水に沈む希望と絶望
この世界で俺は何度も死にそうになってきた。それは別に良い。
だが、子供まで死なせそうになるのはダメだ。それは許されない。
「というわけで、俺が強くなる方法を考えた。はいそこ、喧嘩しない」
マリーはまたシャルと威嚇しあってた。
仲間で自己紹介やら酒やらで混沌とした生還記念を終えた次の日、俺はマリーの事務所で皆の顔を見回して言った。
「どうするんだ?」
「体を鍛えるにきまってるだろう?」
「それもそうか、ガハハ」
「脳筋ズは黙ってろ!誰が体を鍛えるか!」
そんな辛さはノウセンキュウ。
「俺が考えたのは、BAをパワーアップだ」
そう、今までやってきたのはあくまで武器を変える、装甲を積む等だ。それ以外もガッツリと強化することに意味がある!
「ふーん、BAをどういう風にパワーアップするの?」
「武器を変えるんでは無いのかのぅ」
良い質問ですねぇ、リリア。ついでに朝から酒を片手に言うカンタ。俺にもその酒くれよ。
「軽さを求めて機動力を上げるか?」
「そうなると俺みたいに拳で戦えるな」
「装甲をこれよりも積む?」
「その両方だ!」
「そりゃ無茶じゃのぅ」
カンタが呟く。ふふふ、我に秘策アリだ!
「新しいBAがこの湖のどこかに沈んでいるらしい」
「おー、いいじゃねぇか。で、どんなタイプなんだ?」
「今俺が乗ってるBAが軽級だ。型が古すぎて重いけどな。それを噂のBAに乗り換えることによって中量級に変える!」
「しかし、この広い湖の中を探すのは難しいのでは?中にはエイリアンも泳いでますし」
「そこで切り札、配達人のアシュリーさんだ」
「いいわね、あの人なら大丈夫でしょ」
そう、昨日ルフ達に聞いたら、あの配達人は反則だろうと思った。
BAに乗れないみたいだが、かなりすごい魔法を使えるらしい。
「じゃ、決まりでいいな?今からマリーと行ってくる」
そう言って俺は立ち上がる。
「金はどうすんだ?」
アラヌスよ、決まってんだろ。
「マリー、聞いてたな?行くぞ」
「先生!この子生意気!」
「アキラー、この鳥キライー」
お前らまだやってたの?
「かしこまりました。それでは金貨十枚と銀貨三枚なります」
俺はゴマすり用に飴玉をマリーとアシュリーに渡す。
「トゴねー」
絶望するほどの金額。というか金額おかしくない?
「これが噂の。美味しいですね」
「ああ、金貨一枚の価値はあるだろ?」
「そうですねぇ、では端数の銀貨をおまけしましょう」
やったぜ!でもマジでどうやって返そう……。
「魔法によるサーチ、瞬間移動に引き寄せ。アシュリーさんは美人だし魔法まで最強だな!」
「うふふ、褒めても何もでませんよ?」
ちっ、これ以上は安くならないようだ。
「アキラ、私はー?」
「おー、大人になったら美人になるぞぅ」
「やったー!」
頭をグリグリしてやる。
「しばらくお時間がかかりますが、よろしいですか?」
「そうだなぁ、どれぐらいかかる?」
「十日ほど見て頂ければ」
それでBAが手に入るならむしろ凄い。
「問題ない、それで頼む」
「ではこちらにサインを。はい、これにて依頼を承りました」
これで新しいBAをゲットだぜ!
「アキラー、結婚したら借金は無しになるよー?」
しねぇよ!




