。
「ほれ、エイリアンが来たぞ」
へへへ、俺のBAの出番だな!
ちょっと色々修正します。例:行間にスペースを入れ、読みやすくしてみます。
本日はここまでになります。(修正作業のため)
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