小さな窓の景色が
さて、今回は新機体であるBAを詳しく見てみよう。
まず初めに、前回の旧式と言われたBAは灰色であったのに対し、今度のBAは水色である。うん、ビミョー。
次に、大きさはニメートルという窮屈な姿勢で制御してた旧式と違い、今度は倍の四メートルだ!
代わりと言っちゃなんだが、横にも縦にも大きくなった。ま、安定感がマシたと思っておこう。
そして何より、なんと浮くのである。足回りを観察しても噴射口など無く、魔法的なアレがとかコレがとか言われがよく分からん。ま、いっか。
あ、浮くと言っても十センチほどである。空はまだ飛べない。
「新しいBAはどうだ?」
「最高だな!しかも操縦桿じゃなく体感型?になったお陰で視界も良好だ」
胴体にある前部ハッチから入り、小さな除き窓から戦ってた旧式はきつかった。どこの戦車兵だ。
「しかし魔法技術ってのはスゲーな」
後ろからコックピットに入ると、俺だと認証した場合下を除く全てに景色が映るようになった。
俺の動きとリンクしているので、細かい作業も出来るようになった。
「でもね、BAって誰が作ったのか知らないのよね。エルフの長い歴史でも聞いたことないわ」
「あれ?誰でも修理できるし、武器だって作れるんだろ?ならドワーフが作ったとか?」
「いや、ワシらも聞いたことが無いのぅ」
じゃ、BAの情報とか誰に聞いたんだよ。
「ハンター協会のグランドさんから情報を聞いたよ」
「あのおっさん、怪しいなんてもんじゃないな」
「協会の闇は考えると恐ろしいのでやめておくべきだ」
ゲンタが珍しく顔をこわばらせて話題を打ち切る。お前、何やったんだよ。
すると突然‘うりゃ!’とか聞こえたと思ったら足の小指に激痛が走る。
「ギャー!くっそ痛ぇ、誰だぼけぇ!」
BAの体を傾けて見ると、アラヌスが俺の足を踏んでいた。
「ははは、やっぱいてーままなのか」
「笑いごとじゃねーぞ!痛覚設定はオフにできねーんだよ!」
「いやぁ、わりぃわりぃ」
俺のBAの大きなデコピンをアラヌスにプレゼントする。“ドゥー”と悲鳴だか衝撃音だかを上げて筋肉バカは林の彼方て飛んで行った。
「悪は滅びた」
周りからの視線が冷たいが、俺は満足だ。
「先生ヤリすぎ。もうちょっとで神様の元へ行くところだったよ」
「アキラ様、手加減はなされているのでしょうが……」
「今のはアキラが悪いー」
「俺は悪くねぇ。黙って殴られるとかいう人生は送ってない」
バカが悪いんだバカが。
「ほーれ、俺の新しい武器は痛かろう?」
片手の丸ノコで賞金首の四つ脚をガリガリと切り刻む。四つ脚は嫌がるようにマシンガンを撃ち放つが、旧式と違ってほとんど痛くない。大きさも勝ってるし戦いやすいな。
あれ?じゃあ筋肉バカはどんだけ強いんだ……?
「フハハハ!ココが痛いのか~?ん~?」
「アキラ、完全に悪魔の所業だぞ」
うっさい。今までの恨みじゃい。
「アキラー、後ろから四つ脚が五体ー」
「ぬおおお!我にも活躍の場を!」
「ゲンタさん、危ないからダメだよ」
「ゲンタ様はその、相性が悪いみたいですし」
寒さに弱い赤竜の下僕は大人しくカルロスの護衛をしとけぃ。
何体きてもガリガリと行くぜ!




