秘密兵器
「五体はキツイな」
「ここでまたまた新兵器の出番だ」
左手の盾を地面に置き、腰の後ろに備え付けられた‘ガトリング砲’を手にし、四つ脚どもに乱射する。
いやぁ、昔見た映画の主人公になった気分だね。
ガトリングはババババと大きな音をさせながら敵の体をみるみると削る。すげぇなコレ。
「うおおお、音も凄いが効果も凄い!」
ルフがその特徴的な獣耳を塞ぎながら叫ぶ。見回すと皆も耳を塞いでるもよう。うるさくてごめんね、でも楽しくて止まらないんだなコレが。
「林が空き地になっちゃった」
シャルが言うようにガトリング砲の凄まじいまでの威力は、周囲の木々と賞金首五体をやすやすと粉々に砕いた。
「シャレになんねーな」
筋肉バカのアラヌスですら顔が引きつっている。
「次はお前がこうなるんだよ」
まるで殺人鬼のように、俺はアラヌスに言ってやった。
「俺が何したってんだ!その顔やめろ!」
「色々やってんだろ。BA盗もうとしたりとか、俺の足踏みつけたりとかな。あと、顔を悪く言うのはやめろ。まるで俺がブサイクになったみたいじゃねーか」
「いえ、その顔は怖いわよ?」
「先生の顔が悪いと思います」
‘BAの’ってつけるべきだぞ二人とも。
「うむ、やはり頭が悪いのだろう」
「俺の頭とか顔が悪いみたく言うんじゃない。BAの頭も顔も悪いのは認めるけどな」
触れていなかったが、BAの頭は三角形で顔は平面だった。愛嬌もクソもない。
「アキラは顔も悪いじゃねーか」
ウラヌス、お主そんなに死にたいと申すか。
「ちょっとダークエルフは美形だからってバカにしやがって!」
「褒めてどうする」
「ダークエルフは美男美女が多いと聞くのぅ。ワシには分からんが」
相も変わらず酒を片手にカンタが評価と感想を述べる。
「ダークエルフは美男美女が多いからな。俺も何人か付き合ったがどのダークエルフの娘も良い子ばっかだったぞ」
「お前、何で紹介してくんねーんだよ!」
「俺は俺の幸せを探す。お前は前に付き進め」
「俺の幸せが前にあるとは限らないだろ!」
こいつ、いつかナンパの邪魔をしてやんよ。
すると、後ろから軽快な音とともに俺の背中に弾丸が何発も当てられた。
「いてててて!敵か!?」
後ろをみると、今まで黙っていたマリーが無言でマシンガンを撃っていた……。
「空からカラス、ついでに逆関と四つ脚の追加だ!」
「賞金首はそれぞれ四体よ!」
エイリアンと賞金首はラクスの街周辺の全戦力を追加投入したかの如く俺たちの前に現れた。
「ゴブリン追加で十匹ほど!なんだってこんなに多いんだ!」
アラヌスが文句を言いつつゴブリンに襲い掛かる。
「ゲンタさんが怪我しちゃったから私も下がるね!」
シャルは回復に専念してくれたほうがいいかもしれない。
「ふんぬ!」
カンタはハンマーで亀の甲羅を叩き割る。ルフも蛇の相手と俺たちへの指示に忙しそうだ。
「マリー、ゴブリンを頼む!」
「アキラはどうするのー!?」
俺?俺はカラスと賞金首を金に換えてくるんだよ。
まずは空に向かってガトリングをぶっ放す。面白いようにカラスが堕ちてくる。
「ちっ、弾切れか」
残りの四つ脚と逆関は丸ノコで切り刻むしかない?いやいや、こういった武器もあるんだぜ。
「いでよ鉄骨!」
俺は丸ノコと鉄骨を‘BAによる魔法’で入れ替える。しかもこの鉄骨と呼んだこの武器は、一味違う。
「おらぁ!」
まずは逆関と狙いを定め、ホバーによる移動で鉄骨を上から叩きつける。ついでに背後から襲ってきた四つ脚にも素敵な鉄骨をプレゼントだ。
逆関は倒せたものの、流石に四つ脚には避けられた。
「甘い!」
右に大きく振った鉄骨を避けた四つ脚に、俺はBAにイメージを頭の中で伝える。
鉄骨は先端を軸として回転し、半分ほどの大きさとなって四つ脚に当たった。
分離したとは言え回転の勢いも付いている鈍器は、四つ脚をダンボールのように潰した。
「ちょっとバランスは悪いが、威力は最高だな」
俺は冷気放射とマシンガンを受けつつ、次々と賞金首を潰して回る。さっぱり痛くないのは嬉しい誤算だ。
「アキラ!巨人二体来たぞ!」
あの時の借りを返すぜ!
結果から言うと、楽勝だった。今までの戦いとは何だったのか。毎度毎度死にかけてた俺に言いたい。その豆戦車みたいなBAはすぐ売って、新しいのを買えと。
「いやぁ、このBA強くていいわ。俺もうコイツ無しじゃ生きられない」
「反則的な強さだよな」
「人類は俺のお陰で助かるのだきっと」
「よっ!救世主!」「アキラ様最高です!」「流石借金王」「モテない男ばんざーい!」
万歳じゃねーよ!
今日はここまでにします。
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