届くべき祈りの先
「ようアキラ、お前いつも死にかけてんな?」
暖かな光を感る。不思議に思い目を開けると、そこにはルフが俺に男らしい笑顔で立っていた。
「……よう、相棒。どんな手品を使ったんだ?」
「アシュリーさんだっけ?あの人に俺たちを“配達”してもらったんだよ」
「はは、そりゃ最高のお届け物だな」
「だろ?」
「後で詳しく種明かししろよ?」
笑いながらルフと拳を付き合う。
俺は回復魔法を掛けてくれたシャルロットにも礼を言う。
「ありがとよ。お陰で助かった」
「先生、流石に無茶し過ぎ」
泣きながら笑うシャルは、マリーごと俺に抱き着く。苦笑しつつそんなシャルの頭を撫でる。
「で、あの二人だけで勝てそうか?」
「いや、流石に二人じゃ無理だ。リザードマンとダークエウフの男と獣人の子供が一緒にいるぞ」
あいつら逃げてなかったのか?
「ああ、丁度合流してな」
「そりゃ運が良い。いや、死にかけたから悪いのか?」
ルフとそんなことを言ってるとマリーが逃がさないとばかりに強く抱き着いてくる。
「いでででで、強く抱き着きすぎだ」
マリーは泣き腫らした目で俺の顔を睨む。なんで睨むんだよ。
「死んだダメ!」
「だからってお前はで死ぬことは無いだろ。これはキツイお仕置きが必要かな?」
冗談めかして言っても彼女は俺を睨むのをやめない。
「お仕置きが必要なのはアキラ!借金を増やします!」
ああ、口調が変わってる。これはマジだな。
「分かった分かった。一先ずあの巨人をどうにかしてからな」
シャルを撫でる手と違う手でマリーを撫でる。両手が忙しい。
「ところでアキラー、この女誰ー?」
「グルルゥー!」
「ギャルルゥー!」
二人で犬の威嚇みたいに唸るのはヤメなさい!
あと、ギャルルはおかしいだろ。
マリーは再びBAに乗り込み、前線へと立つ。彼女はこの戦いで成長したな。今までなら即逃げてたのに、壊れたBAで自ら前線に立つとは。
急な合同での戦闘にも関わらず、皆お互いの動きが分かっているかのように賞金首を相手取る。
「今だ!そこの贋金詐欺男!」
ルフがアラヌスに掛け声を上げ、「俺はアラヌスだ!覚えとけ獣人の男!」
などと暴言なんだか信頼なんだか言い合っている。いやこれ信頼じゃねーな。
賞金首をもうすぐ倒せそうだと思った時、今まで隠していたのであろう武器を取り出す。
「げぇ!逃げろーー!」
誰が言ったのか分からないが、何故か左手にそのままミサイルを抱えこちらに発射する。
「バカお前バカ!そんなの反則だろ!」
俺も慌ててミサイルから逃げる。あんなぶっとい兵器は無理ぃ!
「てやー!」
可愛らしい掛け声とともに、マリーのBAが俺たちの前に身を挺す。
「マリー!」
「キャー!痛いよー!」
後ろに吹き飛ばされた彼女は悲鳴を上げるが、あの様子じゃ大丈夫そうだ。
「うーん、いつもアキラがやってるのにー」
「俺は盾持って前に出てるの!マシンガンを盾にしたことないだろ」
そんな注意をマリーにしていると、どうやら賞金首が倒れたらしい。
「フハハハ!私の刀に切れぬ賞金首はなーし!」
あの巨人を真っ二つにするシャルは凄い子やでぇ。
生きてたから酒が飲めるぞー!
今日はここまでです。お読みいただき有難う御座いました。
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