雨降りし日
あれから数日、久しぶりの雨でエイリアン退治をお休みした。たまにゃゆっくりしようかね。
「っかぁ~!朝から飲む酒は旨い!」
黒服に睨まれつつも俺は無視して酒を飲む。
「ダメ人間じゃん先生」
「前世はドワーフなんじゃろ」
「俺はダメ人間でもいい、最近借金で辛かった分を取り戻すんだ」
俺っていう人間は働きすぎるとウサギみたいに死ぬんだよ。
「朝からそんなに飲んでどうするの」
リリアの姉御、今日も美しいですね。あ、そこの酒取ってくれ。
「アキラ様はここ最近働きすぎでしたから」
カルロスが俺に酒を注ぎ、フォローしてくる。ええ子や、カルロスはほんまええ子や。
「あの、アキラ様?頭を撫でられるのは構わないのですが、お嬢様が、その」
歯切れが悪いな。マリーがどうした?
「あの二人ならナンパ行ったわよ。近くの店の女の子がどうとか」
「なにぃ!?何で俺を誘わない!」
「躾が必要ー」
マリー、そのでっけぇナイフを置くんだ。ダメ人間でもまだ生きていたい。
「ダメだったな」
「ああ、やっぱルフがいるからじゃないか?」
「いやいや、筋肉の話しか出来ないアラヌスが悪いに決まってる」
俺を置いてけぼりにした二人は、とある店でナンパをしていたらしい。
「そういうルフも剣の輝きが~とか言ってたじゃねぇか」
「女の子は綺麗なモンが好きだろ」
「お前、実はバカなんじゃねーか」
「お?詐欺で贋金掴まされた奴の話する?」
お互い睨みあってるところを、雨に濡れた俺が割り込む。
「お前ら、俺を裏切ってナンパとは良い根性してるじゃねーか」
「アキラ聞いてくれ、コイツが!」
まぁ待てアラヌス。小雨といえども雨に打たれてナンパするもんじゃない。
「お、おいアキラ。お前のソレ……」
「へへ、気づいたか?」
「あ、マジかお前」
「お前らに頼みがある」
神妙な顔で二人は俺を見やる。そんな顔すんなよ。
「お前たちは俺の命を預けるに相応しい奴だ。だから頼む」
「ナ、ナンパか?」とか「いや、それよりも」とか言ってるが、気にしない。
「取り合えずこの背中と腰に刺さった包丁抜いてくんない?」
翼と子供のお仕置きは俺を死に近づけた。
「何で怪我が消えたんだ」
「知らん」
「知らんて」
犯人の一人がちょっと変わった回復魔法使ってた気がする。
「それより俺を誘わないってどういうことだよ」
「いやだって、お前にはマリーお嬢様がいるじゃねーか」
「あと十年したら考えてやる」
「でも今は居ないムイムイ好きだろ」
「アレは可愛いが、恋愛とは違うだろ」
「アキラとナンパは失敗しそうでなぁ」
「今さっき失敗してアホ二人で喧嘩してたじゃねーか」
ほっといたら殴り合ってそうな雰囲気してたじゃん。
「アホとはなんだアホとは。知性溢れる俺の筋肉に」
「いや、筋肉に知性って無いと思うぞ」
「知性は頭だぞアホ」
そしてギャーギャー言いながら三人で喧嘩になった。
へへ、お前もやるな。




