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優しさが軽い

 結局あれから俺たちは三人でナンパに繰り出した。結果?惨敗だよ。


「げほっげほっ」


「アキラ、大丈夫?」


「やっぱ筋肉が足りてないんだよ」


 ()()()風邪ひいたよ。この世界の住人は強すぎませんかねぇ。


「やっぱちょっと鍛えるか?」


「げふっがふっ。ルフ、今度から頑張るから今は許しげほっ」


「旦那様、大丈夫ー?」


 マリーよ、しれっと旦那にすんな。介護も内助の功とでもいうんかね。


「早く元気になってお仕置き人の続きを教えてね」


「おお、アキラ。酒で風邪を治すというドワーフ秘伝の方法があってな」


「ええい、お前ら早く出てけ」


 風邪に感染するからとかではなく、心底邪魔だから追い出した。


「げふっ、カルロスは引き続き俺の世話を頼む」


 今の俺にはカルロスが人生の支えなんだよ。


「はい、では僕は引き続きアキラ様のお世話をします。アラヌスさん。マリーお嬢様が無茶なことをしないか見張りをお願いしますね」


 とうとうカルロスにも見放されたマリーは、ほっぺが膨らんでた。栗鼠(リス)か!


「じゃ、今日はアキラも居ないしKNOでもやろーぜ」


 ガヤガヤとあいつらは出て行った。少し静かになったし、ゆっくり出来るぜ。


「カルロスのお陰で、明日には治りそうだ。ありがとな」


「アキラ様、魔法で体力は回復したとしても無茶はダメですよ」


「ははは、無茶なんてしねーよ」


 この時気づくべきだった。バカが三人以上集まるとどうなるかを……。








 ノックの音が聞こえ、カルロスが扉を開ける。


「アキラ、俺が飲んでる筋肉になる飲み物と肉を持ってきてやったぞ」


 アラヌス、今それ要るぅ?


「風邪の時はこれが良いよ先生ー」


「私もお手伝いしたよー」


「俺は元気になれる肉もってきてやったぞ」


「秘蔵の酒を貰ってきたぞ」


「一応胃薬も持ってきてあげたわよ」


 お前ら、優しいんだな。風邪とはいえ心が弱ってたのか、ちょっとウルっときた。


「皆様、アキラ様は病気ですので静かにお願いします」


「まぁまぁそう言うな。俺たちはアキラを心配してんだよ」


 皆がちょっとおかしな笑みを浮かべる。うん?


「ほらほら先生!コレ食べて!」


「シャル、そのスープ何が入ってるんだ?」


「アキラの好きな肉もあるぞ」


「これは何の肉だ?」


「お手伝いしたスープが先ー」


「ほれ酒じゃ酒じゃ」


「胃薬を飲みなさい」


 俺の口は一つしかねーの!あと質問に答えろ!


「しょうがねぇ、まずはシャルのスープからな」


 いつも飲んでるのと色が違うな。マリーが手伝ったってのが気になるが。


「お嬢様が料理を手伝うとは」


 カルロスは何やら感動してるが、そいつ後ろから人を撃つし刺す子だぞ?


「うん、いつもとちょっと違うガハァ!」


「アキラ様!?」


 いや待って、何これ。


「ああ!マリーちゃんと一緒に作ったスープが!先生ヒドイ」


「吐いたら楽になるー」


 それは犯罪者に言うセリフだ。あ、酔っ払いにも言うか。


「で、これは何かな?」


 二人は目を逸らしたので問い詰めると白状した。


「芋虫とクモのスープ」


「芋虫はやめテって言っただろ!」


「ルフがクモも入れてみようぜってー」


「ルフ!」と呼ぶもあいつはもう逃げてた。


 その後、説教したら二人は部屋の隅でいじけた。


「じゃ、次は俺のスープと肉だな」


「アラヌス、俺はお前を信じてるぞ」


「おう、よく分からんが任せとけ」


 薄緑色したソレを恐る恐る食べると、ちょっと泥臭い風味がゲボォ!


「うお汚ねぇ!もったいねぇなぁ」


「おいバカ、これは何の肉だ言ってみろ」


「あ?そりゃアキラが好きな芋虫を中身だけを焼いてみた」


「バカ!もうほんとバカ!」


 ガワがなけりゃ芋虫って分からない小細工を仕掛けるな。


 ついでにスープはやっぱり芋虫のスープでした……。


「アキラ、やっぱりココは酒じゃろ?」







 酒もアカンに決まってるやないかーい!

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